熱中症になる危険があるのは、炎天下の屋外だけだと思っていませんか?実は、室内で熱中症を発症して救急搬送される人は決して少なくありません。東京都のデータでは、熱中症の死亡者のうち、発生場所が分かっているものの半分近くは屋内で死亡しているのです(東京都福祉保健局 東京都監察医務院より)。

熱中症は特に高齢者に多く見られますが、若いからといって油断は禁物です。部屋の中で普通の生活をしていて熱中症にならないために、室内で熱中症を防ぐ方法を説明していきましょう。

目次

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室内で熱中症になる理由とは

熱中症になりやすい条件のうちに、高い気温湿度とがあります。さらに汗が出にくい状態だったり、汗が出るのに水分補給できなかったりする場合が重なると、起きやすくなります。屋外でスポーツをしている最中などは特に、予防を意識している人も多いでしょう。

実は、熱中症が起こりやすくなる条件は、室内でも同じなのです。30℃以上の真夏日には、屋外で熱中症になる人が増えます。室内でも冷房などをつけなければ、30を超える状態になりやすいです。その上雨が降って湿度が高くムシムシしていれば、特に熱中症になる危険があるといえます。閉めきった室内では、特に注意が必要です。

高齢者や乳幼児は特に、体温の調節機能が上手く働かないため汗をかきにくく、喉の渇きを意識したり訴えたりすることも少ないため、熱中症になりやすいです。しかし熱中症は、年齢や性別に関わらず、誰でも起こし得る病気です。

室内で熱中症になるのを防ぐには?

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ここからは、死に直結することもある室内での熱中症を予防するためのポイントをいくつかご紹介します。

1.日差しを遮る工夫をする

部屋に強い日差しが直接入ってくると、室内の温度が高くなってしまいます。すだれ植物を利用して、強い日差しを遮る工夫をしましょう。

2.部屋の風通しを良くする

室内に熱い空気や湿気がこもらないようにするためには、風通しを良くすることが効果的です。

朝や夜は、外気が涼しくなります。建物の両側の窓(南側と北側など)の窓を開放すれば、建物の中に風の通り道ができます。熱い空気は高いところに上る傾向があるので、できるだけ高い位置の窓から空気を外に逃がすようにすると良いでしょう。

3.扇風機やエアコンを利用する

節電のためか、暑いと思ってもエアコンをつけない人がいます。ですが、あまりにも暑い日は我慢せずに扇風機やエアコンを利用することが熱中症予防につながります。むやみにつけっぱなしにするのではなく、温度を調節して上手く利用しましょう。室温の目安は、28です。

熱中症には要注意!危険から身を守る「冷房」の使い方」もあわせてご覧ください。

4.温度計や湿度計を置く

高齢者は体温の調節機能が落ちてくるため、室内の温度が高くなっていても「暑い」と感じにくい時があります。目で見て確認できるように、温度計や湿度計を置いておきましょう。

5.こまめに水分を摂る

口が渇いていないからと水分を飲まないと、脱水になりやすく、熱中症を引き起こす要因になります。日頃からこまめに水分を摂る習慣をつけましょう。キュウリなど、水分を多く含む食材を普段の食事に取り入れるのも良いですね。

夜間にも脱水症状が起きることはあるので、夜間も枕元に水を置いておきましょう。

6.寝る前にアルコールを飲まない

アルコールには利尿作用があります。熱帯夜などに、夜間にトイレに行っても水分を補給しないでいると、水分不足から熱中症になる場合があります。寝る前にアルコールを飲むのはできるだけ控え、どうしても飲みたい場合は水分補給を忘れないようにしましょう。

7.使っていない電化製品の電源を落とす

家の中には、様々な電化製品があります。でも、全てを常に使用しているわけではありませんよね。

例えば、電気ポットやパソコン。使っていないときでも、電源をオンにしているとそれだけで熱を発しています。使用しない時には電源を落とすと、室内で発生する熱を減らすことができるのです。

8.高齢者や乳幼児は、周りの人が気にしてあげる

多少の体調の変化は我慢してしまいがちな高齢者の方や、自分で異変を訴えることのできない乳幼児では、周囲の人がこまめに気にかけてあげることが何よりの予防につながります。特に、近所に一人暮らしの高齢者がいる場合、声かけを行うなどの地域対策を行うことが望ましいです。

室内で熱中症にならないために

コップに水

ここまで、家の中で熱中症になるのを防ぐ方法を紹介してきました。熱中症になりやすい環境・なりやすい人・予防方法を以下でおさらいしてみましょう。

 室内で熱中症になりやすい環境

  • 扇風機やエアコンを利用せず高い室温の状態
  • 風通しが悪く部屋の湿度が高い状態

室内で熱中症になりやすい人

  • 体温調節がしにくい高齢者や乳幼児
  • 夏風邪など体調不良の時
  • 水分不足で脱水症状を起こしている人

室内で熱中症にならない予防法

  • 室温や湿度が上がらないような工夫
  • 脱水症状を起こさない為のこまめな水分補給
  • 地域全体で助け合う気持ち

部屋だけでなく、車の中も同じです。特に、たとえ短い時間であっても乳幼児を車に残して行くのは危険だと認識してください。

また、熱中症かなと思ったら「熱中症のサインが見られたら?すぐ行える応急処置方法」をご覧になって、早急な対応をしてください。

まとめ

熱中症は、炎天下の屋外だけで起きるものではありません。環境省が出す暑さ指数や、気象庁が出す高温注意報などをテレビやラジオ、Webで確認してください。暑い日には、室内でも熱中症にならないようにしっかりと予防しましょう。