バスや電車に乗っていると、周りから咳の音が…。マスクをしてくれば良かったな、などと思うことはありませんか?「咳エチケット」については、厚生労働省を始め各医療機関や公共機関などでポスター等を掲示していますが、いまいち理解していない人、知らない人も多いのが現状です。ですから、風邪やインフルエンザの予防のためにも、人混みに行く際はマスクを着用すると良いでしょう。今回は、インフルエンザが本格的に流行る時期を前にどういうマスクを選べばいいのか、マスクについても含めご紹介いたします。
マスクの構造をおしえて
一般的なマスクは、内側と外側の素材で構成されていて、フィルタをはさんだ構造になっています。ある程度大きな異物は外側の素材でキャッチし、外側の素材でキャッチすることができなかった小さな異物(花粉やウイルスを含む飛沫)などはフィルタで吸着させます。
内側の素材は、直接肌に触れ、マスクのつけ心地に関わりますので、肌触りの良いなめらかな材質が選択されていることが多いようです。
また、鼻の部分には、顔にしっかりフィットするように金具やノーズフィッターや、ノーズクッションがついていたり、耳かけ部分には、ウーリーゴムというものを使用したりなど、耳が痛くならないようにする工夫がなされています。
マスクの形状の特徴は?
市販のマスクには大きく分けて3つのタイプが販売されています。以下の様な特徴があります。
1.素材で分ける3タイプ
- ガーゼマスク:保温・保湿効果が一番あります。洗濯ができて繰り返し使えるので経済的です。
- ナイロンマスク:ガーゼに比べて保温・保湿が少なく通気性が良いので暖かい季節にも良いでしょう
- 不織布マスク:使用ごとに使い捨てで衛生的です。感染症が流行る季節などに向いているでしょう。
2.形状で分ける
プリーツ型:不織布
メリット
- 顔全体にフィットし、圧迫感を与えない
- 口の動きにも柔軟に対応、マスクをしたまま話をしてもズレにくい
- 呼吸をラクに行うことができる
デメリット
立体型:不織布ガーゼ
メリット
- マスクのふちが顔に隙間なくぴったりとフィット
- 装着時の息苦しさやしゃべりにくさを緩和
- 不織布立体型は、使い捨てタイプで衛生的
- ガーゼタイプの立体型は、息苦しさを軽減して保湿効果が期待
デメリット
- サイズや形が合わないと違和感が大きい場合も
平型:ガーゼナイロン
メリット
- 高い保湿性と保温性
- 飛散防止などマスク本来の機能が優れている
- 乾燥からのどを守るのに役立つ
- ナイロン製の場合は、通気性が増すので、暖かい季節などに良い
デメリット
- 何度も洗えば繰り返し使えて経済的だが、複数枚無いと毎日使うのが大変
- 不織布マスクに比べるとフィルター性能は良くない
- 口紅やファンデーションも移りやすい
大丈夫?正しいマスクの装着とは?
どんなに性能のよいマスクでも、付け方が悪いと効果はゼロになってしまいます。実際に、NHKが番組内で行った調査でも、5人中3人でウイルスのカット率が0%という結果が出ていました(NHKより)。フィルターそのものにこだわるだけでなく、顔にぴったりとフィットさせることが大切なのです。
性能のよいマスクであっても、隙間だらけの付け方をしていたら、横から飛んでくる飛沫を防ぎきることはできません。マスクをする時、隙間なく着用するためには、以下の3点に注意する必要があります。
注意するポイント3箇所
- 鼻:ワイアー入りのマスクなら、装着前に予め鼻の形に合わせて曲げておきましょう。
- 頬:大きさでとプリーツタイプなら伸ばし具合で頬の隙間が変わります。注意しましょう。
- 顎:プリーツタイプのものは、顎までしっかり伸ばしましょう。伸ばし過ぎに注意。隙間ができます。
感染予防の上では、マスクをいかにフィットさせるかが大切です。
大きすぎる場合はプリーツを1つ分留めて頬の隙間を減らすようにするなど、工夫を行うと良いでしょう。
※なお、保湿という観点で装着する人は、隙間があっても問題ありません。夜寝るときに保湿を目的としてマスクをする場合、フィットし過ぎると苦しくて外してしまいますので、緩め・大きめでも良いでしょう。
大きさはどうしたらわかるの?~マスクサイズの測り方~
フィット性を高めるためには、大きさが関わってくることに触れましたが、大きさは以下のようにしてチェックしましょう。
マスクのサイズの計り方
- 親指と人差し指を伸ばしてL字形を作ります(長さ計測のためなので、90度にする必要はありません)。
- L字形にした状態で、耳の付け根の一番高いところに親指の先端を当て、鼻の付け根(眉と眉の間のちょっと下)から1cm下(目と目の間のちょっと下、マスクがかかる辺り)のところに人差し指の先端を当てます。
- 親指と人差し指の両指先の間隔を測ってください。それがサイズの目安になります。
測った長さが…
- 9~11cm→子供用サイズがおすすめ
- 10.5~12.5cm→小さめサイズがおすすめ
- 12~14.5cm→ふつうサイズがおすすめ
- 14cm以上→大きめサイズがおすすめ
大きさ以外で、マスクを選ぶ際に注意するポイントは?
