睡眠は心身の疲労を回復し、日中活動的に過ごすために大切なものです。睡眠時間の不足や質の低下は心身の健康を損ない、生活に支障をきたします。さらに、睡眠が充分にとれないと糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣病のリスクを高めることもわかっています。

良い睡眠をとるためには、体内時計を整えることが大切です。
この記事では、体内時計を整えるために必要な8つの生活習慣についてみていきましょう。

目次

1.朝は太陽の光を取り入れる

人の体内時計は朝に太陽の光を浴びることでリセットされ、睡眠と覚醒のリズムがつくられていくようになっています。
寝起きに暗い部屋で過ごすと覚醒が妨げられますので、カーテンを開けて太陽の光を浴びるようにしましょう。

2.朝食はしっかりと摂る

朝食をしっかり摂ることは身体と心の目覚めを促します。
栄養バランスの整った朝食をとって、日中活動的に過ごせるように身体を目覚めさせましょう。
一方で夜食の摂取入眠を妨げることもあるので注意しましょう。

3.適度な運動習慣を持つ

日中に適度な運動をすること、活動的に過ごすことは、夜の入眠をスムーズに促し、睡眠の途中で目が覚めてしまうことを減らす効果があります。
運動習慣を持ち、適正体重を保つことで過体重や肥満による睡眠時無呼吸症候群の発症や重症化も防ぐことができるとされています。

身体に負担がかかるような強度の高い運動や寝る前の激しい運動はスムーズな入眠を妨げるので、身体が疲れすぎない軽い運動から始めましょう。

4. 睡眠不足は30分以内の昼寝でリセット

日中に眠気を感じるときは、多くの場合睡眠不足のサインです。
睡眠不足は寝だめでは解消できません。夜間に充分な睡眠をとることができなかった場合には、昼寝を行うことで作業能率の改善を図ることができます。
昼寝をする場合は、夜の入眠の妨げにならないように午後早い時間30分以内でとりましょう。

5.寝る前のカフェイン、アルコール、喫煙は避ける

カフェインには覚醒作用があり、その効果は3時間程度持続します(厚生労働省より)。また、利尿作用が睡眠中の尿意につながるので、寝る3~4時間前にはカフェインの摂取を控えるようにしましょう。

アルコールは寝酒といって寝る前に飲んで入眠を促す方もいますが、寝ている間に途中で起きることが増えて、眠りが浅くなります。質の良い睡眠をとるために寝る前の飲酒は避けましょう。

タバコに含まれるニコチンにも覚醒作用があります。寝る前の喫煙は寝つきを悪くし、睡眠の質を低下させるので避けましょう。

飲酒や喫煙は生活習慣病のリスクを高め、健康にもよくありません。本来は節酒、禁煙が望ましいと言えるでしょう。

6.温度・湿度・光・音の環境を整える

質の良い睡眠には、環境も大切です。

入浴ぬるめのお湯でゆったりと行い、寝つきをよくするように部屋の温度・湿度は心地よい状態に保ちましょう。室温だけでなく、湿度が高すぎると体温調節がうまくいかず寝つきが悪くなります。

寝る部屋の照明が明るすぎたり、白すぎたりすると睡眠の質が低下します。入眠・睡眠を妨げないように遮断するとよいでしょう。

7.寝る前のパソコン、スマホ操作は避ける

パソコンやスマホの光を寝る前にあびると覚醒が促され寝つきが悪くなります。
さらに、SNSやゲームなどに夢中になることで夜更かしの原因となり、睡眠・覚醒のリズムが崩れやすくなります。
PCもスマホも現代には欠かせない便利なツールですが、寝る直前には極力画面を見ないようにした方が睡眠には良いとされています。

8.いつもと違う睡眠、不眠があるときは専門家に相談

夜間の睡眠は充分とっているのに日中ひどく眠くなる、疲れがとれない、寝つきが悪い、早くに目が覚めてしまうなど、いつもと違う睡眠夜眠れずに困っているときは、睡眠外来などで専門家に相談しましょう
睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害、うつ病などの病気が原因に潜んでいる場合もあります。適切な治療、対処を行うようにしましょう。

まとめ

質の良い睡眠をとるためにはメリハリある生活が大切です。寝る時間、起きる時間、三度の食事を規則正しくとって過ごすことを基本に、日中は活動的に過ごすこと、夜寝る前は入眠に向けてリラックスできる環境づくりを行いましょう。
また、体内時計のリセットの鍵となる光を有効に活用し、太陽の光を浴びて覚醒を促し、光を避けて入眠を促す方法でも睡眠の質が高くなっていきます。

睡眠のことで悩み、日常生活に支障が出ているようでしたら、一人で悩まずに専門家に相談することをおすすめします。