お腹が痛い!と急いでトイレに駆け込むようなピンチに襲われたことはありませんか?

下痢は毎日日本中で多くの人が悩まされている非常に一般的な疾患です。

どのような食事が症状を悪化させ、どのような食事をすれば症状が改善していくのか、下痢の症状がある時の食事について説明します。

目次

下痢のとき体の中では何が起こっているの?

下痢の原因は、細菌やウイルスによる感染性のもの、薬物アレルギーによるものや精神的なストレスによるものなど、とても幅広いです。

下痢は便中の液体成分が増加し、体内の水分が失われて脱水を起こす可能性が高くなります。水分が失われるのと同時にナトリウムやカリウムなどのミネラルも減少していくためミネラルバランスが崩れ体に様々な不調が出てきてしまいます。

食事はとても大事なポイント!

下痢が続いている時に、栄養を摂ろうとして誤った食品を選択して腸を刺激してしまうと、状態が更に悪化してしまう場合があるので気をつけなくてはなりません。

1日に4、5回程度の下痢なら食事をすること自体は可能ですが、なるべく腸に負担を掛けないように刺激の少ないものを選ぶようにします。

では、下痢をしているときはどのような食事を摂ればよいのでしょうか。

香辛料は避けましょう

コショウや唐辛子、わさびなどの香辛料は腸に刺激を与えて消化活動を活発にしてしまいます。香辛料は使用せず、味付けも薄めにしましょう。

脂質の多いものは控えましょう

豚バラ肉やベーコン、牛肉などの脂質の多いものは消化に時間がかかってしまいます。

肉類はできるだけ避けることが望ましいですが、使用する場合は鶏胸肉や鶏ささみなど、脂質の少ない部位を使用するように心がけましょう。

食事の温度に気をつけましょう

食事の温度も大切です。

熱すぎたり冷たすぎたりすると強い刺激を与えてしまうので、人肌程度の温度にできるように工夫する必要があります。

一番のおススメは具だくさんの汁物!

味噌汁

失われた水分を補うために一番のオススメは味噌汁やスープなどの汁物です。

汁物には適度に塩分が含まれていますので、ナトリウムやカリウムなどのミネラルの補給もできます。

温度が熱すぎると腸に刺激を与えてしまいますので、適度に冷ましてから飲むように気をつけましょう。

具材はどんなものがいいの?

慢性的な下痢の時に食事に取り入れたいのは、水溶性食物繊維です。

食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質があり、水分を吸収して膨らみます。その結果便のかさを増し、便の排出を促すため、実は下痢の時には向いていません。不溶性食物繊維は便秘の時に効果的で、下痢のときに摂りすぎると更に症状を悪化させてしまうこともあるので気をつけましょう。

一方、水溶性食物繊維は水に溶ける性質があり、腸内の余分な水分を吸収して、やわらかな便を作る手助けをしてくれます。腸への刺激も穏やかなので、下痢の時は水溶性食物繊維を多く摂るようにしましょう。

×不溶性食物繊維 …ゴボウやさつま芋、納豆

○水溶性食物繊維…リンゴやイチゴなどの果物、昆布やわかめなどの海藻類、豆類、オクラ、切干大根、干し椎茸

まとめ

食物繊維といっても不溶性・水溶性の2種類のものがあるということをおわかりいただけたでしょうか。水溶性食物繊維の多く含まれる具材を使用した汁物は下痢をしている時には効果的な食事といえるでしょう。

下痢をしている時は、腸にやさしく刺激の少ない食事を摂るように心がけることが回復への近道かも知れません。