「がん検診は受けたほうがいい」と分かっているけれど、どんなことをするのか?どれくらい時間がかかるのか?がんが見つかったらどうしよう?など、不安が先に立ち、検診に踏み切れない方も多くいます。胃がんは早期に発見できると生存率が高くなりますので、検診はとても大切です。
なぜ必要なのか
胃がんを早期に発見し、適切に治療をすることで、胃がんによる死亡を防ぐために検診は有効です。胃がんは早い段階で見つかれば治癒するといわれています。しかし、早期の段階では無症状であることがほとんどです。ですから、症状のない段階で受けることが大切です。
胃がん検診の方法
地方自治体による検診では胃X線検査を受けることができます(胃カメラによる検査を受けられることもあります)。人間ドックなどの自己負担による検査では、胃内視鏡検査を受ける人もいます。
胃X線検査とは
造影剤となるバリウムと胃を膨らませる発泡剤を飲み、胃の中の粘膜を観察するためにレントゲンを撮る検査です。造影剤と発泡剤を飲んだら、げっぷを我慢して、透視台の上で体勢を少しずつ変えて、いろんな角度から胃のレントゲンを撮ります。
バリウムはまずいといわれていますが、最近のバリウムは昔に比べて飲みやすくなっています。この検査では、良性の病気である潰瘍やポリープも発見できます。検査時間は、約10分程度です。
胃内視鏡検査とは
一般的に胃カメラといわれることが多い検査です。口から内視鏡を入れ、内視鏡の先端についたカメラで胃の中を観察します。胃の中の状態が直接テレビモニターに映しだされるので、胃の状態が分かりやすく、小さな病変を見つけることが可能です。胃X線検査で精密検査が必要と判断された場合にも行われます。検査時間は、約5分程度です。
胃内視鏡検査については、「胃カメラ(胃内視鏡検査)の上手な受け方とは?医師の選び方や検査の意義とは」も併せてご覧ください。
どちらの検査を受けるのが良いの?
バリウムも胃カメラも、検査をする術者の技量に左右される検査の一つです。それぞれに、メリット・デメリットがあります。
メリット |
デメリット |
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バリウム | 比較的簡単な検査 | 被曝 精密検査は胃カメラが必要 |
胃カメラ | 精密検査になる | 術者によっては苦しさなどがある 検査後に休憩を必要とする施設もある |
また、どちらの検査を受けた場合にも偶発症とよばれる事故の恐れがあります。これは、検査の後にそれがもとになって起こる病気のことです。しかし、それでもこれらの検査を受けて早期にがんを発見できれば、それだけ根治の可能性も高まるので、検査を受けた方が良いでしょう。
対象・受診間隔

自治体による胃がん検診では、男女ともに40歳以上、年に1回の受診ができます。
料金・費用
検診にかかる費用は自治体によって異なります。お住まいの市町村に問い合わせてみましょう。
対象年齢外などにより自己負担で検査を考えている場合は、病院によって費用が異なりますので、病院に直接問い合わせましょう。胃X線検査は10,000~15,000円程度、胃内視鏡検査は15,000~20,000円程度です。
まずは検診を受けてみようと思った方は、ぜひ人間ドックを予約してみてください(人間ドックのここカラダのページが開きます)。
まとめ
日本では欧米諸国に比べて、がん検診の受診率が低いです。しかし、胃がんは早期に発見できると治癒が望めます。ですから、無症状のうちから検診を習慣にすることが大切です。胃がんは症状が出たときには悪化している場合がほとんどです。
自治体が実施する胃がん検診では、胃X線検査や胃カメラによる検査がが40歳以上で年に1回受けられます。40歳を迎えたら、胃がん検診を受けましょう。