我慢できないような耳のかゆみ、辛いですね。耳の穴の皮膚は薄いので、擦ると傷がつきやすい場所です。耳の中は掻き続けるほどに炎症を起こし、かゆみも増していくという悪循環に陥ることも…。治りにくい耳のかゆみにはどんな治療を行うのでしょうか。今回は耳のかゆみに対処する方法をご紹介します。

目次

耳のかゆみの治療方法は?

耳のかゆみの原因は、大きく分けて外耳道の炎症、耳垢栓塞(耳垢が詰まって自分では取れなくなった状態)、アレルギーが考えられます。症状別に対処していきましょう。

外耳道の炎症には

外耳道炎は、真菌(カビ)や細菌などの病原体が感染することによって発症します。耳にかゆみや痛みを感じたら、なるべく触らないようにして耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。外耳道の清掃をして、軟膏や点鼻薬が処方されます。

耳だれがある場合は、綿球を当てて外耳道からたれてこないようにします。炎症の原因が真菌だったときは、尋常ではないほどのかゆみが起こります。中途半端に治療をすると真菌が増殖してしまうので、完治させるために医師の指示通りに通院をすることが大切です。

日常生活に大きな問題はありませんが、水泳をしている人は控えましょう。外耳道を爪などで引っかくと傷ができて細菌感染をすることもあります。耳を爪でかく癖があれば、なるべくやめるようにします。

耳垢栓塞には

耳に栓をしたような状態になった耳垢は自分では取れないので、耳鼻咽喉科を受診しましょう。薬で溶かしたり、特殊な器具を使ったりして耳垢を取り除きます。

耳垢には2種類のタイプがあり、乾性耳垢は粉っぽく乾いていて、湿性耳垢は茶色く湿っています。自分の耳垢の性質を理解して、応じたケアを行いましょう。

耳掃除のポイント

  • 耳垢は2~3週間ごとに取るようにします。がりがりかきすぎないように、優しくケアをするようにしましょう。
  • 乾性耳垢は、自然に外へ排出されるようになっています。気になるときは、耳かきでかき出すようにしましょう。
  • 湿性耳垢は、お風呂上りに耳の入口を綿棒で引き取るようにします。左右の耳で綿棒は替えるようにしましょう。
  • 耳鼻咽喉科で取ってもらう場合は、個人によって異なりますが、3、4か月に1回程度です。

アレルギーには

アレルギー性鼻炎によって耳がかゆい場合は、耳鼻咽喉科で専門医と相談しながら薬の服用などの治療を始めます。ハウスダストや花粉などの抗原を除去するために、部屋の掃除や花粉の飛散時期の外出を控えるなどの環境整備が必要になります。また、アトピー性皮膚炎が疑われる場合は、皮膚科を受診しましょう。

ヘッドホンやイヤホンの材質によっては、接触皮膚炎による炎症が起こることもあるので、かゆみが続く場合は、材質が合わないと考えて使うのを控えて、皮膚科を受診するようにしましょう。きつめのイヤホンを外耳道に押し込むと耳の中を傷つける恐れがあるので、耳に合った大きさのものを選ぶようにします。他人との共用は避けて自分専用のものを使うようにしましょう。

まとめ

耳がかゆいときは、外耳道炎、耳垢栓塞、アレルギーが影響していることが考えられます。外耳道炎は、耳の中を傷つけることが原因となって多く起こり、耳垢栓塞は耳垢が溜まることで起こるので、なるべく耳の中を触らないようにすることと、正しく耳掃除を行うことが大切です。また、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎が関わっていることもあるので、症状を感じたら医療機関を受診するようにしましょう。