腹痛を伴う便秘には、一過性と慢性の便秘があります。排便後に腹痛が解消される場合には、あまり問題となりませんが、一過性であっても激しい腹痛があったり、発熱や冷汗の出現、便に血が混ざったりする時には、命を奪う病気が隠れている場合がありますので、一度病院を受診することをおすすめします。今回は、軽い腹痛と便秘の場合に自分でできる対処法について解説します。
腹痛を解消するにはこの3つの方法!
軽い腹痛を改善したい場合には、以下の方法を試してください。
安楽な姿勢を保つ
腹部を締め付けている衣類は緩め、足を曲げて腹部の緊張を取る姿勢になりましょう。
ゆっくりと深呼吸をすると、リラックスしお腹の痛みが和らぎます。
お腹を温めてみる
一般的に温める方法(温罨法:おんあんぽう)は筋緊張を和らげ、痛みが楽になります。
温湿布・カイロ・湯たんぽなどで簡単に効果を得られますが、すぐにそれらを用意できない場合には、フェイスタオルを熱いお湯につけ、しっかりと水分を絞り、ポリ袋にそのタオルを入れお腹に当てるだけでも、痛みが和らぎます。その際には火傷はしない様に注意してくださいね。
お湯の温度は、素手でタオルを絞れるくらいで構いません。
ただし、虫垂炎や腹膜炎など急性疾患の場合の温罨法は、病状を悪化させてしまう危険性がありますので、逆に禁忌となります。強い痛みがあったり、痛みが時間の経過とともに移動したりという場合には、速やかに受診してください。
お腹をマッサージする
仰向けに寝て、膝を90度程度に曲げ、腹部の緊張を取った上で、反時計回りで「の」の字をかくようにマッサージします。
「手当て」という言葉は、痛みや辛い部分に直接手を当てて治すという所から来ています。「の」の字のマッサージも、直接自分の手をお腹に当てて行うことで手の温かさが伝わり、さらに効果が得られやすいです。
便秘を解消するにはこの5つの方法!

食生活を見直す
私達の周りには、様々な情報がたくさんあり、何が便秘に有効なのかは調べればすぐ分かります。
しかし、いくら良いと言われても「嫌いな食材」であったり、「調理するのが面倒」であれば、いつまで経っても見直すことができません。
そこで食生活を見直すポイントは、以下のようなものがあります。
- 同じ物ばかり食べない(食物繊維が良いからと言ってそればかりだと栄養が偏ります)
- 過度なダイエットはしない
- 出来る限り、まんべんなく色々な食材を食べる
- 発酵食品を取り入れる
- 暴飲暴食はしない
- 腎臓、心疾患がない方は水分をこまめに飲む
生活習慣を見直す
しっかりと水分補給をすることが大切です。特に朝食後には蠕動運動がおこり、便意を催しやすいとされているため、朝の起床時にコップ1杯の水を飲むとよいでしょう。
また、便意が無い時でも毎日決まった時間にトイレに行く習慣を付けると、便秘を防ぐことができます。逆に便意があった時には、我慢しないでトイレに行くとことも大切です。
ストレスや不規則な生活、暴飲暴食は自律神経を乱れさせ便秘の原因となりますので、生活習慣を見直しましょう。
薬の乱用はしない
薬剤の使用は最後の手段としましょう。
薬物の乱用は排便反射を麻痺させます。
適度な運動をする
負担にならない程度の軽い運動を行い、腸管を刺激しましょう。
運動不足は血行不良を起こす上に、筋力低下も招いてしまいます。
適度な運動や腹部のマッサージなどを取り入れ、腸蠕動運動(ちょうぜんどううんどう)を促進させましょう。
姿勢を正す
猫背は、本人にとって楽な姿勢かもしれませんが、内臓を圧迫する姿勢です。
猫背の方は下腹部が「ポッコリ」と出てしまい、見た目も実年齢より老けて見えます。背筋を伸ばすだけでも、内臓の負担を軽減でき、腸蠕動運動を促進させる事ができます。
まとめ
腹痛を伴う便秘は、ビジネスシーンなどでは特に辛い状態といえます。
普段から生活や食習慣を、見直し改善を図っていても消化管はストレスに弱い臓器ですので、強い緊張や不安、興奮などで容易に腹痛や便秘を引き起こしてしまう場合があります。
上記はあくまでも、軽い腹痛を伴う便秘への対処法です。いつもとは違う激しい腹痛や便に血液が混じった時などは、内科・消化器科・腹部外科などを受診しましょう。