突然お子さんが鼻血を出して驚いたことはありませんか?鼻血は鼻を強く打ったときだけでなく、部屋で静かに過ごしているときに出てくることもあります。ただ、急な出血も原因が分かっていれば慌てず対応することができます。今回は鼻血が出るメカニズムと血を止める適切な対処法について説明していくので、お子さんの鼻血が出たときの参考にしてみてください。

目次

鼻血のメカニズム

鼻血のほとんどは、鼻の穴を仕切る鼻中隔(びちゅうかく)の粘膜が傷つくことで出てきます。鼻中隔の前方にはキーゼルバッハ部位という、毛細血管が多く存在する箇所があります。子供のキーゼルバッハ部位には血管が集中していてとても傷つきやすく、鼻を強くかむことや鼻の穴の中をいじるようなわずかな刺激でも出血してしまいます。寝ているときに無意識に触ることも出血に繋がっていきます。

またアレルギー性鼻炎や風邪にかかったときは鼻の粘膜が充血している状態です。鼻がムズムズしていると思わず触ってしまうため、血が出やすくなります。鼻炎や風邪の症状に対処していくことも重要です。

鼻血の止め方

鼻を押さえる子ども-写真

出血したときは座って少しうつむき加減になるよう下を向かせましょう。そして膨らんだ柔らかい小鼻を両側からつまんで鼻中隔を圧迫させます。寝た状態が楽なときは頭を高くして寝かせますが、横を向かせるようにしましょう。上を向いてしまうと血が喉に流れ落ちてきてむせてしまう原因となるほか、血を飲むことで吐き気を感じてしまいます。

5~10分ほどしっかり押さえておけば基本的に鼻血は止まります。手を離したときに中に溜まった血がドバッと出てしまうことがありますが、その後血が出てこなければ心配はいりません。血が治まった後も、しばらく止血しているときと同じ姿勢で安静にしてください。

鼻血を止めるために鼻の穴の中に何か詰める必要はありません。どうしても圧迫できないときや入れたいときは、脱脂綿など柔らかいものを選んで穴の奥ではなく出血箇所の手前に置いてください。硬い素材はかさぶたをはがしてしまうので避けてください。

血が止まってから鼻を触ってしまうと、穴の中にできたかさぶたが剥がれてしまい再び出血してしまうのでやめさせましょう。

よく「鼻の付け根を押さえると鼻血が治まる」といわれますが、血管は鼻中隔の前方にあるので効果的ではありません。また「首の後ろをたたく」対処もよく知られていますが、科学的根拠はないのでやめましょう。

鼻血が止まらない場合は

処置をしても出血が止まらない場合は、動脈からの出血、まれに出血傾向がある血液の病気の可能性も考えられます以下の3点に当てはまる場合はすみやかに病院で診察してもらってください。

  • 処置してから20~30分たっても出血がしつこく止まらない。
  • 鼻だけでなく歯茎などほかの部位からも血が出てくる。
  • 紫斑が手足や体にもある。
  • 発熱や倦怠感を伴う。

病院へ移動するときは止めるときと同じようにうつむき加減で鼻中隔を圧迫し続けます。医師にはどういう状況で血が出てきたのか、日ごろの鼻血の頻度などを詳しく伝えることも大切です。

まとめ

鼻の穴の中は血管が数多くあり、刺激によって粘膜が傷ついて血が出ることは珍しくありません。また、適切な処置を行えばじきに止まる場合が大半です。鼻血があったときはすぐ病院に行くのではなく、まず自分たちで慌てず処置をして様子をみましょう。それでも止まらない場合は病院に行くようにしてください。