ある日突然、手やからだにイボができていたという経験はありませんか?なかにはあちらこちらにできていてびっくりした、という方もいるのではないでしょうか?見つけてしまうと、とても気になってしまうものです。イボはよく聞く病気のひとつですが、イボとはいったい何なのでしょう?放っておいても大丈夫なのでしょうか?イボについて詳しく説明していきます。
イボっていったい何?
皮膚にできる小さい突起物のことを「イボ」と呼びます。いわゆる「できもの」の一種で、専門用語では「疣贅(ゆうぜい)」と呼んでいます。ただし、皮膚のできもの全てを「イボ」というわけではなく、皮膚科を受診してみたら違う病名だった、ということも少なくありません。
イボにはいくつかの種類があります。最も多くみられるのは、ウイルスが原因となるウイルス性疣贅です。このほか、首・脇など皮膚が薄い箇所にできるスキンタッグ(俗に中年イボと呼ばれます)や、硬くなった皮膚が次第に黒く盛り上がる老人性疣贅(年寄りイボと呼ばれます)などの種類があります。
イボの種類と原因

ウイルス性疣贅
ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因でできるイボを、ウイルス性疣贅といいます。HPVには200を超える種類があり、その種類によって感染しやすい部位や、できるイボが異なります。ウイルス性疣贅は、人から人へ感染する病気です。
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
最も多く見られるタイプのイボで、子供の手足、特に爪の周囲によく見られます。顔や足の裏に生じることもあります。えんどう豆程の大きさで、表面がガサガサしているのが特徴です。たくさん生じることも多いです。
足底疣贅(そくていゆうぜい)
尋常性疣贅の中でも、足の裏にできるものを足底疣贅と呼びます。体重がかかるため、隆起してこないのが特徴です。
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
青年期(思春期から30歳頃)の女性に多くみられます。顔や腕、手の甲、下腿によくみられる、褐色のイボです。尋常性疣贅と比べると、表面がなめらかです。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは性感染症の一種で、別名を「性器イボ」といいます。性行為によって感染し、肛門の周りや外陰部、口腔内に、乳頭状やニワトリのとさかのような形をしたイボができます。
ミズイボ
子供によくみられるイボに、ミズイボがあります。HPVではなく、伝染性軟属腫ウイルスが原因で生じます。数mmの大きさで、表面がツルツルして頂上が凹んだイボが身体にできます。手のひらや足の裏にはできないのが、他のイボとの大きな違いです。
その他
老人性イボ
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)ともいわれ、加齢によってできるイボのことです。顔や身体などに、黒く出っ張ったできものが生じます。皮膚の老化現象のひとつであり、ウイルスが原因ではないため感染しません。
イボができたらどうしたらいい?
ウイルス性のイボは、自分にも、他人にもうつることがあります。また、気になるからといって触ったりつついたりしていると、数が増える場合もあります。あまり多発してしまうと治療が難しくなる場合もあるので、むやみに触らず、早い段階で皮膚科を受診すると良いでしょう。
老人性疣贅は無症状のことが多いですが、急に増えた場合、内臓に異常が生じていることも考えられます。こちらも、早めに医師に相談しましょう。
まとめ
イボには感染するものとしないものがあります。老人性疣贅は感染しないため、放っておいても大丈夫な場合が多いです。しかし、それが本当に老人性イボであるか気になる場合には皮膚科を受診しましょう。ウイルス性のイボは、感染して増えていく可能性があるため早期の治療をおすすめします。