ネックレスや指輪など、ある特定の金属を身につけると、赤くなってしまったりボツボツとできものが出てしまったり。そんな経験ありませんか?それは金属アレルギーの可能性があります。ネックレスや指輪などの装飾品は気を付けていても、歯科治療で使う金属にもアレルギー反応を起こす人は多いようです。そこで今回は金属アレルギーがどのようなものなのか詳しくご説明していきます

目次

金属アレルギーとは?

金属アレルギーとは

人の体には外から入ってくる病原体を排除するための機構として免疫反応と呼ばれる防御機構があります。

アレルギーとはその反応が過度になり自分の体に障害や疾患を引き起こすことを言います。そしてそのアレルギー反応が金属により現れてしまう事を金属アレルギーと呼びます。

金属アレルギーの分類

金属アレルギーはⅠ型~Ⅴ型アレルギーまで分類されているアレルギー反応の中でⅣ型のアレルギーに分類されます

アレルギーで有名なⅠ型アレルギーのアナフィラキシー反応では、抗原(アレルギーを起こす物)との接触後すぐにアレルギー反応が起こります。しかしⅣ型の遅延型アレルギーなどとも呼ばれるアレルギー反応では発現するまでの時間が長くかかります。

金属アレルギーの他にⅣ型のアレルギーとしては、ツベルクリン反応や接触性皮膚炎などがあります。

金属アレルギーの症状

金属アレルギーでは皮膚炎や掌蹠膿疱症、口腔扁平苔癬、尋常性乾癬、湿疹などが出ることが報告されています。歯科用金属が原因で口内炎や口角炎が頻繁に繰り返す場合もあります。

さらに金属アレルギーでは金属との接触している部位に限局して症状が現れる訳ではなく、別の部位に現れることもしばしあります。歯科用金属では口腔領域に次いで、手、足に症状が現れることが多くなっています。

金属アレルギーを起こしやすい金属

金属にはアレルギーを起こしやすい金属と起こしにくい金属があります。

金やプラチナ、チタンなどは科学的に安定しているためアレルギーを起こしにくい金属とされています。特にチタンはインプラントなどの材料としても用いられている金属です。

これに対してニッケルや鉛、カドミウム、水銀などはアレルギーを起こす可能性の高い金属として挙げられます。歯科で使われる金属としては金銀パラジウム合金と呼ばれる金属が最も多いですが、この金属には少ない量ながらスズや亜鉛などの比較的アレルギーを起こしやすい金属も含まれています。

また、最近は使われなくなってきましたがアマルガムと呼ばれる水銀を用いた金属も使用されている場合がありますので注意が必要です。

医師と看護師

最後に

金属アレルギーは遅延型アレルギーですので、歯科治療などで金属を着けてすぐには症状は現れません。ある日、突然症状が現れる可能性があります。さらに口の中だけでなく手足や体全体に発疹が出現することもあります。

何科に行けば良いのか解らない方もいると思いますが、装飾品などでの金属アレルギーでは皮膚科を受診してください。口腔内の金属が原因と考えられる場合には歯科を受診してください。その他、皮膚症状の原因が分からない場合にはまず皮膚科を受診することをお勧めいたします。