最近どうも体調が優れず、首のあたりに腫れとしこりのようなものを発見して病院に行ったら…診断名は、「悪性リンパ腫」。「悪性リンパ腫って、血液のがんと言われているアレ?まさか自分が!?治るのだろうか…」と心配になってしまうことと思います。どの病気でも、病気になってしまった時はショックですし、とてつもなく不安になるものですよね。
「悪性リンパ腫」は、近年の技術等の進歩により、高い確率で治癒させられる患者さんが増えてきています。また、一般的には肺がん・胃がん・乳がん・大腸がんなどの固形がんよりも良い治療成績が得られていますので、前向きな気持ちで戦っていきましょう。
ここでは、「悪性リンパ腫」の症状と治療法について解説していきます。「首のあたりが腫れてる…もしかして悪性リンパ腫?」の記事も合わせてご覧ください。
悪性リンパ腫の症状
悪性リンパ腫で最も多い症状は、リンパ節の腫れ・しこりです。
リンパ節は全身に多数存在しますが、特に首やわきの下・股の付け根のリンパ節に腫れやしこりが見られます。
悪性リンパ腫では痛みがないことが多く、異常に気付かず進行してしまうケースがあるので注意が必要です。
他にも、次のような症状が出ることがあります。
まれに腫瘍が急速に大きくなることにより、痛みや発熱などを伴うこともあります。
また、がんに変異したリンパ球が全身を巡るため、それにより全身倦怠感・体重減少・寝汗・かゆみなどの全身症状が出ることもあります。
風邪を引いた時にもリンパ節が腫れることは良くありますね。しかし、数週間経ってもリンパ節が腫れ続けたり、痛みのないしこりがあるような場合は、念の為医療機関にかかり診てもらいましょう。
悪性リンパ腫の治療

悪性リンパ腫は大きく分けて、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫という2つの型があり、その治療方針は、病型と病気の広がりにあわせて決定されます。治療法としては次のようなものがあります。
1.放射線療法
病気のある部位にX線を照射し、それががん細胞にあたるとがん細胞を壊すエネルギーに変わります。がんが一部に留まっているようなときや、化学療法後に行うことがあります。
2.化学療法(抗がん剤)
抗がん剤を経口(内服薬)、あるいは静脈内投与することによって、高い効果を期待できますし、治癒する可能性があります。リンパ腫の種類によって治療法が大きく異なります。
3.生物学的製剤
リンパ腫の種類によっては、リツキサンと呼ばれる薬剤を従来治療と併用するようになってきており、治療効果が格段に上がりました。直接がん細胞を攻撃したり、元々体内に備わっている別の免疫機能を介してがん細胞を死滅させたりしてくれます。
4.造血幹細胞移植
標準的な抗がん剤治療や放射線治療を行っても再発する可能性が高いと判断された場合、大量の抗がん剤投与や放射線照射を行うことがあります。そうすると、血液を作る能力まで破壊されてしまいます。
血液を正常な状態に回復させるため、ご自身やドナーから血液のもととなる細胞(=造血幹細胞)を移植するという方法です。
5.経過観察
ゆっくり進行する型のリンパ腫の場合、無症状のまま何年も経過する場合があります。そのため、「悪性リンパ腫」と診断がついてもすぐに治療を始めず、定期的な診察で状況をみていくこともあります。
症状が出てから治療を行うという選択です。
このように複数の治療法があり、状況によって組み合わせて行われます。
まとめ
がんというと不安な気持ちになってしまうかと思いますが、種類によっては経過観察になることもあるとは意外ですね。
固形がんよりも良い治療成績が得られている「悪性リンパ腫」。しかし、何事もやはり早期発見・早期治療が大切です。日頃から、ご自分の体の状態を把握して、何か変化があったら早めに医療機関にかかる癖をつけておきましょう。
気軽に相談できるかかりつけ医を見つけて置くのも大切なことです。