健康診断は受けたら終わりでそれっきり、という人も多いかもしれません。数値は見たけれど生活改善がよくわからない、忙しくてできそうにないなど、人によって生活改善ができない理由は様々です。しかし、健やかな毎日を送り続けるためには、体に変化があればその変化に合わせて生活を改善していくことがとても大切です。
今回は、「【保存版】健康診断結果の数字、一体何を表すの?健診結果の見方を知ろう!」を踏まえたうえで、どのようなことに注意して生活を送ればいいのかなど、健康診断後に取るべき行動について説明していきます。
健診結果通知後に改善すべき生活習慣
健康診断で指摘のあった部分はどの項目でしょう。指摘された数値を改善するには、なぜ異常な値になってしまったのか、まず自分の生活を振り返ることが大切です。
また、検査項目ごと気をつける点は異なります。項目ごとの生活習慣のポイントを確認し、今からしっかりと生活習慣を改善しましょう。
高血圧

健康診断で高血圧と判定された場合、血圧を低めに維持するために生活を改善する必要があります。
血圧はさまざまな影響で変動しやすいものです。
自宅やリラックスできる環境下で、決まった時間に血圧を測定し、自身の平均の血圧値や変動を確認しましょう。
朝1回測定の場合は、起床後トイレに行ってから1~2分安静にしたあと測定するといいでしょう。
また、医師の前で測定すると高血圧となる「白衣高血圧」、逆に医師の前だと低く自宅等では高い「仮面高血圧」の場合もあります。特に注意が必要なのは「仮面高血圧」の場合です。自宅での血圧値が135/85mmHg以上の場合は高血圧の可能性があります。
詳しい生活改善の内容は「高血圧を防ぐ生活習慣とは」をご覧ください。
肥満

肥満はさまざまな健康障害や病気を引き起こします。BMI・腹囲測定で肥満を指摘された場合、肥満を解消しましょう。肥満解消には、ゆっくり確実に、リバウンドしないような減量が必要です。
食事の改善方法に関しては「肥満から抜け出したい!~肥満を解消するための食事のポイント~」をご覧ください。
また、いつ、どこで、何をどのくらい食べたかなどの食事の記録や合わせて体重の記録をすることで、今まで気づけなかった食生活の乱れ等に気づくことができます。
運動も筋肉を維持し代謝を促進させる効果があるため、併せて行うことでより肥満解消につながります。
脂質異常症

遺伝や体質等の問題も原因になり得ますが、生活習慣の乱れでも脂質異常症は起こります。知らず知らずのうちに脂質異常症に傾くような食事を摂っていたりすることもあります。食事の改善については「脂質異常症(高脂血症)を防ぐ食事って?」をご覧ください。
特に悪玉(LDL)コレステロールのみが高値だった方はこちらの「悪玉コレステロールが高いと言われたら?」の記事をご参考ください。
肝障害

AST(GOT)、ALT(GPT)が高値の場合、慢性肝炎や脂肪肝、アルコール性肝障害などの原因が考えられ、何が原因か特定することは健康診断の段階では難しい場合があります。γ-GTPもアルコール以外の原因で上昇することもありますので、正常値を逸脱している場合は自覚症状がなくても医療機関を受診し、なぜ肝機能数値が上昇しているのかを調べる必要があります。
アルコールを普段飲まれる方の数値が正常に戻るには1か月ほどかかるといわれており、検査を再度受けるときは必ず禁酒をしましょう。また、日ごろからお酒は控えめにしましょう。
また、肝臓に脂肪がつく脂肪肝は可逆的なもので、肥満も一つの原因となります。肥満解消のために生活を改善することで脂肪肝も解消することができます。
糖尿病・高血糖

食事、運動療法が基本です。食事に関しては「毎日続けられる! 糖尿病の食事のポイントと簡単レシピ」で確認しましょう。
また、運動でも血糖値を下げることが可能です。減量の効果もあります。特に、血糖値が上昇し始めるタイミング(食後1時間ほど)で運動を始めることで、血糖値を抑えることができます。
腎障害

尿たんぱく陽性の場合、腎臓に負担がかかっている可能性があります。
食事の改善方法に関しては「腎臓病を予防しよう!食習慣のポイント4つ」をご覧ください。
健康診断結果の判定について
これまで生活改善方法を説明しましたが、正常を逸脱した数値がある場合は、生活習慣の改善を行い、検査結果の判定の指示に従いましょう。各医療機関では、受けた検査項目の数値をもとに、総合的に健康状態の評価をしています。
異常なし | 異常所見を認めない 基準値範囲内 |
軽度異常 | ごく軽度に基準値を外れているが 日常生活に心配はいらない範囲 |
要経過観察 | 軽度の異常がみられるため 生活改善し次回の検査まで経過を観察する |
要再検・精査 | 異常があり、原因探索や詳しい診断をするために 精密検査が必要 |
要治療 | 治療が必要なレベル |
※医療機関によって判定基準や区分が異なります。
要再検・精査以上になると医師への相談が必要となります。
詳しい原因探索を行い、薬物治療が必要なのかを診断してもらいましょう。また数値が悪化している状態では、他の疾患が原因で異常値がある場合や、体に負担がかかる運動療法など、上記の生活改善の方法を実施してはならない場合もありますので、まずは医師に相談しましょう。
まとめ
数値は正直です。もしも、正常値を逸脱した検査項目があるのであれば、それは体から発信されたサインで、健康生活の乱れや疾患が隠れている可能性があるということです。早期の状態でも、今後体が負担を受け続けることで大きな病気にもつながりかねません。検査結果を受け取ったら、まずは自身の行動を振り返り生活改善されることをおすすめします。また、再検査や精密検査、治療が必要とすすめられた場合は、病気の可能性も強く疑われますので、放置せずに必ず受診しましょう。