現在はたくさんの種類のマスクがあります。多くの種類やサイズの中から、自分に合ったものを選ぶとき、注意したいのが用途と顔への密着性、そして付け心地です。実際には購入前に試すことはできないので、いくつか使ってみて、自分に合うものを選ぶようにしましょう。下記にマスク選びのためのチェックポイントを挙げていますので参考にしてください。
マスクを選ぶ際の6大チェックポイント
- 購入前:素材・機能をチェックする。
- 購入前:形・サイズをチェックする。上の大きさチェックで予め測っておきます。
- 購入後:顔との間に隙間ができないか。大きさが合わないと隙間ができます。つけ方も要チェックです。
- 購入後:耳かけで耳が痛くならないか。小さいと痛くなります。ゴムでかぶれるなら耳部分も不織布の立体型を試したり、ゴム素材もチェックしましょう。
- 購入後:呼吸がしやすいか。苦しくて外しては意味がありません。
- 購入後:ゴワゴワしたり不快感はないか。装着の不快感は密着性の面から大敵です。
不織布のマスクは毎日取り替えるの?

マスクを長時間使用していると、雑菌が繁殖します。吐息によりマスクが湿ってきたり、マスクからにおいを感じたら、取り替えてください。
使い捨ての不織布タイプの場合は1日1枚が目安です。衛生面から考えても、交換せずに連日使用することはオススメできません。
ガーゼタイプは洗濯することで再利用できますが、洗濯の際は、ガーゼの繊維がほつれる恐れがあるのでやさしく手洗いをし、漂白剤などは使用しないでください。さらに、洗った後はしっかり乾燥させないと雑菌が繁殖しますから気をつけて下さい。
感染予防の点では、風邪用と花粉用で兼用はできるの?
風邪用マスクと花粉用マスクの最も大きな違いは、カップ部分のフィルター性能です。
20〜30ミクロンの花粉粒子に対し、ウイルス単体の大きさは0.1〜0.3ミクロン。つまり花粉用マスクと比較して、ウィルスの侵入や飛沫防止を考慮した風邪用マスクは、より高いバリア性を持っています。逆に薄くて通気性に優れる花粉用マスクは、付け心地のよさが魅力になっています。
本来ならば用途に合わせた使い分けをお勧めしますが、あえて兼用するのであれば風邪用マスクでしょう。
「風邪・花粉に」などと書いてあるものが増えています。マスクをしなければ飛沫を完全に浴びてしまいますが、手元に風邪用がない場合は花粉用でもマスクをしていれば、ウイルスはともかく人のツバなどを防ぐことはできます。早めに風邪用マスクを用意しましょう。
まとめ
最近は、コンビニでもいろいろな大きさのマスクを置いている所が増えてきており、予備を持ち忘れて急に買いに行ってもフィットするものが手に入るようになりました。安いものだと、50枚500円位から手に入ります。もちろん、物によってはゴムでかぶれたり、接触する繊維で擦れたりするなど、合わないものもあるかもしれません。自分に合うものを選んで、インフルエンザを予防していきましょう。もちろん、うがい手洗いもしっかりしてくださいね!