冷蔵庫の氷をつまむのがやめられない、土が食べたくなる…。こんな症状を経験した、もしくは現在も身に覚えのある方はいらっしゃるでしょうか?
氷、土、ティッシュ…こういった栄養のない・食べものでないものをついつい食べてしまうのは「異食症」と呼ばれる病気の可能性があります。
今回は異食症について、症状や原因などをご説明致します。
異食症とは?
習慣的に食べ物ではないものを食べてしまうのが「異食症」です。
塗装片、紙、チョーク、ベビーパウダー、洗濯用のり、髪の毛、氷、泥など栄養のないものなどが異食症の対象とされています。
特に氷をやたらと食べる症状は「氷食症」と呼ばれています。食べたものに毒性があったり、胃腸を傷つけることがあれば、身体にも害を及ぼす可能性があります。
異食症が現れやすい人は?
小児期、10代の若者、成人のいずれの年齢でも発症することがあります。妊娠をしている女性が異食を起こすことがあります。
異食症の原因は何?
原因は詳しくは解明されていません。
ただ、鉄欠乏性貧血が影響しているのではないかと考えられています。
鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの材料となる鉄分の欠乏によって起こるのですが、
- 栄養素の不足
- 貧血による食べものの好みの変化
- 脳の酸欠状態による自律神経機能の乱れ
といった理由で異食症を引き起こすと言われています。
特に氷食症の場合には貧血になると口の中の温度が高くなるため、冷たいものを求めて氷を食べてしまうようなことも考えられています。
その他、知的能力障害、自閉スペクトラム症や認知症などの関連性も指摘されています。
どのような時に異食症と診断される?

- 少なくとも1か月間にわたり、食べ物ではないものを持続して食べている
- 異食症を発症している人の発達水準からみて不適切である
(例えば3歳以下の子どもであれば食べ物ではない様々なものを口に入れたり食べたりしますが、10代の若者や成人が同じことをすると普通ではないということになります)
- 食べ物ではないものを食べる行動が、文化的に許される慣習の一部ではない
など、一時的な症状ではないこと、その方が何でも口に入れてしまう年齢でないこと、異食をする理由になるような文化的な背景がないことが挙げられます。
異食症を疑ったらどうする?
お近くの病院で貧血の検査を受けても良いかもしれません。貧血の検査はわずかな採血量から調べることができます。
また、貧血であれば鉄分・ビタミンB12・葉酸など、必要な栄養素を食事で摂るなど、治療による改善が見込めます。
貧血の治療法について、詳しくは「特に女性は要注意。貧血の原因と治療方法まとめ」の記事も併せてご覧ください。
まとめ
食べ物ではないものを食べてしまう、また、寒くなる時期でも氷をやたらに食べる人がいれば、一度「異食症」や「貧血」を疑って、まずは検査を受けてみましょう。
貧血が原因だった場合には、治療をすることができます。