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対人コミュニケーションに極度の恐怖や不安を覚えてしまう社会不安障害ですが、性格の問題だからと諦めていませんか?

精神科など、しかるべき医療機関でしかるべき治療を受ければ、軽快する可能性があります。対人への不安で苦痛を感じているならば、受診を検討してもいいでしょう。

社会不安障害の症状や診断基準は「会話が苦手、視線に緊張してしまう…社会不安障害の症状チェック」で確認してみてください。

今回は、社会不安障害の治療方法を説明します。

治療して効果があるの?

社会不安障害は治療によって軽快することが期待できる疾患です。

特に重症の人は、わかりやすく効果が出る場合も多いのです。

治療方法

1.薬物療法

錠剤

SSRIという、セロトニン(脳の神経細胞間の情報伝達に関わる物質)を安定させる薬が使用されており、服用を始めてから数週間ほどで効果が感じられるようです。SSRIは依存性が少なく、比較的安全な薬です。

効果が出るまでは、不安を和らげるベンゾジアゼピン系抗不安薬を併用することもあります。

2.精神療法

一度効果が現れると、効果が長く続き、再発しにくいことがメリットとなります。精神療法もいくつか方法がありますが、中でも認知行動療法が多く検討されています。患者さんが恐怖を感じてしまう思考回路そのものを修正し、避けていた行動を少しずつ練習して不安をコントロールする方法です。

できることから段階を踏んで徐々に慣らすので、時間はかかりますが心配するようなことはありません。

薬物療法と精神療法は、併用されることが多いです。

周囲のサポート

社会不安障害は、周囲の人から見るとそこまで苦しんでいるように見えない場合があります。

家族など気心の知れた相手に対しては自分を主張できる場合が多いのも理由のひとつです。家では普通に過ごせているので、まさか社会不安障害だとは思えないのです。

しかし、病気であることを信じてあげること、苦しみを理解することは治療の手助けになります。

また、本人が社会不安障害だと気づいていないケースも多いです。うつ病・摂食障害など他の疾患で受診し、休職すると改善するのに、復職したとたんに再発するような場合には不安障害である可能性があります。

もしも近しい人に社会不安障害の疑いを感じたら、社会不安障害について患者さんと一緒に考えてみてください。病気に気づくことさえできれば、治療を開始することができるのです。

まとめ

社会不安障害の治療は慎重かつ安全に行われます。コミュニケーションに不安を覚えている状態で受診するのは勇気がいるかもしれませんが、あなたの不安によるパニックや身体症状を医師は理解した上で対応してくれます。

まずは医療機関に相談してみるところから始めましょう。家族の方は理解を得るためにも、一緒に説明を受けるのもいいかもしれません。