風邪を引いたり喉の調子が悪かったりする時に、痰がたくさん出ることがあります。

一度痰が出始めるとなかなか止まらない上に、喉にからまってしまってとても苦しくなることも多いですよね。今回は、そんな症状にお困りの方にむけた痰を切るための方法をご紹介します。

目次

痰の主な原因はウイルスや異物

そもそも、痰はどうして出るのでしょうか。

空気中にはたくさんの異物やウイルスが漂っており、私たちはそれを無意識に吸い込んでしまうことがあります。そうした場合に直接肺などに送り込まないように、気道の中を覆っている分泌物が異物を包み込みます。普段、私たちはこの気道分泌物を無意識のうちに飲み込んでいるのですが、量や性状が変化して飲み込めなくなったときに出てくるのが痰です。つまり、痰は気管支や肺から分泌され、気道に入り込んできた異物を取り除こうとする働きを持っているのです。

痰は、風邪やその他の病気のサインとしても機能しています。その他、痰の働きについて詳しくは「痰(たん)が出るのが止まらない!? 痰の原因と8つの色」をご覧ください。

つらい痰を止める方法

以上で見てきたように、痰は気道に異物が入ってくるのを防ぐ役割を果たしています。つまり、無理やり抑えるよりは、痰は出してしまった方が良いのです。

痰を出にくくするため、あるいは絡んでしまった痰を切りやすくするための治療法をいくつかご紹介します。

1.水分を多く摂る

普段から水分を多めに摂取すると、痰を柔らかくすることができます。固い痰は喉に絡まりやすく出しづらいため、痰を出したいときには水を多めに飲むようにすると良いでしょう。空気が乾燥しているときには、加湿器や吸入器を使うのも有効です。

2.刺激的な食べ物を避ける

味の濃いものや辛いものなど、刺激の強い食べ物は痰を増やしてしまいます。痰が辛いと感じたら、できるだけこれらの食べ物は避けた方が良いでしょう。

3.タバコを吸うのをやめる

タバコの煙には、たくさんの有害物質が含まれています。有害物質は喉に刺激を与え、痰をより増やす原因となるため、痰を切るには禁煙がとても効果的です。自分は吸わないけれど周囲に喫煙者がいるという場合、普通のマスクではタバコの煙をシャットアウトできませんので、徹底的な分煙をお願いするか、超高性能の空気清浄機の導入を考慮する必要があります。

4.寝たままできる排痰方法

上手に痰を出す方法-図解

※上記の図はクリックまたはタップすると拡大できます。

  1. 横向きに寝て、手を脇の下のところに置く。
  2. 深呼吸を行う。鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり息を吐く。
  3. 2の姿勢で休み、痰が上がってくるのを待つ。
  4. 大きく息を吸い、勢いよく口から息を吐く。
  5. 大きく息を吸い、咳をする。

独立行政法人環境再生保全機構 ぜん息などの情報館を参照し、いしゃまち編集部作成)

排痰や咳は疲れやすい行為です。上記の排痰方法を行うのは1日2~3回、1回につき20分までにしておきましょう。

5.去痰薬を服用する

3週間以上に渡って痰を伴う咳が出た場合は、咳と痰の原因を調べて原因に対処する必要があります。去痰薬は一時的な効果のみですので、病院を受診して、肺がん、肺結核、肺炎喘息、COPD、気管支拡張症などの原因がないか検査してもらいましょう。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)などが原因で痰が続いている場合、抗菌薬などを処方される場合もあります。

最後に

痰が長く続くと、とても辛いですよね。しつこい痰は、しっかり治療をして切っていきましょう。自分でできる治療法に加えて早めに医療機関に相談するのも、改善するための近道です。