子供が寝ている時に、突然歩き出したり、泣き叫んだりすることがあります。そのような夢遊病・夜驚症の時にはどのように対処したらいいのでしょうか。夢遊病や夜驚症は1回だけでなく、繰り返すことがあります。夜間突然起こっても対応に悩まないように、夢遊病・夜驚症の対処法について解説します。

目次

夢遊病夜驚症の原因

寝ていたのに突然起き出す、夢遊病と夜驚症の症状とは?」でもまとめたように、夢遊病と夜驚症の原因は分かっていません。

子供が大人へ成長していく過程で、脳の一部の機能(睡眠リズムをコントロールする働き)が未発達であることが原因ではないかと考えられています。

通常、目が覚める時には脳も体も同時に覚醒します。しかし、夢遊病や夜驚症では脳と体の同時覚醒がうまくコントロールできません。つまり、体だけは覚醒状態と同じように完全に起きているのですが、脳はうまく覚醒しきることができずに睡眠が持続している状態ではないかと考えられています。

夢遊病への対処法

「怪我をしないよう見守る」ことが第一

夢遊病の多くは、遅くとも中学生頃には自然と消失していきます。このことからも、脳の発達が十分でないことが原因と考えられています。

夜に夢遊病の症状が出現した時の対処法ですが、無理矢理覚醒を促す(起こす)必要はありません。数分~数十分で自然と夢遊病の症状はおさまり、再び寝てしまいます。夢遊病症状が出現している時にいかに怪我をしないように配慮するかが注意すべきポイントになります。その間に、危険な行動がないかを見守ることが必要になります。床につまずきそうなものを置かない、階段から落ちないように注意を払う等の対策も大切です。

他にも、危険なものは手の届きにくいところに置く、窓のカーテンを厚めのものにする など、環境をあらかじめ整えておく必要もあります。

早めに寝かしつけると対応しやすい

その他、夢遊病の対策としては早めに寝かしつけることも大切です。夢遊病は寝てから1~3時間程度で出現することが多いので、その時間に見守る大人が対応できるようにしましょう。例えば23時にお子さんが寝たと仮定すると、遅い場合には2時頃に症状が出現することが予測されます。多くの親御さんはこの時間帯には既に睡眠中であり、夢遊病症状を呈していたとしても大人がすぐに気付くことは困難なことが多いでしょう。しかし、21時に寝るようにすればおよそ23時前後に症状が出現すると考えられるので、早く寝かしつける方が対応しやすくなります。

あわせて、強い光や大きな音は夢遊病のきっかけになると言われています。できるだけ静かな落ち着いた環境で寝かせるようにしてみましょう。

夜驚症への対処法

夢遊病も夜驚症も成長とともに自然に消失していき、障害を残すことはありません。

そのため、基本的には経過をみていくだけでよく、特別な治療も必要としません。

しかし、夢遊病や夜驚症の症状を頻繁に認め、周囲の人の生活に支障を来たす場合、部屋を出て行くなどの行動を認める場合などには、小児科や小児神経科、あるいは睡眠を専門とした睡眠外来などを受診し、相談してみてください。また、学校などで宿泊のある活動(キャンプや修学旅行など)に支障を来たす場合にも相談してみるのがいいでしょう。

こんなときは病院受診を

ひまわりを抱えた子供-写真

夢遊病も夜驚症も成長とともに自然に消失していき、障害を残すことはありません。

そのため、基本的には経過をみていくだけでよく、特別な治療も必要としません。

しかし、夢遊病や夜驚症の症状を頻繁に認め、周囲の人の生活に支障を来たす場合、部屋出て行くなどの行動を認める場合などには、小児科や小児神経科、あるいは睡眠を専門とした睡眠外来などを受診し、相談してみてください。また、学校などで宿泊のある活動(キャンプや修学旅行など)に支障を来たす場合にも相談してみるのがいいでしょう。

まとめ

子供の睡眠障害で多く認める夢遊病夜驚症について解説しました。いずれも原因ははっきりしておらず、基本的には様子をみることが大切になりますが、見守る周りの大人には負担になることがあります。症状が強い場合や、症状を繰り返す場合などには無理せず、医療機関を受診し相談するようにしましょう。