適度な睡眠は私たちの健康にとって欠かせない重要な要素です。しかし、なかなか寝付けない、熟睡することができないなど、睡眠に関しての悩みを抱える人が多くいるのも事実です。その原因の1つとして、普段の食生活の乱れが挙げられます。それでは、良質な睡眠を得るためにはどのような食事をとれば良いのか、改善のためのポイントについて説明します。

目次

安眠を妨げる食生活とは?

健康管理に欠かせない、規則正しい生活リズムを作るためには、決まった時間に食事をすることが重要なポイントとなります。また、どんな食事をとるかという内容によっても睡眠の質が変わってきます。

なかなか寝付くことができない人の原因として夜遅い食事が挙げられます。寝る前に食事をとると、胃や腸などの消化器の活動を活発にし、寝ようと思ってもなかなか寝付くことができません。

また、睡眠に必要なメラトニンというホルモンを分泌するための、セロトニンという神経伝達物質が不足すると、リラックス状態を作ることができずに自然な眠気がなかなかやって来ない緊張状態が続きます。このセロトニンは食品からしか摂ることのできないトリプトファンというアミノ酸から作られます。

このような理由から、適切な時間に食事をとること、そしてトリプトファンの多く含まれる食品をとることが、快適な睡眠をとるために必要な条件といえます。

トリプトファンが多く含まれる食品は?

睡眠 食事2

トリプトファンはタンパク質を構成している必須アミノ酸の1つです。そのため、肉や魚などのタンパク質源となる食品に多く含まれています。

トリプトファンの多く含まれる食品(100gあたり)

食品 トリプトファン含有量
かずのこ 1300mg
大豆 1200mg
700mg
するめいか 590mg
かぼちゃ 510mg
豚肉 500mg
かつお 350mg
チーズ(チェダー) 320mg

文部科学省 食品成分データベースを参考にいしゃまち編集部作成)

また、このような食品をとり入れる時に気をつけたいポイントとして次のようなことを意識しましょう。

  • とり入れるタイミングは朝がベスト
    →セロトニンの合成は、日中に太陽の光を浴びることで促進されます。
  • ビタミンB6や鉄分、マグネシウムを多く含む食事を
    →セロトニンを効率良く合成するためには豆類や果物に多く含まれるビタミンB6、レバーや貝類に多く含まれる鉄分、そして未精製塩やにがりなどにおおいマグネシウムも必要です。
  • 糖質をいっしょにとると吸収率アップ
    →糖質と一緒に摂取することでトリプトファンが脳に移行しやすくなることが報告されています。ただし、糖質の取りすぎには気をつけましょう。

睡眠の質を上げる栄養素

トリプトファンが多く含まれる食品をとることで、セロトニンの分泌が促されてリラックス状態を作り出し、眠りに付きやすくなります。そしてさらに睡眠の質を上げ、ぐっすりと眠るために必要な栄養素がアミノ酸のグリシンです。

グリシンは、深部体温を低くして自然に深い睡眠に入りやすい状態を作り出し、さらに睡眠リズムを整えてくれる効果があります。非必須アミノ酸のため、体内で合成することも可能ですが、様々な働きを持っているため、積極的にとり入れることで更なる効果が期待できるでしょう。グリシンはホタテなどの貝類や豚肉、車えびなどに多く含まれています。

まとめ

健康維持には欠かせない睡眠ですが、食事とは深い関わりがあります。トリプトファンやグリシンが多く含まれる食品を積極的にとり入れることで、快適な睡眠を得ることができるようになるでしょう。不眠や寝つきの悪さに悩んでいる人は、現在の食生活を見直し、改善を心がけてみてくださいね。