健康維持のため、ダイエットのために適度な運動を…と思っても、何をどのくらいすべきかわからない方は多いのではないでしょうか。

そんな時目安になるのが、メッツという運動強度の単位です。

この記事では、メッツとはどのようなものか、どんな風に使うことができる数値なのかについて見ていきます。

目次

メッツ(運動強度)ってなに?

ウォーキングよりも、走るほうが身体に負荷がかかっているのは何となく想像できるでしょうか?

運動の種類によってエネルギーの消費量(強度)は変わってきます。その、運動強度の単位がメッツ(METs:Metabolic equivalentsの略)です。

メッツは安静時を1とした時と比べて、何倍のエネルギーを消費するかを示しています。

メッツの目安

研究により、あらゆる活動のメッツが明らかにされています。
一部を下記の表にまとめているので参考までにご覧ください。

メッツ

運動項目

2.5 ヨガ、ビリヤード
3 歩く(平地で67m/分)、
台所の手伝い、
ボウリング、社交ダンス、
バレーボール
4 ラジオ体操第一、
自転車に乗る(≒16km/時未満)、
階段を上る(ゆっくり)
4.5 ラジオ体操第二、水中歩行、
テニス(ダブルス)
5 速く歩く(平地で107m/分)、
野球、ソフトボール、
サーフィン、バレエ
5.8 子どもと遊ぶ
(歩く/走る、活発に)、
家具・家財道具の移動・運搬
6 ゆっくりとしたジョギング、
ゆっくり泳ぐ、
スコップでの雪かき、
ボディビル、バスケットボール
7 ジョギング、サッカー、
スキー、スケート、
ハンドボール
7.5 テニス(シングルス)
8 重い荷物の運搬
8.3 ランニング(134m/分)
8.3 水泳
8.8 階段を上る(速く)

厚生労働省|運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書 をもとにいしゃまち編集部が作成

日常生活での活動は3メッツ以下であることが多いですが、引っ越しや家具の片付けなど重たいものを運ぶ必要がある際にはメッツの値が高くなります。

また、同じ歩行でもゆっくり歩くのと速めに歩くのとではメッツが変わってきます。

詳しく知りたい方は、下記のリンク先をご参照ください。
国立健康・栄養研究所|改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』

メッツ×時間の目標値は週に23!

メッツがどのようなものかわかったところで、メッツを使った具体的な目標についても見ていきましょう。

生活習慣病の予防など、健康づくりのためには日常的に運動をし、身体活動量を増やすことが有効です。

この身体活動量は強度3以上のメッツ×時間で求めることができ、週の合計が23になるようにすることでさまざまな病気のリスクを減らせることがわかっています(18~64歳の方の基準です)。

健康維持をしたい方は強度3以上のメッツ×時間〔h〕の週の合計が23以上になることを目標に、毎日の活動内容を見直してみましょう。

このときの注意点として、3メッツ未満の運動(安静やデスクワークなど)は計算に含めてはいけません。

ウォーキングなら毎日1時間で週の身体活動量23を上回ることができます。通勤時の歩行など、歩く時間をプラスしてみると良いのではないでしょうか。

メッツによる消費カロリーの計算方法

メッツを利用して、運動によるおおよそのエネルギー〔kcal〕消費量も求めることができます。
計算方法は以下の通りです。

<エネルギー消費量の目安>

1.05×メッツ×時間〔h〕×体重〔kg〕=エネルギー消費量〔kcal

例えば、50 kg の人が散歩(3.5 メッツ)を 30 分行った場合のエネルギー消費量は
1.05×3.5 メッツ×0.5 時間×50 kg=91.875 kcal
です。

また、安静にしていても1.05×1メッツ×時間〔h〕×体重〔kg〕ぶんはエネルギーが消費されていることになります。

ちなみに体重を1kg減少させるためには、約 7,000kcal消費する必要があるといわれています。
身体活動量を増やしてエネルギー消費をするとともに、バランスの良い食事で不必要なカロリー摂取を減らしていきましょう。

この時、断食などの無理なダイエットは避けつつ、一日の消費エネルギー>摂取カロリーにしていくことが大切です。

まとめ

生活習慣病の予防と、それに伴うさまざまな病気のリスクを減らすために、メッツによる目標設定は有効です。

ダイエットにおいても、これまで運動の時間ばかりを気にして来た方は、運動の強度を気にしてみても良いかもしれませんね。

とはいえ、いきなり強度の高い運動をすると怪我のもとになります。
無理はせず、まずはできることから始めてみましょう。