男性の生殖器と言われる部分がどこか分かりますか?生殖器は外から見える部分の陰茎睾丸だけでなく、からだの内側にもいくつか存在しています。また、それぞれ遺伝子を残すための重要な役割を持っています。今回は男性の生殖器について、その名称や構造、機能について紹介していきます。

目次

男性の生殖器とは

男性生殖器の構造

男性の生殖器は陰茎睾丸(精巣)陰嚢(いんのう)精管精嚢(せいのう)前立腺尿道で構成されています。尿道と陰茎は尿を排出する機能もあるため、泌尿器にも含まれます。

生殖器全体の役割

生殖器は遺伝子を残すために精子をつくり、放出(射精)する他に、男性ホルモンのテストステロンを分泌する役割を担っています。テストステロンはお腹の中にいる胎児の時に生殖器の分化のために多く分泌され、次に思春期の陰毛の発毛や精巣・陰茎の発育、声変わりなどの二次性徴で再度多く分泌されます。

精子は思春期を経て、生殖機能が機能するようになってからは常につくられ続けます。1日でつくられる精子の数は約1億個ともいわれています。

女性と比べると閉経などによる急激な機能低下はないですが、30歳を過ぎると精子はDNAの損傷により劣化していくといわれています。環境や老化ストレス、たばこ、運動不足などによる酸化ストレスが原因と考えられています。1回の射精では精子2~3億個放出され、膣内で最終的に卵子へ到達するのは1個だけです。

生殖器それぞれの構造・役割

陰嚢

陰嚢は下腹部の下、陰茎の付け根付近に左右2つ垂れ下がっているです。ひだのある厚い皮膚で精巣を包んで保護しています。何層にもよる膜構造をしており、クッションとしての働きもしています。また、精巣温度調節を行う働きを持ち、体温よりも低い温度で保つために暑さ・寒さによって緩んだり縮まったりします。

精巣

精巣陰嚢の中に一つずつあります。卵型をしていて、一般的な大きさは4~7センチ、容積は20~25ミリリットルです。

精巣の中には白膜と呼ばれる膜があり、さらに内部に曲精細管という曲がりくねった形状をした管があります。そこで精子がつくられています。曲精細管の中の精粗細胞が分裂して精母細胞となり、さらに分裂して精娘細胞となり、またさらに分裂して精子細胞となって、最終的に精子へと成熟していきます。

精巣上体

精巣でつくられた精子は精巣近くの精巣上体(副睾丸)へと細い管を通って集められます。精巣上体で精子が成熟されて、成熟した精子は射精までここで貯蔵されます。

精管

左右の精巣上体から陰嚢の後部を上側に真っすぐ伸びていて、しっかりとした管を精管といいます。精管は膀胱の背部にある精嚢へとつながっており、精子は精管を通って精嚢まで向かいます。

精嚢

精嚢は精管が前立腺へと入る前にある曲がりくねった管です。精嚢の先は射精管となり、前立腺を通って尿道へとつながっています。精嚢からは分泌液が出され精子とともに精液となります。

前立腺

前立腺は膀胱のすぐ下に位置し、尿道を囲む形をしています。前立腺では前立腺液が分泌され、精液の一部となって精子に栄養を与えます。年齢、生活習慣病などの影響により前立腺は肥大し排尿障害が出現します。前立腺がんも増えており、50歳を過ぎたらPSA検診をお勧めします。

尿道

精子は前立腺から尿道を通り、亀頭(陰茎の先端部)にある尿道口から放出されます。尿道は他にも尿を排出するための泌尿器としての役割も持っています。

まとめ

男性の生殖器は男性の遺伝子である精子をつくり、陰茎から射精して放出することと、男性生殖器や第二次性徴に作用するテストステロンをつくる働きをしています。生殖器の構造や役割を知ることで、どのような仕組みによって生殖機能が働いているか理解できるかと思います。自分のからだについて知っておくと、生殖器に異常が起こった時の助けになります。