寒い季節に家族で入るお風呂、温かくて心地良いですね。お風呂の中や上がったあとにお子さんが身体をかゆがっている様子はありませんか?子供の肌は大人より敏感なので、入浴後に肌のトラブルが起こることも少なくありません。今回は、お子さんの肌と入浴後のかゆみについて解説します。

目次

子供の肌って?

子供の肌は、大人の肌の半分程度の厚みしかないために外からの刺激を受けやすく、ちょっとしたことで湿疹や皮膚炎などのトラブルが起こります。

また、生後2~3か月から10歳くらいまでは皮脂の分泌も未熟で、アミノ酸やセラミドなどの保湿成分が少ないので、肌がカサカサしやすい時期です。

一方で汗を出す汗腺の数は大人とあまり違いがありません。大人より体温が高いために汗をよくかき、あせもにもなりやすいのです。

入浴と肌のトラブル

温度差による刺激皮膚の乾燥などが、かゆみのきっかけとなることがあります。

温熱蕁麻疹(コリン性蕁麻疹)と呼ばれる非アレルギー性の蕁麻疹は、温熱刺激が原因となる蕁麻疹です。熱いお湯に浸かったとき、急に冷たい外気にさらされたときなどにあらわれます。

寒さの厳しい日になりやすいしもやけ(凍瘡)も、入浴時など体温が上がったときにかゆみが増すことがあります。

また、先に説明したように子供の肌は敏感です。冬は空気が乾燥しているうえ、入浴時には肌が濡れたりボディーソープなどで油分が落とされたりすることで、肌はさらに乾燥しやすい状態になります。

肌が乾燥した状態で蕁麻疹やしもやけによってかゆみが出た部分を引っ掻いてしまうと、皮膚にかき傷ができ傷が治る頃にはまたかゆみが起こる…という悪循環に陥ってしまいます。

子供の入浴方法

かゆがっているときは、お風呂や衣類で暑くし過ぎない、衣類は刺激の少ないものを選ぶ、などの工夫をしてみましょう。かゆみを改善するために、子供のデリケートな肌に刺激を与えない入浴方法を紹介します。

温度時間

熱すぎるお風呂は肌のうるおい成分を溶かし、乾燥を招きます。大人にとってはぬるめに感じますが、湯温は38~39℃を目安としてください。

また、湯温だけでなくお風呂に入っている時間にも注意が必要です。子供は大人よりも身体が小さいため、すぐに深部にまで熱が伝わってしまいます。

湯冷めが心配なときは入浴時間を長くするのではなく、入浴後に過ごす部屋の温度を暖めておきましょう。脱衣所を暖めておくことで、温度差によってかゆみが引き起こされるのを防ぐこともできます。

身体の洗い方

子供は代謝が盛んで汗をかきやすいので、一日一回汗や汚れを洗浄剤で洗い流すことが大切です。

洗うときは、ゴシゴシと力をいれすぎないようにします。汚れは泡で浮かせて落とせるので、たっぷりの泡を「手」にとって優しく洗うようにしましょう。

保湿方法

お風呂から上がったあとは、やわらかいタオルで水分を吸わせるように身体をポンポンと拭きます。

皮膚が薄い子供は水分の蒸発が大人より早いため、入浴後はなるべくすぐに保湿ケアをします。

広いところは、のばしやすいローションタイプや乳液タイプを使います。肌を摩擦しないように、保湿剤はたっぷり手にとり両手のひら全体にのばしてから、子供の身体にぬります。

夏場はあせもになることもあるので、保湿剤を使うときは注意します。

肌トラブルがあったときは、小児科?それとも皮膚科?

タオルにくるまる赤ちゃん-写真

小児科は、子供の病気のすべて専門分野だと思うかもしれませんが、本来は「小児内科」という意味があります。子供の皮膚の病気は皮膚科で診てもらうことが自然です。

できれば子供の皮膚を中心に診察している皮膚科医を受診できれば良いのですが、小児科であっても皮膚について熱心に勉強している医師はたくさんいるので、皮膚科でも小児科でも信頼できる医師を選ぶことが大切です。

皮膚の状態は個人によって異なるので、皮膚科や小児科のかかりつけの医師とよく相談して、お子さんにあった入浴方法を指導してもらいましょう。

まとめ

子供は大人よりも皮膚の厚みが薄いために、少しの刺激が肌のトラブルを引き起こすことがあります。子供をお風呂に入れるときは、温度、時間、洗い方に気を付けましょう。

肌が乾燥しているときは、入浴後に保湿剤をつかいます。