一度できてしまうと自然に治癒することはほとんどない粉瘤(アテローム)。良性の腫瘍ですが、完治させるには手術で垢がたまっている袋を取り除く必要があります。しかし、手術となると痛みが気になりますよね。そこで今回は、粉瘤の治療法について詳しく説明していきます。できるだけ早い段階で手術をすることで苦痛を最小限におさえることもできるので、手術を検討している方は是非参考にしてみてください。

粉瘤の原因やメカニズム、症状については「手術は必要?粉瘤(アテローム)の原因とメカニズムを解説!」に詳しくまとめていますので、ご参照ください。

目次

完治を目指すのなら手術が必要!

粉瘤は良性の腫瘍であり、あくまでも摘出するかどうかはご自身の自由意思です。しかし粉瘤を放置すると腫瘍が大きくなったり、炎症や感染をおこしてしまい、結果的に手術をすることになる可能性もあります。粉瘤を治したいと思われるのであれば、早期手術をすることが最も望ましいでしょう。炎症が起こったり、感染したりする前の段階であれば、痛みや傷口は最小限におさえることができ、手術時間も短時間で終わります。

粉瘤(アテローム)の治療法

医療器具-写真

粉瘤の治療法は、完治を望む場合には主に2種類あります。炎症や感染をおこしているかいないかで、治療をする段取りが変わってくるのです。また、担当の医師によっても治療法が違う可能性もあります。しっかりと説明を聞き、納得したうえで治療を受けるようにしましょう。

炎症や感染をおこしていない場合

摘出術

麻酔をしたうえで皮膚を切開し、袋を周りの組織からはずして摘出します。粉瘤の大きさやできた場所によって麻酔方法は変わります。最も楽な状態であれば、局所麻酔で数十分もあれば手術は終わります。袋すべてをきれいに取り除ければ再発することはほぼありません

くりぬき法(へそ抜き法)

くりぬき法は粉瘤の中心にある小さな穴の部分に円筒状のメスを差し込んで、表面の皮膚とともに袋の一部をくり抜く方法です。くり抜いたあと、袋の中の垢などをもみ出し、袋そのものもできるだけかき出します。摘出術と同じように局所麻酔を使用します。円筒状のメスを使用しますが、傷口は小さく縫合しないことが多いです。

炎症や感染をおこしている場合

炎症や感染をおこして化膿している場合は、摘出術やくりぬき法をしても再発したり、皮膚を広く切開したり、傷の治りが悪くなったりする可能性があります。そのため、まずは炎症や感染の症状をおさえる治療を行います。化膿がひどく膿がたまっているときは、局所麻酔をして皮膚を切開し、膿を排出させ、抗生物質の点滴や内服で症状がおさまるのを待ちます。症状がおさまってから摘出術を行うことで、再発を防ぐこともできます。

手術の痛みはどれぐらい?

注射器-写真

粉瘤を摘出する際、痛みは麻酔をするときくらいです。局所麻酔であれば、予防注射などと同じ痛みです。ただ、切開する場所にまんべんなく注射をするため何度か痛みを感じます。そのうちに麻酔が効いてくるので痛みを感じなくなります。手術の途中でも麻酔を追加しますので、心配はいりません。

粉瘤の大きさやできた場所によって麻酔方法は変わります。切開する傷の大きさによっては全身麻酔が選択されることもあります。

入院は必要?

局所麻酔で小さな傷で摘出できる場合は日帰り手術が可能です。傷が大きかったり、その他の持病があり全身麻酔や下半身麻酔での手術となった場合は、1~数泊程度の入院が必要となるでしょう。事前の説明をしっかり聞いて確認しておきましょう。

まとめ

炎症や感染がおこると強い痛みなど苦痛を感じ、また治療においても時間を要することになります。早期の手術であれば、痛みや傷の大きさ、手術にかかる時間を最小限にすることができます。早い完治を望むのであれば、皮膚科もしくは形成外科を受診し、医師に相談することをおすすめします