近くや遠くが見づらくなってきたり、掛けている眼鏡がなんとなく合わないように感じてきたり…。眼鏡やコンタクトレンズを作ろうと思ったとき、眼科へ行きますか?それとも街の眼鏡屋さんに行きますか?

眼鏡作りの際には、眼科を受診するようにしましょう。その理由をご説明します。

目次

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「視力が落ちた」のが正常か異常かのチェックを

視力低下を感じた時、最も多いのは、近視老眼の進行です。しかし、眼の病気によって気づかぬうちに視力が低下している可能性もあるので、まずは眼に異常がないかどうかを確認するために眼科を受診しましょう

視力検査などは法律的に医療施設でなければ行えないので、眼鏡店で行うのは基本的にどれだけ度数が必要かを確認するための検査で、新たな測定をすることはできません。「眼鏡をかければ見える」だけで済めばよいのですが、そうでない場合や眼の病気が関係している場合は深刻です。

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眼科での検査方法は?

眼科では問診や検査で視力低下の原因と対応を考えます。見え方だけでなく、視力低下に眼の病気が潜んでいないかなどを調べるために、通常は以下のような検査をします。

視力検査

視力がどこまで出るか、能力最大の視力はいくらかを調べます。あわせてその視力を得るために、どれだけの度数が必要かもみます。

これは通常の眼鏡やコンタクトレンズ(コンタクト)の度数に比べると度数が強いことが多いので、眼鏡やコンタクトに対しては実用性や快適性を考えて調整します。ライフスタイルも違えば、見たいところも違うため、一人ひとり、必要な度数も千差万別です。

眼圧検査

眼の張り「眼圧」を測ります。眼圧が高いと、緑内障や高眼圧症の可能性があります。

調節検査 眼位検査など

スマートフォンなどを近くで長時間凝視する、夜に寝ながら操作するなどの行動を続けた時に、急に近視が進行したり、片眼だけ近視が進行したり、だぶりを感じることがあります。これはピントを合わせる筋肉の緊張や、眼を寄せる筋肉をつかさどる神経の不調によって起こると言われています。

正しい診断と治療をせずに、見せかけの近視に合わせて眼鏡、コンタクトの度数を合わせると、更に眼に負担をかける恐れがあります。

前眼部検査

角膜(ひとみ)や結膜(しろめ)に傷や炎症がないか、虹彩(茶目)に炎症がないか、水晶体が濁って白内障になっていないか、などを調べます。前眼部に問題があると、これも視力低下の原因になります。

眼底検査

眼底(光信号を受け取る場所)に異常がないかを調べる検査です。緑内障や黄斑疾患、出血やむくみ、眼内の濁りなどがあると、これもまた、視力低下の原因になります。

 

眼圧検査、前眼部検査、眼底検査などは眼科でしか行うことができません。これらを行うことで初めて眼鏡を作れば良いか、どのような眼鏡が良いかがわかるのです。

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眼鏡店では?

眼鏡店でも眼科での視力測定と同じようなことを行いますが、それはあくまでも眼鏡を選ぶための検査です。従って、なかなか視力を出せなくてもその原因はわからないまま眼鏡を作る事になってしまうこともあります。斜視などに気づかなかったり度数が強すぎたりすると、長時間使ううちに気持ちが悪くなったり眼精疲労による頭痛に悩まされたりすることさえあります。

特に近視が現れて初めて眼鏡を作る子供や、持っている眼鏡が合わないために作り替えたい方、コンタクトから眼鏡に切り替える方などは、安易に眼鏡店での検眼だけで眼鏡を作らないように注意が必要です。

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眼鏡作成時は、良い眼鏡店で、良い検査員に調整してもらいましょう

眼鏡やコンタクトを作るときは、機器の検査だけでなく問診などを行い、一人ひとりのニーズや生活環境を聞いた上でレンズを処方する必要があります。能力限度一杯の度数では使っているうちに疲れてくることがしばしばあります。また視力検査では左右の差は考慮していませんので、そのままでは違和感を生じることもあります。眼鏡処方では近視や乱視など全体をバランス良く長時間使えることを考えて案配をするのです。ここが処方箋を作るコツになります。

眼鏡の処方箋ができた後が眼鏡店の腕の見せ所です。眼科で何も問題がなく、眼鏡の処方箋を受け取った後、安さを追及した眼鏡店で購入して結局使えなかったという方が多くみられます。

人間の体は左右対称ではありません。耳と眼鏡のツルの形がうまく合っていないと頭痛を来しやすいですし、鼻当ての部位の調整がうまくいかないと、眼鏡がずり落ちてしまったり、反対に眼鏡のレンズが眼に近すぎて、見たいところがうまく見えなかったりするということも起こります。

眼鏡を買うときに注意したいのが、保証がついているかです。特に眼鏡を作った後に度数が変わった場合、無償で交換できるのは何か月までかなど、詳しく確認しましょう。

コンタクトレンズを使うときの注意

コンタクトには大きく分けるとハードコンタクトレンズ(ハードレンズ)とソフトコンタクトレンズ(ソフトレンズ)があります。

ハードレンズ

  • レンズは角膜よりも小さくて硬い
  • 角膜にとって大切な酸素を良く通す
  • 乱視が強くても、比較的シャープに見える
  • 異物感が強く、使い慣れるのに時間がかかる
  • ずれやすいのでスポーツをする人には向かない
  • 傷や角膜感染症などが起こったとき、痛みが出るので病気が軽いうちに治療できる

ソフトレンズ

  • レンズは角膜よりも大きくて柔らかい
  • 入れ心地が良いので使い始めた日から使いやすい
  • 乱視が強いと、装用しても見えづらい
  • 汚れやすく菌がつきやすい。アレルギー性結膜炎も起こしやすい
  • 汚れやすいので使える期間が短い
  • 角膜感染症などが起こったとき、気づきにくく、病気が酷くなりやすい

ハードレンズ・ソフトレンズ両方とも、誰もがいつでも装着できるわけではなく、眼に病気がある人は使えません。正しく使っているつもりでも汚れが溜まっていたり、長い間使っているうちに眼の病気にかかっていることに気づかなかったりすることもあります。

特にソフトレンズでは、傷や角膜潰瘍などの角膜感染症が生じたとき、最初のうちはコンタクトを装用するとむしろ痛みが減る現象があります。これがかえって徒となり、無理をして装用を続け本当に痛くなって眼科を受診した時には病気が進んでいて失明に至ることもあります。視力が出ないだけではなく、黒目が白く残ったりして美容的にも後悔することになるでしょう。

将来に残るような合併症を避けるためにも、定期的に眼科で眼の検診を受けることが大切です。コンタクトは眼に直接載せる一種の異物です。ゴミが入っただけでも痛い眼に使うのですから充分に気遣いをすることは当然です。ソフトレンズの期限を越えて使用することは眼をいじめていることに他なりません。

コンタクトを快適に使っている人も、いざ眼にトラブルが起こったら頼れるのは眼鏡だけです。コンタクトで不便が無くても、万一に備え眼鏡はきちんと作りましょう。コンタクトという異物から眼を休めるためにも、週に1日はコンタクトをやめて眼鏡にしましょう。

まとめ

眼鏡もコンタクトも、視力を矯正するために必要ですが、間違った度数や形で、かえって眼へ負担をかけることもあります。自分に合った眼鏡やコンタクトを選ぶことで眼の負担を減らし、安全で快適な生活を送って下さい。