春先になると鼻がムズムズ、くしゃみが止まらない…辛い花粉症の時期がやってきましたね。この時期にくしゃみや鼻水に悩む人は多いと思います。今回は花粉症の対策や治療法にどのようなものがあるのか、分かりやすく解説します。

目次

hay-fever

メガネやマスクでの対策

花粉症対策グッズ
花粉症は体の中に入ってきた花粉を体内の免疫細胞が異物と認識し、その異物を外に出そうとしてくしゃみや鼻水が出てしまう病気です。そのため、花粉症の症状を起こさないためには花粉を体内に入れないことが最も重要です。そのため花粉症の症状が軽い・重いにかかわらず、花粉症の時期が来たら必ずマスクやメガネで鼻や口を守りましょう。

体内に入る花粉の量は花粉症用のマスクでは約6分の1、メガネで約4分の1まで減らせるというデータがあります(厚生労働省より)。マスクはすき間がなく、顔に密着できるサイズを選びましょう。

そのほかスプレーやジェルなど様々な対策グッズが売られていますが、実際にどれだけ効果があるかは明らかになっていません。注意して選ぶ必要があります。

この対策が向いている人

  • 花粉症の人は全員

メリット

  • 手軽に実践できる
  • ある程度花粉を体内に取り込むのを防げる

デメリット

  • 花粉全てから身を守れるわけではない
  • 減らせる花粉の量に限界がある

薬による治療

花粉症に効く薬として、以下のようなものがあります。経口薬、目の症状なら点眼薬、鼻の症状なら点鼻薬などのように使い分けます。経口薬には錠剤、カプセルなど様々なタイプがあります。

薬はあくまでも現在起こっている症状を和らげる対症療法であり、根本的に花粉症を治す治療法ではありません。

ケミカルメディエータ―遊離抑制薬

症状を引き起こす原因となる物質(ヒスタミン、ロイコトリエン)の放出を抑えます。効果が出るまでに2週間程度かかるので、早めに服用を開始する必要があります。経口薬、点鼻薬、点眼薬で治療します。

抗ヒスタミン薬

くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどを引き起こすヒスタミンが神経に作用するのを防ぎます。副作用として眠気、倦怠感、口の渇きなどがあります。最近では副作用の少ないタイプの薬も出てきています。剤型には経口薬、点鼻薬、点眼薬があります。

抗ロイコトリエン薬

鼻づまりの原因となるロイコトリエンが放出されるのをブロックします。経口薬を服用します。抗ヒスタミン薬とともに飲むと効果的です。

ステロイド薬

炎症反応を抑える薬です。薬の作用が強いため、主に症状がひどいときに使います。経口薬は全身に副作用を及ぼす可能性がありますが、点鼻薬など局所に効果がある種類は全身への副作用の影響は少ないです。

 

薬は間違った使い方をすると効果が出ないどころか副作用が出てしまうことがあ ります。医師や薬剤師の服薬指導を受けましょう。

しかし、これらの薬はくしゃみや鼻水など、現在起こっている症状を和らげる対症療法であることです。根本的に花粉症を治す治療法ではない点に注意しましょう。

この治療が向いている人

  • 現在花粉症の症状に苦しんでいる人
  • 症状が強くて日常生活に支障が出ている人

メリット

  • 花粉症の症状が出ているときに使うと、症状が緩和される

デメリット

  • 副作用の恐れがある
  • 花粉症を根本的に治すことはできない

花粉症を根本から改善する治療法

現在、花粉症の根治療法として皮下免疫療法、舌下免疫療法の2つがあります。

皮下免疫療法

濃度が薄い花粉エキスを皮膚に注射し、その濃度を段階的に上げていって免疫を獲得していく方法です。花粉症の症状が出る3カ月前から取り組み、2年以上続けていきます。副作用の心配、注射の痛みや気軽に取り組めるものではないのが難点です。

舌下免疫療法

舌下に花粉エキスを垂らし、2分間そのままの状態にしてその後飲みます。毎日(3年以上)繰り返して免疫を獲得していきます。皮下免疫療法よりも高い効果があると分かっています。副作用も舌下免疫療法はリスクが低いです。

この治療法が向いている人

  • 薬だけでは症状が治まらない人
  • 毎年花粉症で悩まされている人

メリット

  • 花粉症を根本から改善できる可能性がある

デメリット

  • 12歳未満の子どもはこの治療を受けられない
  • 最低でも2年以上続けなくてはならない
  • 現在の花粉症の症状を緩和してくれるわけではない

最後に

花粉症の対策や治療には様々なものがあり、さらに最近では舌下免疫療法のように根本的に花粉症を治す可能性がある方法まで出ています。自分が取り組みたい治療法を見つけて、花粉症と向き合っていきましょう。