就寝前、足がほてって寝れない…そんな経験はありませんか?
足だけ布団から出してみたり、冷やしてみたり、その場しのぎで終わらせてしまう方もいるのではと思います。
しかし、足の裏が熱くなるのは体のどこかに異常があるためだと考えられ、こういった足裏に感じる熱感症状をバーニングフィート(灼熱脚)症候群と呼びます。
バーニングフィート(灼熱脚)症候群とは
比較的新しく報告された症状名です。
足首から下の部分が熱く感じ、特に夜間に悪化することが特徴とされています。
原因は何?
以下に、原因として考えられる症状例を挙げていきます。
体温調整
体に熱がこもっている
まず考えられるのが、体温を調節するために、一時的に手足が熱くなっている場合です。
熱中症、日射病、単に気温が高い時(夏)にも、体は体温を下げようとします。
その時どうやって体温を下げるかというと、手足などの末梢から熱を逃がそうとするのです。
手足の血管を広げて皮膚からの熱の発散量を多くするため、手足が一時的に熱く感じます。
この場合の足の熱さは、同時に全身に汗をかいている場合が多いです。
ただし脱水症状を起こしていると汗をかけないこともあるので、猛暑の日、熱中症や日射病を疑った時には気をつけましょう。
眠気を感じている
人間は夜寝ている時には体温が低く、活動している昼間には高くなるようになっています。
眠る前に体温を下げなくては寝つきが悪くなってしまうので、溜まっている熱を末端から放出します。
要するに、体が特別熱いわけではなく、眠る準備のために手足が一時的に熱くなっている状態です。
血行不良
筋肉疲労
一日中立ちっぱなしで仕事をしていたりすると、夕方になって足がむくむことがあります。
足のむくみは血行不良につながり、だるさや熱さを覚えます。
ホルモンバランスの影響
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、血中の甲状腺ホルモン濃度が低くなり体の新陳代謝が悪くなる病気です。
多くの場合、薬物治療をします。
足の熱さのほかに
- やる気・集中力の低下
- 寒がり
- 体重の増加
- いつも眠い
- 動作が遅い
- 物覚えが悪い
- まぶたが腫れぼったい
- 便秘
- 声がかすれる
- 足がむくむ
- (女性の場合)月経過多
などの症状が見られます。
神経障害
糖尿病
糖尿病は、血糖値が高くなる病気です。
全身の血管に影響を及ぼすため、様々な合併症を引き起こします。
合併症の一つに神経障害があり、糖尿病性神経障害と呼ばれます。
糖尿病性神経障害を患うと感覚が鈍くなり、怪我をしても気づかないことがあるので危険です。手足の先など、末端から症状が出ます。
初期症状として
- 足の先がしびれる
- 足が冷える、もしくは反対に熱くなる
- 手足の感覚が鈍る(自分で気づかないことも多い)
- 足の裏に紙が貼りついているような感覚、皮膚に虫が這っているような感じがする
- 神経痛(坐骨神経痛、腕や手の神経痛、肋間神経痛など)
などがあげられます。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
むずむず脚症候群は、就寝前やじっと座っている時、足になんともいえない不快感を覚える病気です。
その名の通り足がむずむずするのですが、ほてりや、かゆみ、痛みを感じることもあります。この病気のせいで夜中に何度も起きて、十分な睡眠がとれなくなってしまう方もいます。
特徴的な自覚症状として
- 足を動かしたくてたまらない
- 就寝前や映画館など、安静にしている時に症状が現れる
- 夕方から夜にかけての発症が多い
- 足を動かす、叩くと症状が和らぐ
などが考えられます。
足根管症候群
きつい靴を履いて歩くなど、足の神経が圧迫されることで生じる足のしびれのことです。
注意点として、この病気ではかかとや足の甲はしびれません。
内側のくるぶしの下を指で叩いて、足の裏のしびれているところに電気が走るような感覚があれば足根管症候群であることを疑ったほうがよいでしょう。
たいていは時間がたつことで治りますが、治らない場合には手術が必要な時もあります。
ビタミンBの欠乏
脚気
ビタミンB1の不足のほか、アルコール依存症によっても引き起こす可能性があります。
以下に挙げる症状のほか、膝蓋腱反射と呼ばれる診断方法(足が床につかないように座った状態で、膝下のくぼみをたたいた時に脚が自然に跳ね上がらなければ脚気の可能性)も目安になります。
疲れが取れない場合には内科・整形外科を受診しましょう。
- 食欲不振
- 倦怠感
- 足のしびれ・むくみ
- 動悸、息切れ
- 感覚が麻痺する
など
原因不明のもの
肢端紅痛症
まれな症状です。骨髄増殖性の疾患、糖尿病や高血圧、静脈不全に伴って発症される場合もありますが、そうでなければ原因不明の疾患でもあります。
手足の灼熱痛や熱感がみられ、症状は数分から数時間続きます。
原因不明の場合には暖かくなるような状態を避け、安静にすること。手足を高くして寝たり、熱い部分を冷やすことで症状が軽減されます。
症状の緩和策
原因に見合った対処が大切ですが、原因不明の場合には
- 自分の足に合った靴選び
- 冷水などで冷やす(血行不良が原因の時には逆効果にも)
- 炎症を抑える薬
- 足を休ませる
で症状が和らぐことがあります。
ただし原因が冷え性であった場合などは、逆効果になることもありえますので、できれば原因をつきとめてから適切な対応をするようにしましょう。
まとめ
バーニングフィート症候群は最近報告された症状です。
原因として考えられる病名は多岐にわたり、原因不明であることもしばしばです。
この記事を読んで思い当たる病名があった場合には、それぞれ適切な対処をし、病院も対応する科を受診しましょう。
病名のところのリンクから治療法の記事に飛べますのでご活用ください。すでに上で述べた持病をお持ちの方はかかりつけの医師に相談してみることをお勧めします。
原因に検討がつかない状態で、とりあえず医療機関を受診しようと思った場合には、神経内科をおすすめします。