性交後にコンドームやシーツに血が!生理でもないのに…と不安に思われたことはありませんか?膣周辺は傷つきやすいため、何も病気がないのに性交後に出血が見られることもあります。ですが、性交の度に出血したり、真っ赤な血が少量とは言えない量出る場合には、なにか病気が原因の可能性があります。ここでは、気を付けるべき性交時の出血についてお話ししたいと思います。

目次

女性の性器は傷つきやすい

性交で傷つきやすい場所は、膣と子宮膣部(子宮と膣の境目あたり)です。膣の表面は粘膜で覆われているため、手や足のような皮膚と違って柔らかく傷つきやすくなっています。膣の粘膜からは粘液(膣分泌液)が分泌されて表面が潤った状態になっていて、性的興奮や刺激によってその量は増え、性交時に潤滑油の役割を果たします。十分な潤いがない状態で性交を行うと、摩擦で膣表面が切れたり、ひどい場合には裂けて大量に出血することもあります。また、子宮膣部は、膣よりも刺激に弱く外傷や炎症に弱い部分になっています。性交時に陰茎が当たる最奥の部分が子宮膣部ですので、激しすぎる性行為では子宮膣部から出血することもあります(子宮膣部の真性びらんの状態)。性交時に違和感や痛みを感じた場合はパートナーにしっかり伝え、我慢せずすぐに性交を中断しましょう

病気が原因の場合も

上記のように性交の仕方によって出血してしまう場合もありますが、出血が頻回にある場合や量が多い場合には、出血しやすい状態を引き起こしている病気が隠れていることがあります。そのため、1度でも性交時出血があった場合は早めに婦人科を受診するようにしましょう。原因となる代表的な病気は下記のようになります。

子宮頸管炎

子宮頸管は子宮を風船で例えると、空気を拭きいれる口側の細くなっている部分です。空気の吹き入れ口が子宮膣部で、膣と子宮の境目の部分になり、この部分が刺激に弱く、出血や感染しやすい部分になります。子宮頸管炎は、子宮頸管に炎症が起きた状態です。特に淋菌やクラミジアによる子宮頸管炎は、進行すると子宮内部や卵管・卵巣などに感染が広がり、不妊となる可能性が高いため注意が必要です

子宮頸管ポリープ

子宮頸部にできるイボのようなもので、接触によって簡単に出血するため、性交時出血の原因となります。ほとんどが良性のため、放置しても問題はありませんが、性交時出血や不正出血がある場合は切除した方が安心です。

子宮頸がん

子宮頸がんは進行しないと症状が出ない場合が多いですが、性交時出血は初期からみられる症状の1つです。子宮頸がんは初期であれば手術をしても将来妊娠できる可能性を残せるので、症状があれば直ちに、症状がなくても1年に1度は子宮頸がんの検診を受けるようにしましょう

萎縮性膣炎

閉経後である場合には、女性ホルモンの低下によって膣粘膜が萎縮し、膣の分泌液も少なくなります。そのため、膣の常在菌が繁殖して炎症を起こしたり、潤い不足で傷つきやすくなり、出血しやすい状態になります

まとめ

性交時に出血が起きた時や、痛みを感じていた場合に相手に伝えることはできていますか?性行為は、女性にとって苦痛を感じる行為になってしまう危険性をはらんでいます。パートナーはきちんとあなたの身体のことを考えてくれていますか?痛みがあったり、出血したり、もしあなたの身体に異変があった場合にきちんと相談できるかどうかは、今後の二人の関係性に大きな影響を及ぼします。性交時出血は、病気が原因で起こる可能性もある一方、パートナーとの関係性が原因である場合もあります。もし、自分の身体のことをパートナーに相談できないと感じたなら、それはこれからの関係を見直すいい機会になるかもしれません。