脂漏性皮膚炎は、放置しておくと毛穴に皮脂が詰まって抜け毛や炎症を引き起こすことも考えられます。気になる痒みや赤みがあれば、悪化する前に皮膚科を受診するようにしましょう。症状を見逃さないで早めに治療、手当てを始めることが大切です。今回は脂漏性皮膚炎の治療方法と自宅で行うセルフケアについてご説明いたします。脂漏性皮膚炎の原因は症状については、「気になる顔の赤みやかゆみ、脂漏性皮膚炎かも。一体どんな病気?」をご覧ください。

目次

皮膚科ではどんな治療を行う?

皮膚の炎症を抑えるための塗り薬や、増えすぎた真菌を抑える抗真菌薬が処方され、二つを組み合わせた外用治療が中心となって行われます。

弱めのステロイド剤

赤みや痒みが強いときは、外用のステロイド薬が処方されることがあります。ステロイドは症状の緩和に効果があると考えられていますが、副作用として、皮膚が委縮して薄くなる、血管が浮き上がって赤く見える、細菌や真菌などの感染症を起こしやすくする、などの発症が指摘されています。

抗真菌剤

カビの増殖を抑えるために、抗真菌外用薬のケトコナゾールが処方されます。比較的症状が軽いときに使われます。

抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬

痒みが強いときは、内服薬として抗アレルギー薬抗ヒスタミン薬を用います。

ビタミンB群

ビタミンが不足すると、皮脂の分泌が正常に行われなくなるので、疲れやストレスが溜まったとき、食生活が乱れているときは、皮膚の新陳代謝を促すために、ビタミンB2ビタミンB6の内服薬が処方されます。

自宅でできるセルフケアは?

石鹸

炎症している部分の刺激を抑えるために、毎日の生活を見直しましょう。症状が酷いときや、長引くときは皮膚科をすぐに受診します。

毎日入浴をする

皮膚を清潔に保つために、できれば毎日入浴をしましょう。刺激の少ない石けんなどを使って丁寧に身体を洗い、皮膚を清潔に保って余分な皮脂を取り除きます。強くこすると、炎症を持っている部分が刺激されて症状が強くなり、悪化を招くので、こすりすぎないように気を付けます。

フケを防ぐ

フケは古くなった皮膚が剥がれ落ちたものですが、多く目立つときは洗い過ぎによる頭皮の乾燥の可能性もあります。乾燥が気になる方は、洗髪を頻繁に行わないようにして多くても一日一回にとどめましょう。

脂っぽいフケがでているときは、一日一回の洗髪をしっかり行います。フケが多いときは、フケ止め用のシャンプーを使いたくなりますが、商品の中には返って刺激を増すものもあるので、使うときは皮膚科の医師に相談するなど注意が必要です。頭を洗うときは、強くこすらないように気を付けます。

ストレスをなくす

残業や転勤などの仕事のストレス、睡眠不足や過労などが脂漏性皮膚炎の症状を悪化させます。忙しい毎日が続いても、できるだけ規則正しい生活を心掛けましょう。軽い運動や入浴などの自分なりのストレス解消法を持ち、睡眠を十分に取るように気を付けます。

食生活に気を配る

ビタミン類が不足していると、古い皮膚が残り、新しい皮膚の再生に悪影響を及ぼすので、不足している栄養素がないように、バランスの取れた食事を意識してとるようにしましょう。

ビタミンが多く含まれる食物は、豆製品、人参、かぼちゃ、レバー、卵黄、魚介類、チーズなどがあります。過度なアルコール、辛いものや香辛料の効いている刺激物、脂っこい高脂肪食は皮脂の分泌を進ませるので取りすぎないように気を付けましょう。

まとめ

脂漏性皮膚炎は、皮膚の炎症を抑えるために、ステロイド、抗真菌薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などが処方されて治療を行います。皮膚の新陳代謝にはビタミン類が関係しているので、積極的に取るようにしましょう。皮膚を清潔に保つように毎日入浴をする、ストレスをなくすなどの生活習慣の改善が必要となります。