胃がんは、日本人にとってかかる割合が第1位(2010年)、死亡率は第2位(2013年)となっており、身近な病気といえます。しかし、実際に胃がんと聞いてどんな原因で起こるのか?どんな症状があるのか?わからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、胃がんの原因と症状について説明します。

目次

胃がんとは

胃の内側にある粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞へと変化した病気です。がん細胞は、血液やリンパ液にのって体の他の場所へ移動して増えることもあり、これは転移といわれます。特に胃がんでは「リンパ節転移」が多くなっており、早期の胃がんでも転移することがあります。

胃がんの原因

1.食事アルコール

アルコールは、適量であれば問題はありませんが、度が過ぎた飲酒は胃に負担をかけます。

また、野菜にはがん細胞のもととなる傷ついた細胞を修復する機能があるので、野菜や果物の不足にも注意が必要です。

塩分や香辛料の多い食べ物、熱すぎる食べ物、焦げ付いた食べ物など胃を刺激するものの取り過ぎも胃がんの原因になり得ます。

胃は食べたものを貯蔵して次の十二指腸に少しずつ送る役割や消化する役割などがあります。そのため、食べ物に大きく左右される可能性があります。

2.喫煙

煙草に含まれる有害物質が胃の粘膜を刺激することがよくないとされています。

3.ストレス

ストレスで胃潰瘍や胃炎を繰り返すと胃粘膜細胞が傷つき、修復が追いつかなくなることで胃がんになる可能性が高まります。

4.ヘリコバクターピロリ菌

胃にとりついて炎症を起こす菌です。上下水道の整備が十分でなかったころ、井戸水を飲む機会が多かった50歳以上の世代では約70%の人が感染しているといわれています(日本医師会)。ただし、胃がんの危険因子とされていますが、感染している人が全員発症するとは限りません。ピロリ菌については、詳しくは「胃潰瘍の原因?ピロリ菌ってどんな菌」をご覧ください。

胃がんの症状

早い段階で腹痛を感じる人もいますが、多くは無症状のまま経過します。がんが進行していても1/3の人は無症状といわれています。食べ物の通過障害や食欲不振吐き気・嘔吐貧血黒色便体重減少などが見られた場合は、しばしば進行がんになっていることがあります。

まとめ

胃がんは日本人がかかりやすく、死亡率も高い病気です。胃がんの原因には、食事や喫煙、ストレス、ヘリコバクターピロリ菌などがあります。胃に負担をかけない生活を心掛けることが大切です。胃がんは無症状のことも多く、小さな異変を感じたときも、市販薬のみで対処せず、早めに病院で診察を受けることが大切です。