人間ドックの種類は多岐にわたり、また、各病院によっても異なります。「どれを受けたらいいかよくわからない!」という方のために、ここからは主要な人間ドックと、年代別おすすめオプション検査を紹介していきます。

目次

人間ドックの種類

検査結果-写真

日帰りドック(一日ドック)

一番標準的な、生活習慣病のリスクやがんの早期発見を目的とした検査です。身長・体重など身体の基本的な項目から、胸部CTや上部消化管(食道、胃、十二指腸など)や下部消化管(小腸、大腸、直腸など)の内視鏡検査を行います。
通常の健康診断よりもより精密な検査のため、がんや生活習慣病などの早期発見に役立ちます。

この日帰りドックが人間ドックの基本形で、これにオプションとして専門的な検査を付け足すことができます。ここではその主なものを紹介します。

がんドック(PET/CTがんドック)

PET/CTがん検診ドックは、がん細胞がブドウ糖を取り込みやすいという性質を利用した検査です。ブドウ糖に近い成分の検査薬を注射して、代謝などの機能から異常を観察します。
臓器の形だけでは判断がつかないときに機能そのものをみることで診断の精度をあげる
ことができます。
活動状態からがんを診断するので小さながんも発見しやすいのです。

また、MRIやCT検査は部位を絞って検査を行うのに対して、PET検査は全身を一度に調べることができます。

しかし、PET検査だけでは位置や形を正確に読み取ることが難しいため、CT検査と組み合わせて、「PET/CT検査」とすることで、より正確な診断が可能になっています。

脳ドック

脳血管疾患は日本人の三大死因に含まれる重大な疾患です。
特によく知られている疾患は脳卒中で、それは突然起こり、最悪の場合死に至るといわれています。
このように自覚症状がほとんどない脳の病気を発見するために行われるのが脳ドックです。脳ドックではMRIやCT検査による画像診断が基本となります。

この検査で見つかるのは脳梗塞、脳動脈瘤や脳腫瘍、認知症の兆候、その他症状のない小さな脳の梗塞や出血などです。

心臓ドック

心臓病はがんに次ぐ日本人の死亡原因となっています。そのため、心臓の疾患や異常を発見する心臓ドックが重要です。
動脈硬化などの血管の異常に加え、突然死の恐れもある心筋梗塞や狭心症などの可能性を調べます。また、心筋梗塞の兆候や、不整脈の発症を予知することも可能です。

肺ドック

肺がんは近年増加しており、とくに喫煙者の方は注意しなければいけない病気となっています。

通常の人間ドックでは胸部X線写真をとることによって検査をしていますが、肺ドックでは胸部CT検査や喀痰細胞診検査などを行うことで発見しづらいがんの早期発見に努めています。

骨ドック

人間の骨は年齢とともに質量が減少して、最終的にはスカスカになって脆くなり、骨折しやすくなってしまいます。
とくに老人や閉経以後の女性に多く見られ、70歳以上では約半数が骨粗しょう症になるといわれています。
しかし、症状が現れにくいので、骨密度を測定して骨の状態を知り、予防に努めることが大切です。

レディースドック

乳がん検診や子宮頸がん検診など、女性特有の病気を早期に発見するのに役立つ検査です。子宮頸がん、乳がんの検査だけでなく、経膣超音波や骨盤MRI検査などで子宮・卵巣などの臓器を徹底的に検査します。

 

これ以外にも多くのオプション検査があります。

また、それぞれのコースは医院によって名前や内容が異なるので、受診予定の医院に詳細を確認するとよいでしょう。

年代別おすすめオプション検査

以上のように、人間ドックには多くのオプション検査が存在しています。では、特定の性別や年代で受けたほうがいい検査はあるのでしょうか。

30代

30代はまだまだ病気のリスクが低い年代ですが、子宮頸がんの発症のピークは30代後半(日本産科婦人科学会より)など、女性特有のがんは早い年齢でも発症することがあります。
この年代になったら定期的に婦人科の病気について検査を受けましょう。

  • 女性:レディースドック(子宮頸がん検診・マンモグラフィ・乳房超音波検査)

40代

40代にさしかかると、糖尿病をはじめとする生活習慣病の症状が現れだします。
また、飲酒や喫煙をされる方はその影響があらわれてくる頃ですから関連する臓器のがんについてはとくに注意しておきましょう。
また、自覚症状が出にくい脳の病気を防ぐために脳ドックを受けることもおすすめです。

そして、女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモンの低下に伴って骨の質量が減少するため、若いうちに自分の骨の状態を知って骨そしょう症を防ぎましょう。

  • 男女共通:脳ドック、胃腸系ドック(内視鏡検査)、肺ドック(胸部CT・喀痰細胞診検査)
  • 女性:レディースドック(マンモグラフィ・乳房超音波検査・子宮頚がん検診)、骨ドック(骨密度測定)

50代以上

50代以上になると、定期的に継続して検査を受け続けることが重要になります。
特に、がん、脳卒中、心臓病などのリスクは視野にいれておかなければなりません。いずれも50代から発症が本格化するためです(厚生労働省ホームページより)。

また、男性は前立腺がんが増える時期のため、腫瘍マーカー検査をおすすめします。

  • 男女共通:胃腸系ドック(内視鏡検査)、肺ドック(胸部CT・喀痰細胞診検査)、心臓ドック、脳ドック(MRI検査)
  • 男性:腫瘍マーカー(前立腺がんなど)
  • 女性:レディースドック(マンモグラフィ、乳房超音波検査、子宮頚がん検診)、骨ドック(骨密度測定)

まとめ

以上が主な人間ドックの種類になります。ここで紹介した以外にも色々な人間ドックが存在するので、自分にあった人間ドックは何なのかをよく吟味して受診し、健康維持に役立てていきましょう。