歩くときに足の裏が痛むことはありませんか?魚の目は小さなものですが、激しい痛みを伴うことが多いです。どうして魚の目ができてしまうのか、また魚の目にならないようにするにはどうすれば良いかなどを説明します。
魚の目とは?
魚の目とは、足の裏や足の趾などにできる、魚や鶏の目のような硬い芯のことです。医学的な名前は「鶏眼(けいがん)」といいます。5mm~7mmくらいの小さなものですが、圧迫したり歩いたりするととげが刺さっているような非常に痛みが伴います。これは分厚くなった角質層が皮膚の内部に向かって入り込み、神経を圧迫するためです。
足の裏にできる病変は魚の目だけではないので、注意が必要です。よく似たものに、一般的にたこと呼ばれている胼胝(べんち)やイボと呼ばれている疣贅(ゆうぜい)があります。
タコ(胼胝 べんち)
魚の目もタコと本質的には同じで、皮膚の一部が繰り返し刺激、圧迫、摩擦などを受けることで角質が厚くなったものです。
タコは足の裏だけでなく、手や身体のどこにでもできる可能性があります。また、魚の目が皮膚の内側に向かっていくのに対し、タコ胼胝(たこ)は皮膚の外に角質が増殖します。魚の目と違い、痛みはないことが普通です。
イボ(疣贅 ゆうぜい)
ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスによる感染が原因となっておこる小さなできものです。イボは力の加わらない場所にもできて、一般的に痛みなどの自覚症状はありません。子供の手足によくできる魚の目と似たミルメシアと呼ばれるイボもあります。
イボを魚の目だと勘違いして放置していると、大きくなったり、うつって数が増えることがあるので注意しましょう。
大きくなる前に皮膚科を受診して治療しましょう。
魚の目ができる原因はなに?
魚の目の原因は、足の裏のいつも同じ場所に刺激が加えられていることです。
魚の目の好発部位は、以下のような部位や趾背(足の指の甲側)・趾間(足の指と指の間、足指の側面)・足底になります。
魚の目の原因って?予防できるの?
靴のサイズが合わない
強く圧迫されたり、どこかがいつも擦れている状態になると、圧迫や摩擦から皮膚を守る為に、皮膚が厚く硬くなり魚の目になります。
ハイヒールを履いている
女性がハイヒールを履く場合、身体の重心が前に偏っているため、魚の目ができやすくなります。また靴の先が尖っていることで、親指や小指など圧迫され、足の裏だけでなく、指の外側にも魚の目ができてしまいます。
開張足である
開張足(かいちょうそく)とは、足底部の横アーチが崩れてしまい扁平になっていることです。正常な足は、親指から小指にかけてのラインの真ん中がへこんでおり、これがクッションとなっています。このクッションがなくなることで、魚の目ができやすく、また外反母趾の原因にもなっています。
歩き方や立ち方の癖
重心が偏るなどして身体のバランスが崩れることでも魚の目はできやすくなってしまいます。
また、股関節の病気や脳血管障害などの為、ある一定の場所がいつも刺激を受ける歩き方になっている場合も起こりやすくなります。
魚の目の予防法はある?

魚の目を予防するには、まず原因となるものが何か突き止め、それを除去したり改善したりすることが必要です。
靴を見直す
長時間履く靴が原因であることが多いので、靴の見直しが必要になります。
靴のサイズが合っていない、つま先が細い、指の付け根がきつい、といった靴は履かないようにして、シューフィッターのいる靴屋などで選びましょう。
最近はネットを利用して靴を買う人も増えているようです。しかし、足に合った柔軟な靴を選ぶ必要があるため、できれば実際に履き心地を確かめてから購入するのがおすすめです。
ハイヒールを履かない
女性が履くハイヒールは、足先に負担をかけるため魚の目ができやすくなってしまいます。ハイヒールを履き続けている人の中には魚の目が常にできている人もいるくらいです。
心あたりのある人はこのことをよく理解して、高すぎるヒールの靴は履かないようにしましょう。
中敷やパッドを利用する
靴下の裏の魚の目のできやすい部分に合わせてコットンなどを裏打ちする、市販されている魚の目を圧迫から守る魚の目パッドを貼るなどして靴の圧迫から足を守りましょう。
または、足底部のアーチに矯正具を使用することでも、足にかかる圧力を分散できます。
姿勢や歩き方を直す
長時間立たなければいけない状況では、姿勢が悪いだけで、重心が偏り、魚の目の原因になることがあります。また外側やつま先に力が入る歩き方も原因になります。
歩き方を自力で改善できないような場合は整形外科を受診し、歩行に合った矯正具を作ってもらいましょう。
まとめ
魚の目について、原因や予防の仕方がわかって頂けたでしょうか? オシャレな靴は足を綺麗に見せてはくれますが、足を守ってくれる物ではない場合もあると気付きましょう。また、たかが魚の目と思わず、痛みが激しい場合は皮膚科に受診することが大事です。