梅毒というと、「昔の病気」「男性がかかる病気」というイメージがあるかもしれませんが、実際には現在も増加傾向にあり、とりわけ若い女性の間に広がっています。梅毒がどのような病気なのかについては、「女性患者が急増中!梅毒ってどんな病気?放っておくと重症化する?!」で解説していますので、こちらをご覧になってください。ここでは、梅毒の予防と治療について見てみましょう。

目次

梅毒の感染を防ぐには?

梅毒の感染は性行為によって生じます。性器と性器、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)や、口と口(キス)の際、感染部位と粘膜や皮膚が直接接触することが原因です。

そのため、梅毒の感染を予防するには感染部位と粘膜や皮膚が直接接触しないように、コンドームを使用することが大切です。ただし、コンドームを使用した場合でも、覆われていない皮膚の部分に感染が生じる可能性があり、100%感染を防げるわけではありません。

皮膚や粘膜にいつもと違う点があれば、性的な接触は控え、早めに医師に相談してください。

梅毒の検査はパートナーと一緒に

アベック

梅毒の症状は、感染してから3週目頃から出始めます。陰部や足の付け根のしこり、湿疹といった梅毒が疑われる症状が現れたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
近年では、女性の間で梅毒の感染が広がっており、昨年同時期に比べて2.0倍に達しているとの報告があります。なかでも20~24歳の年齢層の増加率が昨年同時期に比べ2.7倍となっており、十分な予防がなされていない可能性があります(IDWRより)。

梅毒は、感染しても症状が出ないことがあります。感染の心配があるときは、無症状でも検査を受けておくことをお勧めします。

梅毒の診断は問診血液検査によって比較的簡単に行えます。問診では、以下のようなことを医師に伝えてください。

  • 感染の可能性がある時期
  • コンドームを使用していたかどうか

自分に梅毒が疑われる症状が出ているということは、パートナーにも感染の可能性があります。できるだけ、パートナーと一緒に検査や治療を進めるようにすると良いでしょう。

治療は抗菌薬の内服が中心

梅毒の治療は、抗菌薬(ペニシリン)によるものが中心です。妊娠中の女性が感染した場合も、妊娠18週以前にペニシリンによる治療を行えば、胎児への感染を防ぐことができます。

どれくらいの期間内服が必要かについては、病気の進行具合によって異なります。医師の指導に従うようにしてください。また、病状によっては、点滴で抗菌薬の治療を行うために入院が必要になることもあります。

症状がなくなったとしても、体内にはまだ病原菌が残っている可能性があります。処方された薬は、必ず最後まで飲みきってくださいね。また、治療中の性的接触はパートナーに感染させてしまうきっかけとなりますので、医師に安全と言われるまでは避けてください。

まとめ

梅毒は1度感染したら免疫ができて感染しなくなる、といった病気ではありません。梅毒に感染したことがある人もない人も、疑わしい症状が現れたら性病科などの医療機関を受診しましょう。梅毒に感性している場合、性交渉は感染の拡大につながるので控える必要があります。なお、地域によっては保健所で匿名・無料で検査を受けられるケースもあるので確認しておくとよいでしょう。