毎月毎月、生理と共に訪れる生理痛や腰痛のせいで学校や会社に行くのが辛い…。むしろこのまま引きこもりたいとお悩みの方、もしかしたらそれは月経困難症かもしれません。聞きなれない病名でピンと来ないかもしれませんが、この記事では月経困難症の症状や、病院に行った際にどのような検査を受けるのかなど、気になる点についてお話ししたいと思います。

目次

月経困難症ってなに?

月経困難症とは、月経直前から月経時に強い下腹痛や腰痛が始まり、月経期間中に日常生活を送る事が困難な状態を言います。腹痛や腰痛だけでなく、頭痛・吐き気や嘔吐・下痢などの他の症状も伴う場合もあります。月経困難症には下記の2種類に分かれます。

1.機能性月経困難症

原因となる病気がない月経困難症です。プロスタグランジンという子宮を収縮させる物質の分泌量が多いことが原因ではないかと言われています。思春期の方に多く、心理的要因が原因となっている場合もあり、年齢と共に治まっていく場合もあります。

2.器質性月経困難症

子宮内膜症や子宮筋腫など、原因となる病気がある月経困難症です。原因となる病気の治療が必要になる場合があります。

生理痛がひどい人は若い人ほど多い!

生理痛がひどいことで日常生活が困難になる月経困難症ですが、どれくらいの人がひどい生理痛に悩まされているのでしょうか?

生理痛で鎮痛薬を必要としたり、会社や学校を休まなければならないくらいひどい生理痛になる女性は、16~50歳未満の方1,906人を対象にした調査で28.6%でした(日本産婦人科学会より)。

どんな症状が月経困難症と言えるのでしょうか?下記のような状態の方は、月経困難症だけでなく治療が必要な婦人科の病気も疑われる状態ですので、婦人科の受診をおすすめします。(*6~12は月経困難症の症状ではありません)

  1. 生理痛がひどく、学校や会社を休むなど日常生活にも支障がある
  2. 生理のとき鎮痛薬がいつも必要になる
  3. 市販の鎮痛薬が効かないくらい痛い
  4. 生理痛の痛みがだんだん増してきている
  5. 生理痛で起き上がれないことがある
  6. 生理の時以外にも、下腹部や腰に痛みを感じる
  7. 生理期間に頭痛や吐き気がある
  8. 排便のときやセックスのときに痛みがある
  9. 生理の出血量が多いと感じる
  10. 出血のとき血のかたまりが出る
  11. 生理の期間が長い
  12. 生理ではないときに出血がある

婦人科でどんな検査を受けるの?

婦人科では、まず問診票に必要事項を記入して診察を待ちます。問診票には最終の生理がいつから何日間あったかや、初潮は何歳か、どんな症状がいつからあるのかなどを記載する必要があるため、事前にメモに記入するなどして整理しておくとスムーズに問診票が書けると思います

診察室に入るとまず、婦人科の先生から問診票を見ながら、症状の程度や期間など詳しく問診されます。問診後、お腹の上から触って子宮や卵巣の状態を診る触診や、内診室で内診や超音波検査を受ける場合があります

内診を受けたことのない方には未知の領域かと思いますが、ショーツを脱いだ状態(下半身のみ裸)で内診台というソファのような椅子に座り診察を受けます。内診台は後ろにゆっくり倒れつつ足を乗せた台が開いていきますが、大抵の内診室は患者さんと先生の間にカーテンがひかれているので顔が見えることはありません。あとはその状態で先生が診察や検査を終えるのを待ちます。

終わると内診台が最初の状態に戻りますので、服を着て診察室にて診察結果や今後の治療方針についての話があります。性交経験がなく内診が難しいと思われる方は、問診の際に先生に相談してみましょう。月経困難症の診断に超音波検査は必須ですが、内診ができない場合お腹の上からや肛門から超音波検査を行うことが可能です。

まとめ

生理痛は個人差があり、全く痛みを感じない人もいるため、生理痛を訴えても分かってもらえないこともあります。もし我慢してそのまま毎月耐えている方がいらっしゃいましたら、すぐ婦人科を受診するようにしましょう。ひどい月経痛は招待の内膜症発生リスクを高めるということが指摘されています。早めにピルなどによる治療を開始することで、今まだ発生していない内膜症を予防することにも繋がります。

子宮内膜症などの病気が原因の月経困難症であると分かっても、早期に治療を開始することで手術を受けなくてもよくなったり、将来的な不妊のリスクを減らすことができます。