誰もが出来たことがある、痛くて辛い口内炎。歯茎や粘膜に出来ることが多いですが、時に口内炎は「舌」にも出来てしまうことがあります。舌の付け根や舌の先、舌の側面、裏側…とあらゆるところにでき、私達を苦しめる口内炎。果たして、その原因とは何なのでしょうか?

目次

舌に口内炎ができる7つの原因

口内炎にもいくつか種類がありますが、原因は、基本的には歯茎にできるものと同じです。

舌に出来る口内炎の中でもっとも多いのは、潰瘍ができる「アフタ性口内炎」です。

また、刺激が原因で口内炎が出来る「カタル性口内炎」というものもあります。

これ以外にも、ヘルペスや帯状疱疹といったウイルス性口内炎があります。これはウイルス感染が原因となるもので、唇や口の中の粘膜に小さな水疱ができ、破れるとびらんや潰瘍になって痛みを伴います。

アフタ性口内炎の原因

ストレス、疲労、寝不足

免疫力が低下することで、体の抵抗力が弱まり、口内炎が出来やすくなります。

栄養不足

お口の中の粘膜なども、健康に保つ為にはビタミン類が必要です。

偏った食生活などでビタミン類が不足した場合、口内炎が出来やすくなります。

歯磨き、火傷などによる傷

うっかり作ってしまった傷に、細菌が感染して口内炎に移行してしまうことがあります。

歯磨き剤

歯磨き剤に含まれている一部の成分、合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)が、炎症を悪化させる原因となることもあります。

清掃不良

お口の中には沢山の細菌が生息しています。

お口の中が不潔になっていると、細菌が感染し、口内炎が出来やすくなります。

カタル性口内炎の原因

噛み合わせ(咬傷)

噛み合わせによっては同じところを噛みやすくなってしまうことがあります。

舌をかんでしまった所から細菌が入り感染した場合も、口内炎になります。

合っていない義歯や補綴物(詰め物や被せ物など)

治療した所の適合が悪く、合っていない場合、舌に引っ掛かり傷を作ってしまうことがあります。

その傷ついたところから、口内炎になってしまうことがあります。

傷が出来ても口内炎にならないこともあれば、すぐに口内炎へと移行してしまうこともあります。

このことから、口内炎は、「傷の出来る原因の他に、体の免疫力や栄養状態などの複数の要因が関わっている」ということを示していると言えるでしょう。

特にアフタ性口内炎の場合、「これだけが原因!」とはっきり言い切るのは難しいかもしれません。

大人ニキビのように、口内炎ができる原因は複雑に絡み合っていることが多いのですね!

8つの治療と対処法

歯医者

歯科医院にかかった場合の治療法

軟膏などの薬

もっともポピュラーなのは、副腎皮質ステロイドを含んだ軟膏です。

少しべたつきますが、患部に塗布すると、口腔内の炎症を抑えて口内炎の痛みなどを改善してくれます。

他に口腔用ステロイド製剤という、口腔粘膜に貼り付ける錠剤やシールを処方してくれる所もあります。これらは口内炎の面を保護してくれます。

レーザー照射

炭酸ガスレーザー装置を使い、口内炎の部分にレーザー照射をしてくれます。

痛みの改善、殺菌効果などがあります。自費治療になりますので、費用は歯科医院によって異なります。

噛み合わせを整える

噛み合わせが悪く、舌を噛みやすくなっている場合は、噛み合わせを調整してもらいましょう。

合っていない義歯や補綴物(詰め物や被せ物など)を治す

合っていない所が原因で傷を繰り返す場合、きちんと合うように治療をして治してもらいましょう。

抗ウイルス剤を投与する

ウイルス性口内炎の場合、治療は抗ウイルス剤の投与です。病院で抗ウイルス剤を処方してもらうといいでしょう。

自分で心がけることが出来る対処法

フルーツ

抗菌性の含嗽剤(=洗口剤)によるうがい

抗菌性の効果のある洗口液でうがいをし、お口の中を清潔にしましょう。

休養をとる

ストレスや疲労、寝不足などを感じている場合は、出来る範囲で休養を心がけましょう。

また、免疫力を高めてあげることも良いでしょう。

ビタミン類もバランス良く取る

特にストレスや疲労時などには、消費されやすく不足しがちになります。積極的に摂るように心がけましょう。

口内炎にはビタミンB類が良いとよく言われますが、お口の健康を保つ為にはビタミンAビタミンCも大切です。なるべく偏らずに、バランス良く栄養を摂れるようにしましょう。

お口の中を清潔に保つ

正しい歯磨きの仕方で、お口の中を清潔に保ちましょう。

刺激の少ない歯磨き粉を使うのもおすすめです。

まとめ

舌は、食事をするにも、会話をするにも、唾液を飲み込むだけにしても重要な役割を果たしてくれています。無意識ですが意外と活躍してくれていて、口内炎の部分をどこにも触れないようにすることは困難です。これが例えば右の頬であれば、上手く左側だけを使って食べたりすることで痛みを軽減させることが出来るのですが、舌の場合はそうもいきません。舌に出来た口内炎はある意味、一番曲者かもしれませんね。

口内炎は、ほとんどの場合1~2週間で自然に治りますが、それ以上経っても治らなかったり、繰り返し同じ場所に出来る、なんて場合は、1度歯医者さんで診てもらってください。ただの口内炎ではなく、別の病気が隠れている可能性もあります。