尿路結石は、とても身近な病気です。特に、20~50歳代に発症し、メタボリックな男性に多いとされています。また、生活習慣病とも関わりがあると考えられています。急激な痛みが初期症状として現れやすいのが尿路結石です。今回は、尿路結石の痛みの特徴や、原因について説明していきます。気になる痛みのある方はぜひご覧いただき、早期発見につなげていきましょう。
尿路結石とは?
尿の中にあるカルシウムやシュウ酸などが、何らかの原因で結晶となり、石のように固まってしまう病気です。小さい結石であれば、尿と一緒に流れ出ます。しかし、大きくなると腎臓や尿管に結石が詰まり、放置すると腎臓に負担がかかり、水腎症となります。最悪の場合、腎機能が悪化し治療が必要となります。
近年、日本で増加している病気です。特に、男性は一生のうちで7人に1人が尿路結石症を発症するとされています(Mindsガイドラインライブラリより)。
尿路結石の原因は?
結石ができるはっきりとした原因は不明ですが、生活習慣と強い関係があるとされています。
- 肥満
- 高血圧
- 偏食
- 飲水量の不足
- 糖尿病
このほか、代謝異常や遺伝との関連なども指摘されています。
石はどこにできるの?尿路結石ができる部位とその成分
尿は、腎臓の糸球体で生成され腎杯(じんはい)腎盂(じんう)に集められ、尿管を流れ、膀胱(ぼうこう)に貯留されます。その後、尿道を通り体外に排泄されます。この尿が流れる腎杯・腎盂・尿管・膀胱・尿道を合わせて「尿路」と呼びます。尿路結石では、結石が尿路のあらゆる部位を詰まらせる可能性があります。
腎盂・腎杯・尿管に結石ができた場合、上部尿路結石症と呼び、全体の95%以上を占めます(Mindsガイドラインライブラリより)。残りは膀胱・尿管にできる下部尿路結石症です。
結石の成分
結石の成分で最も多いのはカルシウム結石で、特に上部尿路結石症では男女とも90%以上です(Mindsガイドラインライブラリより)。カルシウムはシュウ酸カルシウムとリン酸カルシウム、そしてその2つが混ざりあったものに分けられます。
下部尿路結石症ではリン酸マグネシウムアンモニウムなどの感染結石、尿酸結石の占める割合が、上部尿路結石症と比べて多くなります。
この他に非常にまれですが、シスチン結石、キサンチン結石などがあります。
尿路結石の症状は?

尿路結石では、わき腹やその後ろ側の激しい痛み・血尿・排石(尿に石が混ざること)が典型的な症状です。この中でも、初期症状である激痛をきっかけに、発見につながるケースが多くあります。
尿路結石の痛みの特徴
- 突然の激痛
- 下腹部、腰、背中のあたりが痛くなる
- 痛みと同時に、血尿・嘔吐・吐き気が現れる
- 排尿時に痛みがある(排尿時痛)
- 尿に混ざって排石されない場合、痛みが持続するが、長期になると、腎機能が低下し、尿が生成されず痛みはなくなる
痛みが無くても注意?無症状のことも
尿路結石では、結石が尿管を詰まらせることで激しい痛みが生じます。しかし、腎臓にできた結石や、膀胱内の結石の場合は、激しい痛みが生じないこともあります。
以下のような症状がある場合は、痛みがなくても注意しましょう。
まとめ
尿路結石は近年増加しており、発症する可能性の高い病気です。記事を読んで気になる症状のある方は、ぜひ受診をして早期発見に繋げましょう。