メタボリックシンドロームは、動脈硬化を進行させてしまう状態のことを指しており、決して軽く見てはいけない状態です。メタボリックシンドロームなのかどうかは、健康診断を受けていれば自分でチェックすることができます。診断基準を知って、該当している場合はメタボ解消を目標に生活改善をしましょう。

なお、メタボリックシンドロームについて、どんな状態を“メタボ”というのか、そしてその状態を放置することの問題については「メタボリックシンドロームについて、正確に理解しよう」の記事をご覧ください。

目次

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドロームの診断基準は以下のとおりです。

腹囲が基準値(男性で85cm、女性で90cm)を超え、さらに、以下の脂質・血圧・血糖の項目のうち、2つ以上が当てはまるとメタボリックシンドロームとされます。

メタボリックシンドロームの診断基準

腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上というのは、内臓脂肪面積が100平方cmあることに相当し、内臓蓄積型肥満と診断されます。男性よりも女性の方が基準値が高いのは、女性は皮下脂肪が付きやすいということを考慮しているからです。しっかりと内臓脂肪の面積を知るためにはCT検査が必要になりますが、普段から腹囲を確認することで手軽にメタボを診断できるようになっています。

メタボリックシンドロームをチェックしてみよう

診断基準に沿って、自身がメタボリックシンドロームなのかチェックしてみましょう。

1.腹囲

まずは正しい位置で腹囲を測りましょう。

腹囲はくびれの位置とは異なりますへその位置を目安にしてください。ただし、太っておりお腹が出ている人などはへその位置が下に移動していることがあります。その場合は、肋骨の一番下と骨盤の一番上のでっぱりのちょうど中間点を目安に腹囲を測りましょう。

立った状態で、空腹時に、無理に息を止めたりせず、軽く息を吐きながら測ります。メジャーは床に対して水平に置いて計測しましょう。

2.脂質・血圧・血糖

健康診断等の結果をみて、該当するか確認しましょう。

脂質と血糖は、血液検査の結果で確認できます。脂質は、診断基準の項目に該当する場合、脂質異常症とされます。

血圧・血糖は、それぞれ高血圧や糖尿病の診断基準よりは低めの基準です。数値的には病気といえない場合であっても、放置することで悪化する傾向が明らかであるため、予備群の状態の人も該当するようになっているのです。

また、血糖の項目の空腹時血糖は、10時間以上絶食した後で行う血液検査です。正確な数値を知るために、検査時は前回の食事からはしっかりと10時間は空けるようにしてください。

今からできる生活のアドバイス

ここまでで、あなたはメタボリックシンドロームに該当していたでしょうか。

さまざまな生活習慣病の根源にある内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて、付きやすく減らしやすい脂肪だといいます。メタボ、あるいはメタボ気味だった方は、できる箇所から生活を変えていきましょう。

食事

ご飯

第一に太りやすい食べ方をしないことです。消費カロリーより摂取カロリーが上回らないようにしましょう。必要な栄養は減らさず、バランスよく食事をとることが大切です。

食事のポイントは以下のことに気をつけましょう。

  • 規則正しく3食食べる
  • 一食抜いたりはせず、まとめ食いを避ける
  • 就寝前3時間は食べない
  • 腹八分目を意識する
  • よく噛んで、早食いは避ける
  • 薄味を心掛ける
  • 間食は量ととる時間を決める

運動

ジョギング

内臓脂肪は運動で減らしやすいため、食事とともに習慣化することでメタボ対策になります。

  • 脂肪燃焼には有酸素運動が効果的。ウォーキング、自転車、エアロビクス、水泳、ジョギングなどの運動を取り入れる。
  • 生活の中でこまめに動くようにし歩数を稼ぐ(目的場所まで遠回りして歩く、エレベーターを使わないなど)。
  • 正しい姿勢を意識しインナーマッスルを鍛える。
  • 歩数計をつけてみる。現在の歩数より+1000歩を心掛ける。

嗜好

  • 禁煙を成功させる。
  • お酒の飲みすぎによるエネルギーオーバーに気を付ける。

まとめ

自分の状態をチェックし、メタボリックシンドロームにさしかかりそうならば生活を注意することで、動脈硬化が引き起こす重大な病気を防ぐことができます。もしも、現在メタボリックシンドロームの状態ならば、色々な悪さをする内臓脂肪を減らすように対策を立てて生活をし、脱メタボを目指しましょう。

また、身体の異常にいちはやく気付くために欠かせないのが、定期的な健康診断の受診です。最近健康診断を受けていないという方は、この機会に人間ドックを予約してみてはいかがでしょうか(人間ドックのここカラダに遷移します)。