でて欲しいときになかなか出てくれない。お腹が痛い、お腹が張る。長引くと気持ち悪くなってくる。そんなつらい症状、便秘。便秘は女性を中心に多くの人の悩みの種となっています。今回はそんな便秘に隠れた危険な病気と、一般的な3つの便秘の原因・特徴・対処法をご紹介します。

目次

便秘にも種類がある!?

便秘とはふん便中の水分量が70%以下と少なく、4日以上排便のない状態です。便秘には器質性の便秘と機能性の便秘の2つがあります。器質性の便秘とは、腫瘍や炎症などによって大腸の運動機能に異常が発生することによる便秘です。それに対し、機能性の便秘とは主に病気に由来しない便秘で一般的な便秘とはこの機能性の便秘がほとんどです。

病気の可能性がある危険な便秘

器質性の便秘は大腸がん(直腸がん、結腸がん)などの可能性があるため、以下のような場合には医療機関に相談し検査を受ける必要があります。

  1. 普段と同じ生活をしているのに便秘になった
  2. 下剤を飲まないと排便がない
  3. 腹部が張って苦しい食欲がない
  4. 食べたものを吐く
  5. 腹部に渋るような痛みがある
  6. 血便が出る

便秘になる3つの原因と対処法

トイレ

機能性便秘は大別すると以下の3つがあります。

直腸性(習慣性)便秘

習慣的に排便を我慢したり、下剤や浣腸を誤用・乱用したりすることで排便反射が起こりにくくなります。便は太く分割便になりやすいのが特徴です。しごとや旅行などによって排便を抑えていたりしたときや、排便痛を伴うような肛門の病気、痔でも見られます。直腸のかたい便が排泄された後は、柔らかい便が一挙に排泄されるコルク弁となることもあります。規則的な排便習慣をつけることで解消できます。

弛緩性便秘

長期間寝たきりだったり食事制限をしたりした場合に、大腸の緊張が低下し、運動が鈍化することによって発生します。腹筋力が衰えることにより十分な腹圧が得られないことから便秘になります。腸内容物の通過が遅いため、太くてかたい便が出ます。高齢者、多産婦、食事量の少ない人、下剤を連用している人に見られます。繊維の多い食事をとり、適度な運動をすることで解消できます。

痙攣(けいれん)性便秘

副交感神経が過剰に緊張することで、腸管が過緊張状態になり、腸内容物が停滞し便秘になります。過敏性症候群などもこれに当てはまります。小さくてかたい、コロコロした便が少量排泄されるだけで、排便しても残っている感覚があるのが特徴です。比較的若い年代に見られます。消化管運動調節薬や抗不安薬などによって治療を行います。

まとめ

今回は、危険な病気の可能性がある器質性の病気が疑われる場合のチェックリストと、一般的な機能性の便秘の原因・特徴・対処法をご紹介しました。多くの場合、機能性の便秘は食生活やストレス、排便習慣が原因ですので、まずは日ごろの生活習慣を見直すことが重要です。