誰もが一度はかかったことのある口内炎、通常は1週間~2週間で自然治癒しますが、なかなか治らないと厄介ですよね。ここでは口内炎の原因とそれぞれにあった対策、またできてしまった場合の効果的な3つの対処法を挙げていきます。
口内炎にはどんな種類がある?
口内炎は大きく分けて2種類あり、口腔内に局所的原因がある原発性口内炎と、全身的な病気が引き金となって発生する症候性口内炎があります。さらに細かく見ると代表的な口内炎には4種類あり、以下ではそれぞれの特徴や原因について見ていきます。
カタル性口内炎
カタル性口内炎では、歯磨きが不十分なこと、入れ歯・矯正器具、熱い食べ物、化学薬品などの物理的化学的刺激が局所的原因となります。粘膜が赤く腫れ、腫れた部分が熱を持ち、食べたときにしみるといった症状があります。
ヘルペス性口内炎
ヘルペスウイルスに感染することで発生します。複数の水疱ができ、水疱がやぶれると激しい痛みを伴います。発熱を伴うこともあります。
アフタ性口内炎
円形・楕円形の白っぽい色をした潰瘍ができる、もっとも一般的な口内炎です。潰瘍部分の縁が周囲よりも赤くなり、物が触れると強い痛みがあります。
原因はわかっていませんが、過労、ストレス、ビタミン不足などによる免疫力の低下、べーチェット病や潰瘍性大腸炎などの全身疾患に伴うこともあります。また、機械的刺激や口の中の不衛生が引き金となる場合もあるようです。
カンジダ性口内炎
口腔内が不潔な状態が続いたり、栄養失調などで免疫力が低下したりしたときに、口腔内の常在菌であるカンジダ(かびの一種)が異常増殖して発症します。膠原病やエイズなどの免疫不全をともなう全身疾患が原因となることがあります。
灰白色あるいは乳白色の膜が発生します。ガーゼなどでぬぐうと剥がれますが、剥がれた部分は赤い粘膜が露出し、食べ物がしみたりします。
口内炎ってどうしてできるの?その予防と対策は?
前の段落で見てきたように、もっとも一般的な口内炎はアフタ性口内炎でその原因は不明です。機械的刺激、疲労、ストレス、栄養失調など様々な要因が重なって発症すると考えられています。
全身疾患が原因となる場合もありますが、この場合には原因となっている病気の治療が優先されます。
ここでは、主な4つの原因についてみてみましょう。
1.機械的刺激によるもの
口の中を噛んでしまった、歯ブラシで口の中を傷つけてしまった、横に傾いた歯が舌や粘膜を刺激している、矯正器具や入れ歯が当たる、などがこれにあたります。
対策
同じところを何度も噛んでしまう場合、歯科で噛み合わせを見てもらったほうがいいでしょう。傾いた歯が舌や粘膜を刺激して繰り返し口内炎ができる場合も同様です。欠けた歯は早めに治し、矯正器具、入れ歯も調整してもらいましょう。またソフトなブラッシングを心がけましょう。
2.唾液の減少によるもの
ストレスや薬の副作用、シェーグレン症候群のような全身疾患が唾液の減少の原因になることがあります。
対策
お口の乾燥、唾液の減少を感じたら、まず歯科医院を受診しましょう。薬の副作用、シェーグレン症候群のような全身疾患など原因の診断が必要です。ご自身ではストレスの原因を取り除く、食べるときによく噛む、またノンシュガーのガムを噛むなどを心がけて唾液の分泌を促しましょう。
3.免疫力の低下によるもの
睡眠不足や不規則な生活、疲労などにより免疫力が低下すると口内炎ができやすくなると考えられています。
対策
規則的な生活を心がけ、休息、睡眠をたっぷりとり、体力の回復を図りましょう。
4.ビタミンB2不足
偏った食生活によりビタミンB2が不足すると皮膚や粘膜に炎症が起こりやすくなります。
対策
バランスの良い食事を心がけ、ビタミンB2の多く含まれている動物性蛋白を多くとるようにしましょう。チョコラBBやハイチオールBなどの、ビタミン剤を補助的にとるといいでしょう。
口内炎ができてしまった場合の3つの対処法

1.洗口剤で口をゆすぐ
口内炎で潰瘍を形成すると2次的に細菌の感染が起こります。このため、イソジンや殺菌成分の入っている洗口剤を使うとよいでしょう。でき始めのうちにしっかりゆすいでおくと、悪化を防ぐことができます。
2.塗り薬、貼り薬を使う
ステロイドの塗り薬としてはアフタゾロン軟膏、ケナログ軟膏などがあります。非ステロイドのものではトラフル軟膏などがあります。口内炎パッチ大正A、アフタッチ、トラフルダイレクトといったパッチタイプの貼り薬は、外からの刺激を遮断するので患部が安静な状態になり、結果的に痛みの緩和につながります。
3.2週間以上治らない場合は歯科医院で診てもらう
「口内炎がなかなか治らないと思っていたら、実は口腔がんだった!」ということもあります。口内炎が繰り返しできる、口内炎が2週間以上治らない場合は必ず歯科医院で診てもらいましょう。
こんな原因も!?歯磨き剤の成分による口内炎
多くの歯磨き粉に含まれているラウリル硝酸ナトリウムが口内炎を引き起こす可能性があるといわれています。
もしほかの原因が考えられない場合には、歯磨き剤の成分を疑って「ラウリル硝酸ナトリウム」の記載がないものを試してみましょう。
まとめ
まずは口内炎ができないような生活を心がけることが大切です。規則正しい生活、栄養バランスの取れた食生活、歯磨き・洗口剤で常に口の中を清潔に保つことが口内炎を予防することにつながります。