食品アレルギーは子供だけに起こるものと間違えられやすいですが、大人でも起こることがあります。今まで大丈夫だった食べ物が、ある日を境に突然食べられなくなってしまうことも。アレルギーの症状は人それぞれで、かゆみや湿疹などの軽いものから、呼吸器や消化器に重い症状が見られる場合もあり軽視できません。アレルギーを起こしやすい食品を知り、いざというときのために備えておきましょう。
食品アレルギーとはどういうもの?症状は?
食品アレルギーは、原因となる食品を摂ることで起こる、免疫反応による過敏症です。体の中に異物が入ってくると、これに対し防御しようとする働きが起こり、抗体が作られます。予防接種はこの免疫反応を利用して免疫を作るもので、良い方に働けば病気の予防に役立ちます。しかし、アレルギーを持つ人は、体が過敏な反応をしてしまい、さまざまなアレルギーの症状が現れてしまうことがあります。
食品アレルギーの症状
- 皮膚症状…じんましん、かゆみ、赤み
- 粘膜症状…口内・目が赤く腫れる
- 呼吸器症状…咳、呼吸困難
- 消化器症状…腹痛、嘔吐、下痢
まれにアナフィラキシーショックという激しい症状により、生命に関わることもあります。
食品アレルギーとなりやすい食品とは?

食品アレルギーは、消化・吸収の未熟な乳幼児に多く見られます。この時期の主なアレルゲンは鶏卵と牛乳です。成長に伴い、消化機能が発達するので、自然と治ることが多いとされています。
また、成人では、甲殻類、果物、小麦、魚介類などによって突然アレルギー反応を起こすことがあります。
食品アレルギーを持つ人が、アレルゲンを摂取しないためには、情報が必要となります。厚生労働省では、アレルギーを起こしやすい食品を原材料として含む場合には、商品に表示を行うよう、義務表示と推奨表示に分けて次のように決めています。
表示義務のある食品(7品目)
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
推奨されている食品(20品目)
あわび、いか、いくら、オレン ジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、ゴマ、カシューナッツ
隠れアレルゲンに気をつけて!
現在は、表示が義務付けされている7品目に由来した(または含んでいる)添加物についてもアレルギー物質を記載することになっており、複雑化しています。間違いやすい原材料名についてまとめました。
レシチン | 卵由来・大豆由来のものがあります。 卵アレルギーの人は、(卵由来)と書かれているものは気を付けましょう。 |
卵殻カルシウム | 食品への使用量は微量ですが、卵の殻を使用しています。 |
ホエイ | 牛乳を加熱した時にできる薄い膜です。 |
カゼイン | パンやお菓子、アイスクリーム、ソーセージなどに 使用されていることがあります。 牛乳に含まれているたんぱく質です。 |
乳糖 | 牛乳に含まれている糖類です。 |
乳化剤 | 卵黄・大豆・牛脂から作られるので、 牛乳アレルギーの人のアレルゲンとはなりません。 |
乳酸菌 | ヨーグルトや乳製品の発酵に使用されるものですが、 菌自体は乳とは関係ありません。 |
カカオバター | 牛乳から作られるバターとは違うので、 乳アレルギーの人でも食べることができます。 |
グルテン | 小麦から作られるたんぱく質の一種です。 パンを膨らませるのに使われます。 米粉100%のパンでも、グルテンを使っていることがあるので要注意です。 |
デュラムセモリナ | パスタの原料となる小麦です。 |
麦芽糖 | 麦とありますが、とうもろこしやジャガイモのでんぷんを 主原料としていますので、小麦アレルギーの人でも食べられます。 |
増粘剤 | ソースや焼肉のタレに使われています。 ゼラチンを使用していることがあります。 |
牛乳や卵そのものを食べていなくても、これらが含まれるお菓子や加工品が原因となったり、魚介のエキスなど見落としがちなものもあるので注意が必要です。また、製造側のミスで表示が欠けていたり、購入する人の確認不足によって、アレルギーが起きてしまった事例もあります。
特に、米粉パンにおけるグルテンの使用による事故が多く、必ずしも「米粉だから安心」ということにはならないということを知っておきましょう。食品アレルギーがある人は、必ず成分表示を確認してから選び、不安な場合は医師や製造者に確認してから口にするようにしてくださいね。
まとめ
アレルギーを起こしやすい食品と、間違いやすく注意が必要な添加物についてまとめました。アレルゲンの表示は、発症数や重篤度によって決められていますが、表示されていな食品でも起こる場合もあります。時には重大な問題となることもある食品アレルギー。普段から知識を高めておくことで、自分や家族、友達のために、役に立つ日がくるかもしれません。