「群発頭痛」は片頭痛に比べて名前は知られていませんが、頭痛の程度は強く、経験するとつらい思いをする頭痛です。

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連日「決まった時間帯に起こる」激しい頭痛

群発頭痛は、特定の時間帯に15分~3時間、激しい頭痛が、1~2ヶ月間にわたって連日起こる病気です。「群発地震」のように集中して起こることから、この名前がつけられています。

次の頭痛発作が、5回以上見られたときに「群発頭痛」と診断されます(慢性頭痛の診療ガイドラインP.218より)。

  • 極めて重度の頭痛が、目の奥や側頭部で約15~180分持続している
  • 頭痛と同じ側で、目の充血・鼻詰まりが起こり、涙や鼻汁が出る
  • 発作時、頭部や顔に汗をかき、落ち着きがなく興奮する
  • 発作の頻度が、少なくとも2日に1回以上ある

痛むのは、目の周囲や奥側頭部で、片側のことがほとんどです。はじめ、片方の目の奥にキリキリと鋭い痛みがあらわれ、次第に痛みが拡がっていきます。痛みは発生から数分でピークに達します。随伴症状として、目が充血する涙が出る鼻が詰まる鼻汁が出るなどの自律神経症状を伴います。

頭痛の発作は15分〜3時間ほど続き、やがて治まります。頭痛は、毎日決まった時間帯に出現するといわれています。特に夜間から明け方にかけて出現することが多く、不眠の原因にもなります。

男性に起こりやすく、女性の7倍

頭を抱える男性-写真

一般的に「頭痛は女性に多い」といわれますが、群発頭痛は、20~40歳代に発症しやすく、ある調査によると男女比は5~6.7:1で、圧倒的に男性に多いと報告されてます。群発頭痛にかかる人の割合は、10万人あたり56~401人程度と低く、比較的頻度の低い頭痛といえます(慢性頭痛の診療ガイドライン|P.221より)。

群発頭痛には次のようなサイクルがあります。

  • 群発期:1~3ヶ月間にわたり頭痛が出現する時期です。
  • 寛解期:頭痛が出現しない時期で、約6ヶ月~2年程度が一般的です。

このようなサイクルがある場合は「反復性群発頭痛」と呼びます。しかし、中には寛解期(症状が落ち着く時期)がほとんどない、あるいは寛解期があったとしても1カ月未満と短い場合があります。こうした群発頭痛は「慢性群発頭痛」と呼ばれています(慢性頭痛の診療ガイドライン|P.219より)。

経験のない頭痛は「神経内科」「頭痛外来」を受診

片頭痛の場合は、「部屋を暗くして静かに横になって眠りたい」と考えるものですが、群発頭痛の場合、「じっとしていられない」ことが多いです。これまで経験したことのない種類の頭痛を感じたときは、できるだけ早く神経内科や頭痛外来を受診しましょう。診断のためには頭痛や随伴症状を医師によく説明することが大事です。

まとめ

頭痛は、「すごく痛いけれど、単なる頭痛だから…」と放置したりせず、早めに専門の医療機関に相談することで、適切な診断、対処をすることが大切です。群発頭痛の診断基準にあてはまる症状がある場合には、神経内科や頭痛外来などを扱っている医療機関を受診することをおすすめします。