ワセリンを使ったことがありますか?ワセリンは歴史の長い軟膏の1つで、医療用から市販の化粧品まで幅広く用いられています。実は、ワセリンといっても種類があり、それぞれ特徴が違います。

そこで、本記事ではワセリンの種類とその正しい使い方を紹介していきます。

目次

そもそもワセリンとは何か?

ワセリンとは、普段何気なく肌に塗って使っていますが、そもそも何なのかを簡単に説明します。

ワセリンは、化粧品や美容液などとは違い、角質層などの肌の内部にまで浸透するわけではなく、肌の表面にいる状態で、外部からの刺激から肌を守ってくれる働きがあります。

原料とされているのは原油を高純度に精製してつくる自然由来のものであり、様々な用途がありますが皮膚を保護する保湿剤として扱うのがもっとも一般的です。

ワセリンの種類

ワセリンと一般的に言われていますが、以下の4つにワセリンの種類を分けることができます。

白色ワセリン

皆さんがドラッグストアで購入するものの多くがこの白色ワセリンです。精製度が高く、全身に使えるものが多いです。

白色ワセリンは厚生労働省が定めている医薬品の規格基準書である「日本薬局方」に記載されているので医薬品扱いであり、敏感肌、赤ちゃん、アトピー性皮膚炎にも使うことができます。他の軟膏を製造する場合の基剤としても使われることがあります。

黄色ワセリン

黄色ワセリンの代表格は、青いキャップの容器に入った「Vaseline ヴァセリン」です。

黄色ワセリンは、現在では精製技術も上がっており、不純物も少なくなってきていますが、白色ワセリンに比べ、若干不純物が多く入っている場合があります。これにより、個人差はありますが、アレルギーなどが起きる可能性もあるため注意が必要です。

プロペト

精製技術がより進化し、白色ワセリンよりさらに純度をあげて精製してできた医薬品であるワセリンがプロペトです。不純物に対するアレルギーなどが心配な方に向いています。皮膚科においても子供から大人まで幅広く処方されているお薬です。

以前は病院のみの処方でしたが、現在は市販薬「プロペトホーム」として購入ができます。

サンホワイト

サンホワイトは、プロペトよりもさらに精製をした高純度のワセリンです。乾燥性敏感肌の人やまだ皮膚が弱い赤ちゃんなどを対象として作られています。市販薬として販売されていますので、プロペトでもダメだという人や赤ちゃんにオススメです。

ワセリンの正しい使い方

美肌

ワセリンは一般的には、ヒビ割れ、あかぎれ、皮膚の荒れなどの症状に使いますが、特徴的な使い方として以下の3つがあげられます。

皮膚を保護する

ワセリンの使い方の基本は、まずは皮膚を保護することです。ワセリンは油性の保護膜を作ってくれるので、水を弾いたりもしてくれるので辛い冬場の食器洗いなど水仕事の時にも役立ちます。

もともとワセリンは赤ギレやヒビにも効果を発揮する薬なので、水仕事の前に塗っておくことで赤ギレやヒビの予防につながります。

乾燥肌の保湿ケア

ワセリンには乾燥肌対策としての効果もあります。薄い膜を張ることで皮膚に水分を残し、乾燥を防いでくれるのです。

ワセリンは顔を含めて体全体に使うことができます。特に乾燥しやすい冬場には大変重宝するので、家庭に1つ置いておくと便利です。ただし、特に薬の成分が入っているわけではないので、乾燥による皮膚の炎症が強い場合などには効果が不十分なこともあります。

火傷

火傷をしたとき、水ぶくれができるまでの重症度であれば、ワセリンを使って治療することも可能です。火傷をすると皮膚が破壊されて、細胞の隙間から細胞浸出液や気化した水分が流れ出して乾燥して痛みが引き起こされます。そこに、ワセリンを塗ることで保湿効果により痛みを和らげ、さらに傷を保護することで、細菌感染の防止にもつながるからです。

さらに日焼けにも効果があります。日焼けはそもそも火傷と同じ状態なので保湿ケアとしてワセリンを塗ることで炎症を抑えて痛みを和らげてくれます。

ワセリンは赤ちゃんにも使って平気?

お母さんなどは特に心配してしまうのが、薬の赤ちゃんへの使用ですが、ワセリンは特に刺激の強い成分が入っているわけではないので、赤ちゃんに使って問題ありません。肌の弱い赤ちゃんで心配なのであれば、より純度が高くて安全なプロペトやサンホワイトを使うとよいでしょう。おむつによるかぶれ防止離乳食による口周りのかぶれにも効果があります。

まとめ

ワセリンは、いろいろな場面で使われており、特に強いお薬ではないので幅広く使用することができます。しかし、どんな症状でも効くわけではなく、正しい使い方をすることが大切です。ワセリンの正しい使い方を理解して、適切な使用をこころがけるようにしましょう。