体の中に石が作られ、激しい痛みを伴うこともある「胆石」。検査の結果、胆石であることが分かったらどのように対応すれば良いのでしょうか。胆石ができるメカニズムと主な症状については、「胆石って何?体内に石ができる原因とは?」にまとめておりますので、こちらをご参照ください。ここでは胆石が見つかったときに、手術が必要かどうか、手術以外の選択肢があるかどうか、について見てみましょう。

目次

胆石を発見するには?

腹痛などの症状で医療機関を受診し、超音波検査を受けたら胆石だったというケースはよくあります。また、症状が出ていない場合でも、検診などで超音波検査を受けて胆石が見つかることもあります。いずれにしても超音波検査によって胆石が見つかるケースが多いようです。

胆石かどうかを正確に診断するために、超音波検査以外の検査を行うこともあります。必要に応じて、MRI、CT、内視鏡検査といった、より精度の高い検査を追加します。

手術を受けるかどうかの判断

腹痛

胆石が見つかると、手術をした方がよいかどうか迷うと思います。まず、重要な点は、痛みなどの症状が出ているかどうかです。胆石があるのに症状がないという人は、その後長期間にわたって症状が出ないことが多いそうです。今は痛みがなくても将来痛みが出る可能性が高いのは、若い人です。また、小さな胆石を沢山持っていたり、胆嚢の働きが弱くなっていたりする場合も将来痛みが出る可能性があります。手術を受けるかどうかについて担当医とよく相談するとよいでしょう。

胆嚢炎では、繰り返して起こる場合に手術を行います。一方、総胆管結石は一度でも生じた場合、手術になることが多いです。手術では、胆嚢を肝臓から引き剥がして摘出します。

以前は、お腹を切開して手術を行う開腹手術が主流でしたが、現在では内視鏡を使って小さな傷口で手術できる腹腔鏡手術が普及しており、手術に伴う負担も軽減しています。

手術以外の選択肢は?

胆石の中でも「コレステロール胆石」というタイプに対しては、薬を使って溶かす治療を選択できます。ただし、15mm以下の小さな胆石であることが条件となります。

15mm以上のコレステロール胆石に対しては、体の外から衝撃を加えて胆石を粉々にしてから薬で溶かす方法があります。これを「体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)」といいます。ESWLについても条件があり、2~3cmの大きさの胆石3個までとされています。

ESWLを行った場合、胆嚢機能が正常であれば1年後までに63~90%の胆石が取り除かれるそうです。ただし、10年間の再発率は54~60%とやや高めで、後から胆嚢を摘出する手術が必要になるケースもあります(「患者さんと家族のための胆石症ガイドブック」)。

胆石に効く食事とは?

ビタミン

胆石は胆汁が固まることで作られます。症状を重くしないためには、胆石を大きくしてしまわないように食事に気を配ることが大切です。

避けた方が良いものは、コレステロールを増やす原因となる脂肪の多い食品です。積極的に摂った方が良いものは、肉や魚、豆腐といった高タンパクの食品です。タンパク質の少ない食事は、色素胆石に分類されるビリルビンカルシウム石の成長を促すと考えられているからです。また、ビタミンCにはコレステロールを胆汁酸に変えるのをサポートする働きがあります。オレンジなどの柑橘類、小松菜、ブロッコリー、ピーマンなど、ビタミンCを含む食品を意識的に摂るとよいでしょう。水に関しては1日2リットルを目安に多めに飲むことが勧められています。

胆石を予防する食事ってある?

胆石は、中年以降に増加するとされています。特に食生活が不規則な方や運動不足の方、肥満の方に多いとされているので、以下の内容に心当たりのある方は特に気をつけてください。上記のようにコレステロールや脂肪分の多い食事は控え、ビタミンCを豊富に含んだ食材を摂るようにしましょう。

  • 加工食品やインスタント食品を食べる機会が多い
  • 魚より肉が好きである
  • バターや生クリームたっぷりのお菓子を毎日食べている
  • 揚げ物を毎日食べている
  • 野菜をほとんど食べない

まとめ

胆石が見つかっても必ず手術が必要というわけではありません。薬による治療やESWLといった選択肢もあります。基本的には、痛みなどの症状が出ていなければ手術を行わなくても良いケースが多いようです。将来起こり得るリスクを考慮し、医師とよく相談して治療方針を決めましょう。胆石の予防のためには、水を多めに飲むようにし、食生活に気を配ることが大切です。