クラミジアは症状が少なく自覚症状がわかりにくい性感染症で、不妊症の原因として有名です。近年若者を中心に感染者が多く性感染症の中でも最多の感染者を誇っています。

目次

気になるクラミジアの症状は?

クラミジアは男性と女性両方に感染するのですが、実は困ったことに男女共に症状が非常に乏しい疾患なのです。

女性に出る症状

女性が感染した場合、性交後2~3週間くらい経つとさらさらとした液体のようなおりものが増えます。しかし、「少しおりものがふえたかな?」程度にしか気づかないことも多いので、発見するのはなかなか難しいです。このとき人によっては不正出血性交痛下腹部の痛みを伴うことがありますが、大半はクラミジアの症状に気がつきません。

男性に出る症状

男性の場合、初期段階では自覚症状に乏しいのですが、やがて排尿痛や副睾丸炎が現れ、性器のかゆみなどが出現します。症状が悪化した際には、尿道から粘液性の分泌物が出てきます。ただし、この分泌物は排尿時に流されてしまうため、発見は困難です。

特に女性は注意!

クラミジアは不妊症の大きな原因になってしまうため、男女ともに感染には注意しなくてはいけません。

特に女性がクラミジアに感染した場合、悪くなるまで全く気付かないまま、病状だけが進行しているということがありえます。症状が悪化すると子宮頸管炎から子宮内膜炎という子宮の内側の炎症になり、やがては卵子の通り道が炎症を起こしてしまいます。ここからやがてお腹の中全体に病気が広がり、内臓まで炎症を起こす骨盤内炎症性疾患という状態にまで発展してしまうのです。

クラミジアが卵管に感染をしてしまうと、その後、卵管が狭くなったり閉じてしまったりすることがあります。こうなってしまうと受精した卵子が子宮までたどり着けなくなってしまい、受精にも支障をきたすことがあるので、将来の不妊症につながってしまうのです。

 

最近では16歳から25歳までが感染してしまうケースが多く、女性の患者さんが非常に増えてきています。不妊症に繋がる前の早期発見・早期治療がとても大切な疾患なのです。

クラミジアの原因と感染経路

セーフセックスと書いてある手

クラミジアはクラミジア・トラコマティスという病原体の感染が原因で発症します。

クラミジア・トラコマティスは、あらゆる性行為を介して感染します。感染者との粘膜の接触を介して広がり、精液・膣分泌液などからも感染することがあります。

オーラルセックスなどを介して咽頭部(のど)への感染することも分かっているので、感染を疑った場合には性行為を避ける必要があります。咽頭部にクラミジアが感染した場合には自覚症状が出ないことが多いので、自分が感染していることにも気がつかずに他の人にクラミジアをうつしてしまうことにつながります。

また、クラミジアに感染している人は、HIV(エイズウイルス)というAIDSの原因になるウイルスに感染しやすくなるといわれています。非常に注意が必要です。

クラミジアは感染しやすいの?

クラミジア自体は、実はとても弱い細菌です。水中ではあまり長く生きることができないため、お風呂や温泉などを介して感染する可能性は低いです。また、乾燥にも弱いため、空気感染の心配はありません。バスタオルの共用をしたとしても感染しないといわれています。

クラミジアの一番の感染経路は何といっても性的な接触です。性行為を介した場合、かなりの確率で感染することがわかっています。

特に、コンドームを使用しないセックスやオーラルセックスを頻繁に行っていると感染の可能性は非常に高くなってきます。自分の感染を疑った場合にはきちんと治療を行うこと、感染を疑っていなくてもきちんとコンドームを使用し、予定外の妊娠や性感染症を避けることが大切です。

自覚症状が少なくても、定期的に性病科、泌尿器科もしくは産婦人科で検査を行い、自分の健康には注意しましょう。

まとめ

不妊につながることもあるクラミジアは、決して見過ごせない疾患です。性器クラミジアは、コンドームを使うだけで感染を防げる病気です。自分がかからないためにも、パートナーに病気をうつさないためにもしっかりとコンドームを使うようにしましょう。