新年度になってしばらく経ちました。市町村が実施する検診も新たにお知らせが届く時期ですね。お住まいの市町村で実施される検診の内容を確認し、一年の検診の計画を立てて健康管理に役立てましょう。大腸がん検診も市町村の助成が受けられる検診のひとつですから、ぜひ受診をしましょう。
大腸がんの症状について詳しく知りたい方は、「大腸がんの5つの原因と9つの初期症状」の記事をご参照ください。ここでは大腸がん検診について解説します。

目次

なぜ大腸がん検診が必要なのか

厚生労働省が行った研究では、過去1年間に大腸がん検診を受診したグループでは、検診を受診していないグループに比べて大腸がんによる死亡率が約70%低下するという結果が報告されています。

また、大腸がんは早期に発見できると治癒率が非常に高い病気です。しかし、大腸がんは早期では自覚症状がないため、早期に発見するためには検診を受けることが大切です。

大腸がんの検査方法

大腸がん検診では、便潜血検査が行われます。便潜血検査は自宅で行い、病院など定められた場所へ提出します。食事の制限などもないため、手軽に行える検査です。

検査の方法は、棒状の検査キットを使って、便の表面を擦り取り、便を保管する容器の中に入れます。便の表面をまんべんなく擦りとることで、便の中に血が混じっているかどうかを確認します。

便潜血検査は、死亡率を下げる証拠が確認されており、国の指針でも一次検査の方法として勧められています。日本消化器病学会によると連続で2日間の検査をすることで、進行がんは90%、早期がんは50%発見できるといわれています。

日本においては、大腸がんで死亡する女性が多い傾向にあります。その原因として、便秘で大腸に発がん性物質が長い時間留まること、また、痔によって便に血が混じることに慣れてしまい血便をを軽視してしまうことなどが考えられます。

特に、大腸がん検診は恥ずかしい検査なのでは?という心配も検診を受けない理由のひとつになっているようです。市町村助成の検診は自分で行えますので、恥ずかしいという気持ちも比較的少なくてすむでしょう。

大腸がん検査の対象

老夫婦

市町村運営の大腸がん検査では、男女ともに40歳以上の方が対象です。

検診は、年に1回受けることができます。

料金・費用

検診にかかる費用は自治体によって異なります。お住まいの市町村に問い合わせてみましょう。

40、45、50、55、60歳(年度内年齢)の男性及び女性には、無料クーポンを配布している市町村もありますから、確認してみるとよいでしょう。

まとめ

大腸がん検診では、便潜血反応を受けることができます。便潜血反応は、手軽ですが、精度も高く、一次検査として有効です。市町村の助成で受けられる検診ですから、お住まいの自治体に問い合わせて見ましょう。また、一度でも便潜血検査が陽性だった場合には必ず、大腸内視鏡または注腸検査(大腸にバリウムを注入し、X線を使って撮影する検査)による精密検査を受けてください。