仕事終わりやお風呂上りの一杯が楽しみ…。お酒は昔から“百薬の長”と言われており、適度な飲酒はリラックス効果や体の血の流れを良くする効果があります。しかし、度を超えた飲酒の習慣が身についてしまうと様々な病気の引金となってしまいます。今回はその中でもあまり認知度が高くなく、尚且つ発症すると取り返しのつかない事態に陥りやすい「慢性膵炎」について解説します。

目次

膵臓ってなに?

膵臓と言われても、いまいちどんな役割を果たしている臓器なのか分からない方も多いかと思います。膵臓は胃の後ろ辺りにあり、長さ20センチ程の細長い形をした臓器です。血糖値を下げるインスリンというホルモン等を作り出したり、食べ物を消化する膵液を十二指腸という場所に送り出したりしています

慢性膵炎になるとどうなるの!?

慢性膵炎の初期では食後や飲酒後に腹痛や背中の痛みが主に現れます。これを放っておくと、一旦痛みが軽くなり症状が軽快したと勘違いする人がいますが、実は病気が進行し、膵液の分泌が減ったために症状が軽くなるのです。更にそこから進行していくと膵臓は機能しなくなり、消化出来なかった脂肪がそのまま便として排泄され下痢・嘔吐や、インスリンの分泌低下から糖尿病を引き起こします。また、少量のアルコールの摂取からのたうち回る様な激痛を伴う「急性膵炎」へと発展することもあり、そうなると膵液によって他の臓器が溶かされ、最悪の場合死に至ることもあります。

こんな食生活には要注意!

1.アルコールの過剰摂取

アルコールの大量かつ継続的な摂取は膵臓の炎症を引き起こし、慢性膵炎を招きます。実は慢性膵炎の3分の2はこのアルコールの多量摂取が主な原因なのです。

男性よりも、女性の方が少ないアルコール量で発症しやすいと考えられているため注意が必要です。

2.脂っこい食事を好んでいる

脂っこい食事を好んで食べると、膵臓は頑張ってその脂肪分を溶かそうとします。するとどんどんそれが膵臓に負担をかけることとなり、結果膵臓の機能が低下し慢性膵炎になってしまいます。

上記の2つが主な要因ですが、特に女性よりも男性の方が慢性膵炎を発症することが多いようです。また喫煙も大きな影響を与えるので、食生活と共に気を付けたい所です。

最後に

あまり馴染みのない膵臓という臓器。私たちが食べた物を分解したり、血液の中の糖を正常な範囲に下げるためのホルモンを分泌してくれたりと、非常に大事な役割を担う臓器です。一度障害されると回復することはなく、慢性膵炎を発症すると長いお付き合いになります。

慢性膵炎患者さんでは一般の方よりも死亡率が高くなり、特に膵癌になるリスクが高まります。自分の臓器は自分でしか守れません。いつまでも元気でいられるよう、バランスの良いヘルシーな食事を心掛けましょう。