歯周病は歯垢(プラーク)が原因となって、歯肉が炎症を起こしたり、歯を支えている骨が溶かされたりする病気です。歯がぐらぐらになってしまい、進行すると歯が自然に抜け落ちてしまうこともあります。
歯を失う原因にもなる歯周病ですが、初期には痛みが出ないことが多く、気が付いた時には重症化してしまっていることも少なくありません。
歯周病になる前に予防するため、なった後も悪化する前に治療するために、
今回の記事でどんな人が歯周病になりやすいか、歯周病の症状とはどんなものかを知っていきましょう。
歯周病になりやすいのは…
歯周病には、「なりやすさ」が存在します。なりやすい宿主(体質や持病)、なりやすい環境(生活習慣)、細菌の有無といった要因が重なることで、歯周病が発生します。
体質的に歯周病になりやすい方
あまり歯をみがかなくても虫歯にならない人もいれば、こまめに歯磨きをしていても虫歯ができてしまう人がいるように、生まれつきの特徴があります。以下では、歯周病になりやすい人の体質や持病の条件を挙げていきます。
かみ合わせ歯並びが悪い
かみ合わせが悪いことで、歯に不自然な力が加わり、歯周病を悪化させる原因となる場合があります。また、歯並びが悪いと歯磨きがしにくく、歯周病の原因となるプラークが溜まりやすい場合があります。
糖尿病
糖尿病の方は感染に対する抵抗力が弱まってしまうため、歯周病が進行しやすい状態にあります。
ホルモンのバランスが乱れている
思春期や妊娠している時、閉経前後の更年期の方はホルモン分泌の関係で歯肉に炎症が起こりやすくなっています。
また、閉経すると女性ホルモンのエストロゲンが減り骨粗鬆症になりやすいのですが、骨粗鬆症の方は骨が溶けやすくなっているために歯周病になりやすいとされています。
年齢
歯周病になるピークは45~49歳で、全体の86.7% にも及ぶというデータがあります(平成23年歯科疾患実態調査より)。これより高齢の方は歯周病にかかりにくくなったわけではなく、すでに歯を失ってしまっていることが多いのです。そのため、40代以降の方は歯周病には気を付ける必要があると言ってよいでしょう。
遺伝
持病などの原因ではなく、遺伝的に歯周病になりやすい方がいることがわかりつつあります。
生活習慣の問題
以下のような習慣がある方は、本来は歯周病になりにくい人でも歯周病を起こしてしまったり、悪化させてしまったりする可能性があります。
歯磨きをしない
これは当たり前のことですが、口腔内が清潔でないと歯周病の原因となるプラークが溜まりやすくなります。
喫煙者
喫煙と歯周病には密接なつながりがあるとされています。喫煙者は喫煙しない人よりも歯周病にかかりやすいという統計があるほか、タバコの成分が歯肉からの出血を抑え、歯肉を硬くするために症状に気づきにくくなってしまいます。また、歯周病の治療をしてもタバコの影響で治りは悪くなります。
タバコを吸う方は、歯周病が進行しやすく、治りも悪くなってしまうのです。
口呼吸歯ぎしりくいしばり
口呼吸では口腔内が渇きやすくなり、プラークが溜まりやすくなります。また、唾液には自浄作用があるため、口が渇くことは口腔内の環境にあまり良くありません。
歯ぎしりや食いしばりでは強い力が歯にくわわり負担をかけることになり、歯周病の進行を加速させる可能性があります。
食生活
粘着性の高い食べ物や、糖分が多い食べ物はプラークをつくりやすくする原因となります。
もともとの体質的な問題や別の病気を患っている場合には根本的な改善は難しいかもしれません。しかし、生活習慣による問題は意識することで予防につながる可能性があります。
症状チェックシートで早期の治療を!
体質的な問題がある方も、よりいっそう丁寧な歯磨きと、歯周病の症状にいち早く気づくことで、歯を失う可能性を少なくできます。チェックシートで、現在歯周病と見られる症状がないかの確認をしましょう。
週刊朝日MOOKのいい歯医者をもとに、歯周病セルフチェックシートを作成しました。
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最後に
歯周病には、なりやすい体質や生活習慣があります。
歯周病は初期には症状を自覚することが難しいため、自分の現状を知ることが予防・治療の一歩となります。
セルフチェックだけでなく、定期的に歯医者さんで健診を受けて健康な歯を保ちましょう。