アレルギー性鼻炎の症状であるくしゃみ、鼻水や鼻づまりは花粉やハウスダストが原因で起こります。鼻炎の症状が出たら医療機関を受診しますか?それとも薬局などで市販薬を購入しますか?

今回はアレルギー性鼻炎の市販薬についてご紹介いたします。セルフケア法と合わせて、薬の種類と特徴をご覧ください。

目次

アレルギーの症状チェック

アレルギーの症状に対して適切な対策をとるために、自分のアレルギーがどのレベルにあるのかを知りましょう。

鼻づまり、鼻水やくしゃみの症状をチェックしてみましょう。

アレルギー性鼻炎の症状と程度 鼻水やくしゃみが一日に何回起きるか
21回以上 11~20回 6~10回 5回以内 5回未満
鼻づまりの症状 一日中完全に鼻がつまっている ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
鼻がつまっていて、長時間口で呼吸をしなければいけない ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
鼻がつまっていて、ときどき口で呼吸をする ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆
鼻はつまっているが、鼻で呼吸ができる ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆
鼻のつまりを感じることはほとんどない ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ×

 出典:「鼻の病気はこれで治せる」p.59を参考にいしゃまち編集部作成

  • ×     基本的に問題はありません
  • ☆    日常生活に支障はありません
  • ☆☆   生活に少し負担を感じます
  • ☆☆☆  ときどき生活に困難を感じます
  • ☆☆☆☆ 正常な生活がとても困難です

アレルギー性鼻炎の重症度を把握して適切な治療を受けるようにしましょう。

上手な市販薬の選び方

薬店

1.市販薬の種類

最近は、「OTC医薬品」という言葉を耳にするようになりました。医師に処方してもらうのではなく、薬局やドラッグストアなどで自分が選んで購入できる「一般用医薬品」と「要指導医薬品」のことを指します。

薬局などで購入できる市販薬は、症状が軽い段階で服用する薬です。薬剤師に自分の症状を相談して薬を選ぶようにしましょう。

花粉症の市販薬は使い方で分けると3種類あります。

  • 内服薬
  • 点鼻薬
  • 点眼薬

成分から分けると4種類あります。

  • 第一世代抗ヒスタミン薬アレルギー発症に関係があるヒスタミンの働きを弱めて、くしゃみや鼻水の症状を改善する。
  • 第二世代抗ヒスタミン薬:抗アレルギー作用により炎症を抑える働きをする。
  • 血管収縮薬:広がった血管を収縮させて鼻づまりを和らげる。使い続けると症状が悪化することもある。
  • 遊離抑制薬:アレルギー発症に関係があるヒスタミンの働きを弱める。効き目はやや遅い。

2.症状別市販薬の紹介

アレルギー症状の緩和に使われている市販薬の特徴を表でみてみましょう(市販薬の比較についてはこちら)。

薬の効き目や副作用は個人差があるので、必ず薬剤師に自分の体質や症状、他に病気の心配はないかなどを相談してから選ぶようにしましょう。

分類 特徴 製品名
内服薬 ウイルス、花粉、
ハウスダストが原因の鼻炎の症状や
なみだ目の改善
コンタック600プラス、
ダン鼻炎錠、
鼻炎薬A「クニヒロ」
花粉などが原因のアレルギー性鼻炎と
皮膚の腫れやかゆみの症状の改善
スルーロンALソフトカプセル
アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎の
症状の改善
カイゲン鼻炎カプセルP、
トレーネ鼻炎薬
アレルギー専用鼻炎薬、
アレルギー誘発物質を抑える
エバステルAL
抗ヒスタミン剤配合、
アレルギー症状の緩和
セピー鼻炎ソフトN
アレルギー性鼻炎の症状緩和、
眠くなりにくい
アレグラFX
鼻炎の症状改善、
卵アレルギーの原因となる成分なし
ビエンダブル
抗アレルギー作用、
抗ヒスタミン作用、
血管収縮作用で鼻炎症状の緩和、
眠くなりにくい
ロートアルガード鼻炎内服薬ZⅡ
抗アレルギー作用で鼻炎症状の緩和、
眠くなりにくい、
口の中が乾きにくい
龍角散鼻炎朝夕カプセル
点鼻薬 抗アレルギー作用、
鼻粘膜の腫れと充血を抑える
エメロット点鼻薬AG、
アスゲン点鼻薬AG、
エージーノーズアレルカットS、C
血管収縮剤配合で
鼻づまりを早く改善
ナザールブロック、
パブロン点鼻クイック
抗ヒスタミン剤がアレルギーの
原因を抑えて症状を緩和
アルガード鼻炎クールスプレーa、
ナザールブロック
小青竜湯 鼻炎の症状を緩和、
眠くなりにくい
エスタック漢方「小青竜湯」エキス顆粒、
オオクサ小青龍湯エキス錠、
モリゼンチトウ
風邪、アレルギー性鼻炎、花粉症などの
鼻水やの症状緩和
小青竜湯エキス顆粒クラシエ

鼻炎の薬と一口に言っても効果にそれぞれ特徴があります。アレルギー症状を緩和するもの、鼻づまりを和らげるもの、眠くなりにくいものなど目的に応じて薬を選びましょう。

薬を服用しても効果が感じられなかったり副作用が起きた場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。

インペアード・パフォーマンスって?

アレルギー性鼻炎は、ヒスタミンという物質が増えて血管や神経を刺激してくしゃみや鼻水などの症状が起きます。その働きを抑えるための抗ヒスタミン剤ですが、眠気が起きるという副作用があります。

最近の研究では、眠気に加えて集中力、判断力や作業効率などの低下も明らかになってきました。これらを「インペアード・パフォーマンス」と呼んでいます。

こんな時はすぐに病院へ

鼻の異常に対して自覚症状が軽くても症状が長く続く、ずっと不快感があるという場合は、医療機関を受診するようにしてください。

  • 鼻を強く打ったとき:鼻の骨折の可能性があります。
  • 鼻血が同じ場所から繰り返す出るとき:鼻のがんなどの心配があります。
  • においを感じにくくなったとき:嗅覚に問題が発生しているサインかもしれません。
  • 片方の鼻だけがつまるとき:高齢者の場合で歯も痛いようならば、副鼻腔のがんの疑いもあります。

まとめ

アレルギー性鼻炎の症状は個人差があり、人によって様々な症状があります。適切な治療を受けるために、自分自身で症状をチェックして重症度を理解しておきましょう。

市販薬を選ぶ際は、重症度と改善したい症状、薬の特徴を理解して、薬の副作用が起きないように、医師や薬剤師と相談しながら服用することが大切です。