歩きたいのに、うまく歩けない。歩きにくいといった症状がありませんか?もしかしたら歩行障害かも?歩きにくさの裏側に実は大きな病気が隠れているかもしれません。ここでは歩行障害の種類とその原因について説明していきます。

目次

歩行障害とは、どんな状態?

そもそも歩行障害とはどんな状態でしょうか。歩行障害とは、歩きにくさをはじめ歩くことができない状態をさします。足だけではなく、脳、脊髄、外傷(けが)など様々な原因があげられます。

歩行障害の種類ってどんなものがあるの?

足下

痙性歩行

脳卒中などにより体の半分が麻痺してしまうと麻痺のある足がつっぱっているような歩行になります。片足が半円を描くように動きます。

小刻み歩行

主にパーキンソン病にあらわれる歩行です。前かがみになり、ちょこちょことした状態で歩きます。

失調性歩行

小脳に病気があると両足を広げ、よろよろと歩きます。また脊髄に病気があるとペタペタと足の裏を打ち付けるように歩きます。

動揺性歩行

筋ジストロフィーなどの神経・筋疾患で多くみられます。腰を振りながら歩く後ろ姿がアヒルのように見えることから「アヒル歩行」と呼ばれることがあります。

間欠性跛行(かんけつせいはこう)

歩くと足のしびれや痛みから歩けなくなり、少し休憩するとまた歩けるようになります。腰に病気がある場合、多くみられる歩行状態です。

歩行障害の原因となる病気

足

歩行障害は足だけではなく、脳や脊髄、血管など様々な原因があげられます。以下は具体的、代表的なものを挙げています。

脊髄小脳変性症、多系統委縮症など

人間の後頭部に位置する小脳は主に運動機能をつかさどります。詳しい原因は明らかにはなっていませんが、小脳が委縮してしまうことで歩くという運動が困難になります。

脳梗塞、脳出血などの脳卒中

脳にトラブルが起きると、完全に元に戻ることは難しくなります。脳卒中の後遺症としてあげられる半身麻痺などにより歩きにくさがみられることがあります。

パーキンソン病

パーキンソン病は、振戦(手足の震え)、固縮(手足がうまく動かせない、固く縮んだような状態)、無動(体の動きが少なくなる)、姿勢障害(姿勢をかえるときにスムーズにできなくなる)といった4つの特徴があります。このうちの姿勢障害からスムーズに足が出ず、小刻み歩行となります。

後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症など

背骨のひとつひとつは靭帯でつながっています。その靭帯が骨のように硬くなってしまうと背骨の柔軟性が低下し、脊髄が圧迫されるため足を動かすという脳からの電気信号が足にうまく伝わらなくなり歩けなくなります

外傷(けが)によるもの

高齢者に多い大腿骨頚部骨折などの骨折も歩行することの妨げとなります。骨折の原因は転倒が多くみられ、「自分は大丈夫」といった過信をすることはとても危険です。転ばぬ先の杖、日ごろから転ばないように注意しましょう。

閉塞性動脈硬化症

手足の動脈硬化により血液の流れがうまくいかないことが原因で起こります。足先に十分な酸素や栄養が送り込めないため、手足が冷たく動かしにくくなったり、重症になると足が壊死してしまうこともあります。

足の変形によるもの

関節リウマチや先天性内反足、外反母趾などの足が変形してしまう病気も歩行障害の原因のひとつと言えます。疾患による変形はやむを得ないものですが、外反母趾はつま先のゆったりした靴を履くなど普段から予防できるものです。

まとめ

一言に歩行障害といっても、その種類や原因は以上にあげた以外にもたくさんあります。自分自身や身の回りの方が少しでも気になる歩き方をしているようであれば、整形外科や神経内科などのある病院を受診することをおすすめします。