なんとなく「だるい」と感じることは、誰にとっても珍しくない症状です。「昨日遅くまで頑張りすぎちゃったかな」「最近、人間関係でストレスが溜まっているからかな」など、そのだるさの心当たりがある場合もあるでしょうし、あるいは理由も分からないけれどとにかくだるい日もあるかもしれませんね。いずれにせよ、その倦怠感が続く場合は、身体が何らかのSOSを出しているのかもしれません。今回は、「だるさ」の原因としてどんなことが考えられるかを解説します。

目次

だるさを招く9つの原因

疲れ(生理的疲労)

だるさの原因として最も多く見られるのは、肉体的あるいは精神的な「疲れ」です。仕事だけでなく、人間関係から来るストレス、結婚・引っ越し・転職など環境の変化などもだるさを引き起こす原因となることがあります。休めば回復する疲れのことを「生理的疲労」といいますが、原因が分からなかったり、休んでも回復しなかったりする場合は下記のような病気を疑います。

感染症

風邪やインフルエンザにかかったときに、発熱やだるさを感じた経験がある方は多いのではないでしょうか。鼻づまりや喉の不快感、といった呼吸器の症状から始まり、だるさ以外にも寒気や頭痛などを伴う場合は風邪を疑います。

結核や心内膜炎といった細菌感染症肝炎などのウイルス感染症でも倦怠感を生じます。特に急性肝炎では、横になっていても辛くなる程の強い倦怠感に見舞われることがあります。

慢性炎症性疾患

様々な臓器で慢性的に炎症が起こる病気でも、症状の一つとして倦怠感がみられます。慢性肝炎(肝硬変が発生するまで症状が出ないこともあります)、様々な臓器に肉芽腫が生じる難病・サルコイドーシスなどが挙げられます。

神経・筋肉の病気

脳や脊髄・視神経などに異常が起こる多発性硬化症、自己免疫異常が原因で手足に力が入らなくなる重症筋無力症などの神経疾患でも、倦怠感が生じます。

内分泌・代謝の異常

糖尿病甲状腺機能低下症のほか、内分泌系の病気でも倦怠感はみられます。特に糖尿病の場合、進行すると異常に喉が渇くなどの症状もみられます。

閉経前後の女性にみられる更年期障害も、ホルモンバランスの変化によってだるさを引き起こすことがあります。

水・電解質の異常

嘔吐下痢による脱水などで体内の水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)のバランスが崩れたり、高カリウム血症・低カリウム血症・低ナトリウム血症など血液中のミネラルの異常が起こったりすると、脱力感やだるさの原因となることがあります。水分または電解質のどちらか一方が足りていない状態です。

様々な臓器の慢性疾患や悪性腫瘍(がん)

呼吸器や心臓、腎臓、肝臓、消化器官などに異常が起こると、それが疲労感や倦怠感の原因となる場合があります。慢性疾患の初期は自覚症状がないことも多いため、健康診断をきちんと受けておくことが大切といえます。

また、倦怠感の原因となり得る病気で最も重篤なのは悪性腫瘍(がん)です。ただし、がん患者さんにどうして倦怠感が起こるのか、そのメカニズムはよく分かっていません。

精神疾患

うつ病なども、精神的な病気もだるさを招く原因となり得ます。頭痛や腰痛など、身体の症状が伴うこともあるため、身体の不調と思い込んでしまう場合もあります。

心身症

心身症は「心の病気」と思う方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。心の状態(ストレスなど)に強く影響を受けた身体の病気をさします。基本は身体の病気で、検査を行うと、胃潰瘍気管支喘息など、明らかに身体に異常がみられることもあります。

治療においては、身体の症状の治療と、心の問題との両方に目を配る必要があります。ストレスを取り除くために、心理療法や薬による治療を行う場合もあります。

「あまりにもだるいな」と思ったら、無理せず受診を

倦怠感を訴えて受診する患者さんのうち20%程度は生理的疲労が原因、30-40%は精神的疲労が原因、残りの30-40%には身体の病気が隠れているといいます(内科診断学 p.227より)。中でも、全身のだるさが2週間以上続く場合、何らかの身体の病気が原因となっていることが多いようです。だるさがなかなか取れない場合、「単なる疲れが原因だろう」と思わず、まずはかかりつけ医に相談してみることをおすすめします。

受診の際に、医師に伝えてほしい5つのこと

患者と向き合う医師
全身のだるさで医療機関を受診する場合、検査の前に、まずは医師による問診が行われます。問診の際は、できるだけ正確に自分の症状を医師に伝えるようにしましょう。

特に聞かれやすい項目を下記にまとめるので、参考にしてください。

  1. いつからどのくらい症状が出ているか
  2. 時間による変化はあるか(「起きた直後が最もつらい」「昼間は比較的落ち着いている」など)
  3. 症状は急に始まったか、徐々に始まったか
  4. きっかけに心当たりはあるか(仕事やストレスなど)
  5. だるさ以外の症状はあるか

最後に

だるさそのものに対して、緊急の対処が必要になるケースはそう多くありません。とはいえ、倦怠感が長く続くようであれば、仕事や日常生活に支障が出て来るケースもあることでしょう。不安や辛さが大きいようであれば、無理をせず、早めにかかりつけ医に相談してくださいね。