お尻からの出血というと、痔をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、痔以外にもお尻からの出血が見られる病気は数多くあります。病気によってそれぞれ受診する外来も異なりますし、治療法も全てが同じではありません。痔を含め、お尻から出血が見られる病気の治療法について説明していきます。

目次

何科を受診すればいいの?

病気になった時には、どの病院・どの外来を受診すればいいのか疑問に思いますよね。大きな病院であれば症状を伝えると受付で案内されますが、特定の専門外来しか持たない病院だった場合、その病院で治療ができない可能性があります。

お尻からの出血の場合、考えられる病気に痔、大腸がん、大腸ポリープ、直腸ポリープ、直腸がんなどがあります。これらの病気については、「お尻から出血が…痔?それとも他の病気のサイン!?」の記事でご説明していますので、そちらの記事をご参照ください。

例えば、痔を患った場合は肛門科を受診するべきです。外科でも治療が可能ですが、専門知識を持つ医師がいる肛門科にかかった方が良いでしょう。実際にその症状が痔によるものなのかわからない場合でも、お尻または肛門付近から出血しているときは、肛門科を受診するのがベストだと考えられます。素人判断では、痔と大腸がんの違いを正確に区別するのは難しいからです。

お尻から出血する病気の治療法

お尻出血B2

それでは、お尻から出血したときの治療法について説明していきます。ここでは、お尻からの出血がみられる代表的な病気、大腸がんの治療法について取り上げます。

痔の場合

痔核は内痔核、外痔核の2つに分類されますが、出血を伴うことが多いのは内痔核の方です。この内痔核や外痔核の治療には、坐剤(座薬)、注入軟膏軟膏を使用します。

痔瘻の場合は薬物治療では症状が改善されません。したがって、手術による治療が必要となってきます。一方、痔核でも症状が酷い場合や、日常生活に支障が認められる場合も手術が必要となります。日帰り手術の場合は診療所やクリニック、入院必要な場合は病院の受診をおすすめします。

痔の薬についてさらに詳しくは「痔になっちゃった!お薬は何を使ったらいい?」をご覧ください。

大腸がんの場合

大腸がんの治療には、内視鏡治療、手術(開腹手術、腹腔鏡手術)、放射線治療、化学療法が行われます。内視鏡治療は内視鏡という器具を使い、大腸の内側からがんの部分を切除する方法です。また、放射線治療は高エネルギーのX線を体外から照射して、がんを縮小や消失する方法です。それに加えて、化学療法は抗がん剤などの薬物を使った治療方法となります。

なお、大腸がんの検査については、「大腸がん検診のススメ!検査方法と料金・費用」、「大腸内視鏡の名医はどこにいる?消化器内視鏡専門医が考える『上手な大腸内視鏡検査の受け方』」の記事でもご紹介しています。そちらの記事もあわせてご参照ください。

まとめ

お尻からの出血が確認できた場合は、まず肛門科を受診するようにしましょう。その後、痔や大腸がんなどの症状に合わせた検査や治療を行ってくれますので、医師を信頼し、適切な治療を続けていくのを心掛けることが大切です。

国立がん研究センターがん対策情報センターが運営するがん情報サービスの「大腸がん」「薬物療法(抗がん剤治療)のことを知る」も合わせてご覧ください。