正座をしたわけではないのに足がしびれている気がする、足のしびれがなかなか治らない。しびれは痛みと違って日常生活に支障がないため、そのまま放置されることも少なくありません。しかし、しびれは身体の異常のサインです。しびれの症状が悪化した場合は、病気が疑われることもあります。放っておいても良いしびれとすぐに病院に行くべきしびれの違いとは?今回は、足がしびれたときに考えられる病気についてご紹介します。

目次

しびれるとはどんな症状のことを言うの?

「しびれ」とは、神経症状の一つです。

感覚の低下

触ったときの感覚や熱いものや冷たいものなどが触れたときの感覚が鈍くなる。

運動麻痺

足を動かしにくくなり、力が入らなくなる。

異常知覚

正座などをしていなくても、足がしびれてジンジン、ズキズキした感覚が起きる。

放っておいてもよい「しびれ」とは?

  • 長時間正座をしていた後の足のしびれ
  • 神経や筋肉を使ったあとの疲労によるしびれ

これらは時間とともに消えていく一時的なしびれのため、あまり心配しなくても良いとされています。

病気の前触れとして起こる「しびれ」とは?

  • 足の片側だけがしびれる
  • 急にしびれて数分で治まる
  • 靴下をはいているような感覚がある

このような症状が起こったときは、病気が疑われることがあるので、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

しびれの原因は?

しびれの原因は多岐に渡っていますが、一般的に血液の流れが悪くなったり、骨とその周りの組織の老化によって神経が圧迫されたときに起こると考えられています。

  • 動脈硬化症、糖尿病、血管の閉塞などによって血液の流れが悪くなったとき
  • 背骨が変形して手足の先に行く神経が圧迫されたとき

足がしびれたときは、どんな病気が関係している?

脚のイメージ

神経は脳から手足の先までどこを走っているのかはっきり分かっているので、しびれが起こっている部位によってどんな病気が影響をしているか大体の見当をつけることができます。

足だけがしびれる

腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア

椎間板ヘルニアでは脊椎の椎骨の間にある軟骨が飛び出して神経を圧迫するため、足の痛みやしびれが起きることがあります。

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

脊柱管狭窄症では椎骨の形が変わって神経を通す空間(脊柱管)へせり出し、神経を圧迫するため、腰から膝にかけての痛みやしびれを起こすことがあります。

など

片側の足だけがしびれる

外側大腿皮神経障害(がいそくだいたいひしんけいしょうがい)

ベルトやコルセットなどの締め付けが強いときに、外側大腿皮神経障害を起こして太ももの外側がしびれることがあります。

足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)

足のくるぶしの後ろにある足根管は、顎骨神経の通り道となっています。足首のねん挫、骨折のあと、静脈瘤などが原因となって神経を圧迫して、足の痛みやしびれを起こします。

など

おしりから太ももの後ろ、ふくらはぎにかけてしびれる

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

加齢による筋肉の衰えなどが原因で、おしりから足にかけて痛みやしびれが起きることがあります。詳しくは「坐骨神経痛とは?2つの原因と初期症状」をご覧ください。

など

両足の先の方、靴下をつけるところがしびれる

糖尿病などの内科的な病気

糖尿病では、血糖コントロール不良によってしびれを起こすことがあります。

膠原病などの神経障害

末梢循環障害を起こして指先が白くなったりしびれることがあります。

副甲状腺機能低下症などのホルモン異常

血液のカルシウムが不足して神経や筋肉が刺激されて、しびれが起きることがあります。

パニック障害などの心因性

不安に伴い呼吸が荒くなり、指先がしびれたような感覚に襲われることがあります。

など

しびれの原因を特定するために、血液検査、レントゲン、CT、MRIなどの画像診断、神経学的特殊検査が必要になります。

「しびれ」で受診するときのポイント

足のしびれの症状が出たとき、何科を受診すればよいか判断する際のポイントとして、片側だけに症状が出た場合は整形外科的疾患、両側にしびれがある場合は内科的疾患をより強く疑うことが多くあります。しびれが徐々に進行していく場合や、上肢にも同時に障害がみられるときなどの例外はありますが、何科を受診するか迷ったときには、しびれが出ているのが身体の片側なのか両側なのか、というのを一つの判断基準にするとよいでしょう。

まとめ

足のしびれは神経症の一つで、感覚の低下、運動麻痺や異常知覚などの症状が現れます。しびれの原因は、血流が悪くなったことや骨の変形により神経が圧迫されたことが考えられています。長時間の正座のあとのしびれは、一時的なもので時間が経てば治るのであまり心配することはありませんが、足の片側だけがしびれたり、急に足がしびれて数分で治まる場合などは病気が関係していることもあります。