腫れて熱をもった関節痛や筋肉痛、経験したことありませんか?市販のシップや痛み止めなどで抑える方も多いと思いますが、かぶれや胃腸障害などの副作用も気になりますよね。そこで今回は軽いほてりのある関節痛・筋肉痛に効果的な漢方である「薏苡仁湯(よくいにんとう)」についてご紹介したいと思います。

目次

「薏苡仁湯」ってどんなお薬?

薏苡仁湯は「よくいにんとう」と読み、関節痛・筋肉痛関節リウマチなどによく用いられ、比較的体力が中~充実した方向けの漢方です。医療用として、また一般用医薬品としても様々なメーカーから販売されており、比較的手に入れやすい漢方です。

漢方は様々な生薬が合わさって効果を発揮しており、今回ご紹介する「薏苡仁湯」は以下の様な生薬から構成されています。

  • 薏苡仁(よくいにん)
  • 麻黄(まおう)
  • 桂皮(けいひ)
  • 蒼朮(そうじゅつ)、または白朮(びゃくじゅつ)
  • 当帰(とうき)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 甘草(かんぞう)

薏苡仁はイネ科ハトムギの種皮を除いた種子であり、薏苡仁単体で「ヨクイニン」としていぼやニキビの治療で用いられています。皮膚科などで処方された方もいらっしゃるかもしれません。

「薏苡仁湯」はどのようにして効くのか?

それでは薏苡仁湯は具体的にどのような症状に効くのでしょうか?薏苡仁湯の添付文書の効能効果には以下の様に書かれています。

  • 関節痛
  • 筋肉痛

関節痛・筋肉痛の中でも腫れて熱をもったような痛みに効果的とされており、慢性的に腫れや痛みが継続する関節リウマチなどに良く用いられます。

薏苡仁湯に含まれる主薬である薏苡仁は体内の余分な水分を排出させ、痛みを和らげる効果があり、麻黄と桂皮には熱を発散させる効果があります。そのためほてった痛みに効果的とされています。

またその他にも水分代謝の調整や、身体を温めて血行を良くしたり、痛みを緩和させるような生薬が入っているため、上記の症状に効果的とされています。

「薏苡仁湯」に副作用はあるの?

快調-写真

今回の薏苡仁湯について報告されている副作用は、発疹・不眠・発汗過多・頻脈・動悸・食欲不振、嘔吐、排尿障害などが存在します。しかし、ご自身の体質に合った漢方を選ぶことで、副作用は減らすことができます。

今回の「薏苡仁湯」については体力が中~充実した方向けの漢方になっているため

  • 著しく体力が衰えている方(副作用が表れやすくなる)
  • 著しく胃腸が虚弱の方(食欲不振、悪心、腹痛、下痢などが表れやすくなる)

については服用を控えた方が良いでしょう。

また発汗させて熱を発散させる効果があるため

  • 発汗傾向が著しい方(発汗過多、全身脱力感が生じるそれがある)

も控えた方が良いです。

その他にも麻黄や甘草が含まれているため、心臓病や高血圧などその他の持病をお持ちの方は、医師に相談してから服用するようにしましょう。併用薬がある方も、成分が重複してしまう恐れがあるため、服用前に医師・薬剤師に確認してください。

特に麻黄の成分は西洋薬のエフェドリンであり、市販のかぜ薬にも含まれているため知らないうちに重複して服用してしまうことが少なくありません。

まとめ

関節痛や筋肉痛に用いられる漢方は今回ご紹介した「薏苡仁湯」以外にもたくさん存在します。

そのため、今の症状はどのようなものなのか、腫れたり熱をもったりしているか、自分の今の体調や体質に今回の漢方は適応しているのかなどを事前に確認して、服用するようにしてください。もしその結果、薬が合わないようなら、他の漢方を試してみればよいでしょう。

一時的な痛みであれば西洋薬で賄えることも多いと思いますが、関節リウマチのような慢性的なものだと、長期に痛み止めなどを服用すると胃腸障害などの副作用が生じる恐れがあります。そんな時には長期で服用しやすい漢方に頼ってみてはいかがでしょうか?